NHK Eテレ「オドモTV」のワンコーナー「オドモのがたり」に出演する前野健太、森山未來、岩井秀人の記者会見が昨日4月17日に東京・NHKで行われた。
「オドモTV」は、子供の何にも縛られない自由すぎるアイデアを一流クリエーターが本気で形にするというコンセプトの10分番組で、 映画プロデューサーの川村元気とMIKIKOが総合指導を務め、音楽はRADWIMPSが担当。2017年9月に3回だけオンエアされ、好評を受けて4月からレギュラー放送されている。
「オドモのがたり」は2017年に上演されたコドモ発射プロジェクト「なむはむだはむ」のメンバーである前野、森山、岩井が子供が考えた物語に動きを付けるというコーナーで、会見に登場した森山は「僕らの出発点はこの番組の前にあって、2017年に『なむはむだはむ』という作品を3人で作りました。それを『オドモTV』総合指導の川村元気さんが観に来てくださり、声をかけてもらって。舞台でやるのと映像とでは若干方向性が違いますが、3人は(舞台と)一緒の感覚でできているので楽しいですね」と手応えを述べた。
岩井は番組の面白さについて「学校で書いたら速攻で先生やお母さんに捨てられるような破綻した作文が、ここだと評価される(笑)。そういう場所があったほうがいいのでは」と語りつつ、「僕たち自身も普段は全然違う畑にいますが、ここではそこからはみ出して、お互いにちょっと苦手なこともやらなきゃいけなかったりする。それは普段はできないことなので、ありがたいですね」と続けた。
「ここでは2人のアイデアを前に、のたうちまわってるだけ。全然歌わせてもらえないんです」と苦笑したのは前野。子供たちの作文については「感情と言葉がまだくっついてない状態のものがいっぱいあって、同じ日本語でもこんなに意味がわからないものが出てくるのかっていう悔しさがある。言葉を覚えた大人として真剣勝負って言うか、大人のほうが面白いぜ!って気持ちで毎回取り組んでいます」と笑顔で述べた。
記者から「創作のうえでお互いをリスペクトしていることは?」と問われると、岩井は「マエケン(前野)はとにかくなんでもやってみせる。守備力がないところを本当に見習いたい!」と語り、前野が照れ笑いを見せる。また「未來くんは子供たちが書いた、よく意味がわからない文章を『間違えたんだな』と解釈せず、『何が表現したかったんだろう』と考えて、そこに意味を見つけようとする。テレビだとどうしてもわかりやすいほうへ行ってしまうけど、『わからないものも面白い、わからないけどやっていこう』という方向へずんずん進んでいってくれる人だと思います」と評する。
続く森山は「3人でやっていても1人ひとりの個性が立っているから、存在自体がポップ。また2人共“ケツを拭く意識”があるというか、いざやるとなったら最後までやるっていう表現者としての責任とセンスのよさを持っています」と言葉に力を込めた。
前野は「岩井さんは子供の作文を読むとき、本当に楽しそうに読む。話を読んでるときのあの顔、尊敬してます(笑)。未來さんはなんでもできる人ですけど、言葉や動きの当て方が尋常じゃなく、(発想が)全然違うところから出てくるのが面白い。2人共大好きです」と述べ、岩井と森山が笑顔でツッコミを入れた。その後の撮影中も3人は談笑を交わし、終始リラックスしたムードで会見が終了した。
なお「オドモTV」ではほかにも、子供たちの“うごき”をMIKIKOがブラッシュアップし、ダンスカンパニー・ELEVENPLAYが踊る「オドモおどり」、メディアアーティストの真鍋大度が、赤ちゃんの“うごき”を最新技術で表現する「オドモテック」、子供たちの驚くべき行動をスクープする「オドモニュース」、子供が考える「こんなモノがあったらいいな」を世界的デザイナー・佐藤オオキが形にする「オドモノ」、アニメーションスタジオ・トンコハウスによる「オドモアニメ」などのコーナーがある。番組は毎週土曜日19:45から放送。