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佐野勇斗、沖縄の青空に響かせた「小さな恋のうた」撮影現場で楽曲への思い入れ語る

5年以上前2019年04月06日 2:06

M!LKの佐野勇斗が主演、橋本光二郎が監督を務める5月24日公開の映画「小さな恋のうた」の撮影現場が公開され、出演者が会見を行った。

「小さな恋のうた」はMONGOL800が2001年に発表した同名楽曲をもとに製作された、オリジナルストーリーの作品。沖縄本島の小さな町でバンド活動に明け暮れる主人公・真栄城亮多と仲間たちの青春ストーリーが描かれる。彼らはある事故によって未来への希望を失ってしまうが、1曲のデモテープと米軍基地に住む1人の少女の存在をきっかけに、再び楽器を手に立ち上がる。

公開された撮影が行われたのは2018年11月の沖縄・中頭群にある高校。佐野演じる亮多、森永悠希演じる池原航太郎、山田杏奈演じる譜久村舞によるスリーピースバンドが学園祭で演奏を披露するシーンだ。季節は晩秋だが、昼下がりの屋上に照り付ける日差しはとても強く、快適とは言い難い環境。しかしながら撮影クルーの中心にいる佐野、森永、山田の3人はさわやかな笑顔で楽器のチューニングをしたり、談笑したりしている。10月から沖縄に入り撮影を続けているだけあり、佐野と森永の肌はすっかり健康的な小麦色に焼けていた。

150人以上の地元エキストラが別棟の校舎から3人を見守る中、演奏シーンの撮影はスタート。森永のカウントから3人が奏でたのは「小さな恋のうた」だ。眼下に広がる青い海から吹き抜けるさわやかな風を受けながら、元気いっぱいに歌声を響かせる佐野、どこかクールな佇まいでストイックに弦を弾く山田、フロントマンの2人を笑顔で見つめながらドラムを叩く森永の3人によるバンドアンサンブルは聴衆のもとへまっすぐに届き、自然と身体を揺らす。いくつもカット数を重ねる撮影中、聴き手のテンションを常に気にして拡声器を片手に彼らを盛り上げる佐野の姿も“ライブ感”のあるもの。また佐野はカットがかかるたびに音楽監修を務める宮内陽輔(ヨースケ@HOME)とモニタをのぞき込み、ライブシーンをよりよいものにすべく話し合いを繰り返していた。

このシーンの撮影を終えると会見が開かれ、こちらには佐野、森永、山田、そして譜久村慎司役の眞栄田郷敦、新里大輝役の鈴木仁の5人が出席した。沖縄ロケについて、佐野は「僕、沖縄にすごく来たかったんです。長期滞在は初めてですが、『やっぱりいい場所だな』って日々思います。時間の流れがゆっくりな気がして、そんないい雰囲気の中で撮影できているなって」と実感を明かし、森永も「文化や風土を感じながら撮影できるのがうれしいですし、みんなの空気もいいので楽しいです」と続く。山田も「昔からこの土地にいたみたいに自然体でいられるというのはすごく感じて、それも沖縄の魅力なのかなと思います」と思いを語り、鈴木は「落ち着いた環境で、のびのびと演じることができている気がします」と笑顔を見せた。そんな中、映画の撮影に参加するのは今回が初めてである眞栄田は「現場に入ると一瞬一瞬が刺激的で、毎日勉強になることばかりです」と、日々周囲から刺激を受けている様子。

物語の根幹となるバンドの演奏については、5月から約半年にわたって練習を重ねてきたという5人。山田は「最初にギターを触ったときは仕組みもよくわからなくて。ギターをアンプにつないで音を出したときの最初の衝撃はすごかったです」と当初の思い出を振り返り、「合同練習で眞栄田さんのギターがとても上手で、すごく焦ったときがありました(笑)」と心境を語る。一方その眞栄田は「すごく負けず嫌いなんですよ、山田さん。劇中では僕が兄なので、僕のほうがヘタだったらダメじゃないですか! 追いつかれないように一生懸命練習しました(笑)」と“兄”としてのプライドを見せつつ「もともと音楽を専門に高校で勉強していたから音楽はすごく好きで。ギターは初めてだったけど、毎日すごく楽しく練習させていただきました。寝るよりもギターを触っていたいなと思えるくらいでした!」と熱い思いをのぞかせた。鈴木も「みんなに刺激されて、『追いつかないと、負けないようにしないと』と思いながら日々練習していました」と5人が切磋琢磨しながら進んできたことを明かす。佐野は撮影に入ってから半年間の特訓の成果を実感したといい「実際にライブシーンを撮影したときに、やっぱり全然違うんですよ。それがすごく……半年間みんなでがんばってきてよかったなと感じたことです」としみじみ語る。唯一ドラム経験者である森永は「ベースとドラムの“リズム管理”がしっかりしていないとバンドは成立しないというくらい大事な役割だということを理解しているので、毎回ものすごくテンポキープしています(笑)。今回は贅沢に練習期間を設けさせてもらっているからみんなすごく上達しています。とにかくエモさ第一にがんばってます!」と、5人の実力に太鼓判を押した。

また「小さな恋のうた」という楽曲は、佐野が「初めて『この曲がほしい』と親にお願いして、ダウンロードしてもらった曲」だという。「勝手に運命を感じています(笑)」と笑った彼は、作中で何度も歌うこの曲に「今回は設定上僕が作詞したということになっているので、曲の意味をしっかり理解しようと思って自分で書き起こしたりもしました。メッセージがたくさん込められた曲だと思いますが、演奏していると僕ら自身も楽しい。みんなを惹きつける、笑顔にする曲だなと改めて思います」と思いを寄せた。

橋本監督は「5人は長い練習の中で培ってきた、友情だけではない……音楽で結び付いた関係性を構築してくれている」とキャスト陣を見つめる。「練習中のやりとりみたいなシーンもすごく自然体でできていますし、歌うシーンに関しても、自分の中の感情を歌にぶつけるという部分を素直にやってくれている。僕らはそこに素直にカメラを向けて撮ることができているんです」と手応えを明かし、「音楽をしながら感情表現もしなければならないという非常に大変な中でも彼らには道筋が見えていて、僕たちが求めているものに向かってきてくれているので、それを『逃さないぞ』という感じでスタッフが撮っていくのが今回の現場の主体。だから映画の現場としてすごく健康的というか。理想的だなと思っております」と5人の努力が士気を高める現場のムードを取材陣に明かした。そして今作を通して放つメッセージについて「きっと東京も含めた地方都市のいろんなところにいろんな子がいて、いろんな思いを抱え、その思いを歌にしていると思うんです。だからこそこれだけ音楽が生まれていると思うんですね。沖縄という土地柄は生かしつつ、同じ地平の物語として観た人に届いてくれたらいいなという思いで撮るようにしています」と思いを語った。

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