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動物公園に魔物光臨! “原点回帰”の「夏の魔物」埼玉編

「夏の魔物2019 in SAITAMA 2DAYS」より、THA BLUE HERBのライブの様子。(撮影:タイコウクニヨシ)
5年以上前2019年10月06日 8:07

9月28、29日に埼玉・東武動物公園でロックフェスティバル「夏の魔物2019 in SAITAMA 2DAYS」が開催された。

今年は9月1日に大阪・ユニバースでも開催された「夏の魔物」。埼玉公演は動物公園の一角を使用し、常設舞台を使った「HOLA! STAGE」と特設された「ROCK'N'ROLL GARDEN」の2ステージでパフォーマンスが繰り広げられた。この記事では各日の模様をレポートする。

1日目

「夏の魔物」埼玉編のトップバッターを務めたクリトリック・リスはセッティングの遅れで開始が数分遅れ、さらに「ライス&ライス」の途中で打ち込みの音が聴こえなくなるなどさまざまなトラブルが発生。しかし観客と合唱したり、フロア後方に設置された蛇口をいじって水を撒き散らしたりと、臨機応変なステージングでハプニングを乗り切った。

1日目は数多くのラッパーが集結し、「戦極MCBATTLE」とのコラボプログラムでは漢 a.k.a. GAMIとAUTHORITYのMCバトルが行われた。2人は「お前はまだ22歳 つまり俺の人生の1/2」「ワンワン言ってんじゃ鎖と一緒だぜ 繋がれたワンちゃんとおんなじで」と攻め立て、粘り強いライミングを展開したAUTHORITYが勝利を収めた。

梅田サイファーはR-指定、ふぁんく、KZ、KOPERU、peko、KBDら8人体制で登場。R-指定の「俺ら大阪から安全運転で来ました」というMCから「大阪安全運転」でパフォーマンスを開始し、「マジでハイ」「トラボルタカスタム」では各メンバーが目まぐるしくヴァースを交代する、スピード感あふれるマイクリレーでオーディエンスを引き込んでいった。BAD HOPは「Prologue」でライブを開始すると、代わる代わるマイクを握って「Super Car」「2018」「I Feel Like Goku」といった人気曲を次々に投下。観客を沸かせ続け、最後は「川崎区で有名になりたきゃ 人殺すかラッパーになるかだ」のラインで知られる代表曲「Kawasaki Drift」で全員参加のマイクリレーを繰り広げた。

スチャダラパーは「アーバン文法」「From 喜怒哀楽」など、Bose曰く「古めの曲」をたっぷりと盛り込んだセットリストで進行。「GET UP AND DANCE」ではゲストのかせきさいだぁとラップを交わしたほか、「今夜はブギー・バック」ではフロア中が手を仰ぐ人でいっぱいとなり、一体感を高めていた。OLEDICKFOGGYはバンジョー、アコーディオンの音色を前面に押し出した「カーテンは閉じたまま」「シラフのうちに」で観客たちを魅了し、「弾丸さえあれば」ではTHA BLUE HERBのILL-BOSSTINOがゲストで登場。BOSSと伊藤雄和(Vo, Mandolin)は共に歌声を重ね、十分にフロアを温めてトリのTHA BLUE HERBへとバトンをつないだ。イベント全体の進行が押したため、持ち時間を変更してライブを行ったTHA BLUE HERBだが、BOSSは「心と体解放して。数分しかないけどいけるっしょ?」と気合十分に発言。「THE WAY HOPE GOES」や「今日無事」でエモーショナルな札幌流ヒップホップを炸裂させ、最後は「始めよう、終わらすために」と優しく語りかける「MAKE IT LAST FOR…」を届け、およそ40分にわたるパフォーマンスで1日目を締めくくった。

2日目

2日目はルーキーからレジェンドまで数々のバンドが一堂に会し、「夏の魔物」恒例ともいえるコラボレーションも数多く行われた。モーモールルギャバンのライブにはROLLYが参加し、「サイケな恋人」やすかんち「恋のマジックポーション」のカバーなどを演奏。ROLLYはモールルのライブではおなじみの“パンティ”コールを盛んに行いつつ、セッションを楽しんでいた。“昭和最後のエロ事師”村西とおるは、自身の生涯を描いたドラマ「全裸監督」の挿入歌「The Passenger」をバックに登場。「お待たせ致しました。お待たせしすぎたかもしれません」と口にし、「思い出作りをご一緒させていただきます。素晴らしいエンタテインメントをお楽しみいただきたいと思います!」とフロアを沸かせ、人間椅子を呼び込んだ。1時間の長尺での出演となった人間椅子は「超自然現象」「ねぷたのもんどりこ」と近作からの楽曲を中心にプレイ。ナカジマノブ(Dr, Vo)がメインボーカルを務める「地獄小僧」、和嶋慎治(G, Vo)がテルミンを演奏する「地獄のご馳走」と“地獄”曲を連発したあと、最後は「針の山」で真昼の動物公園を禍々しく彩った。

町田康はフェス主催者の成田大致プロデュースによる企画で、かつて活動していたバンド・INUの楽曲のみでライブを行った。「フェイド・アウト」「つるつるの壺」とアルバム「メシ喰うな!」の楽曲を鬼気迫る歌声で披露し、「おっさんとおばはん」では途中の台詞パートも再現。ラストナンバー「気い狂て」ではフロア前方がもみくちゃになるほどの盛り上がりを見せた。戸川純は今年8月に行われたヤプーズでのライブと同じメンバーを率いて登場。「バーバラ・セクサロイド」「肉屋のように」などをシンセサウンドを前面に押し出したアレンジで届け、「蛹化の女」では柔らかな歌声で、夕暮れの動物公園にノスタルジックなムードを生み出した。

2日目のヘッドライナー・Age Factoryは「GOLD」でライブの火蓋を切ると、「CLOSE EYE」「WORLD IS MINE」で轟音で鳴り響かせ、間もなくフィナーレを迎える「夏の魔物」をさらに盛り上げていく。終盤にスケール感あふれる「See you in my dream」が演奏されると、客席は拳を突き上げる人でいっぱいとなった。2日間にわたって行われた「夏の魔物」のクロージングアクトを務めたハリウッドザコシショウは「観たくないやつはとっとと帰れ!」と観客を冷たくあしらいつつ、「ハズキルーペのCM出演時の渡辺謙」「『どんだけー!』を言わないIKKO」などのモノマネを用意。そして最後に「ファミコン『北斗の拳』より画面奥へと進むケンシロウ」のモノマネを披露すると、そのままそそくさとステージを去り、フロアを騒然とさせて「夏の魔物」の幕を閉じた。

※記事初出時、一部写真クレジットに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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