「2019年もっともパンチラインだったリリックは何か?」をテーマに、二木信、斎井直史、二宮慶介、Genaktionという4人の有識者たちが日本語ラップについて語り合う企画「パンチライン・オブ・ザ・イヤー2019」。前編の記事では舐達麻、Moment Joon、KOHHらのリリックについてそれぞれが意見を交わしたが、後編ではいよいよ2019年の一番のパンチラインが決定する。
プライドを肥大化させずに捨てる星野源
斎井直史 Moment Joonの「令和フリースタイル」とCIRRRCLEの「Mental Health」という、今話した2曲の流れを踏まえて僕が次に選んだのが、BASIの「これだけで十分なのに(BASI REMIX)」です。
二木信 あー、原曲はTOCCHIの。
斎井 そう、北海道のシンガーソングライター / ラッパー・TOCCHIの曲をTOCCHI本人を迎えてBASIがラップした曲なんですけど、フックのリリックが「本当に足りないものなんて実はそんなないんじゃない?」なんです。僕は最初に聴いたときに「普段は自分にないものを追ってばかりだけど、衣食住に困っていないし、いい友達もいる」ということを素直に受け入れられた気がしまして。でもMoment Joonの生い立ちとか、CIRRRCLEの結成の経緯とかに考えさせられた流れでこの曲を聴いたときに、「俺みたいな人間ばかりだから、問題だらけの日本が全然変わらないんじゃないか」って思っちゃったんですよ。このリリックに共感している俺にこそ、Moment Joonが怒る原因があるのかもって。もちろん、ラップしてるトピックが全然違うのでBASIやTOCCHIを悪く言うつもりはまったくなくて、あくまでそんなときに聴いたら聞こえ方が変わった、という話ですが。
二木 ラップを聴いて自分を見つめ直した、ということですね。
斎井 そうなんです(笑)。だからこそ最後に選んだのが星野源「さらしもの(feat. PUNPEE)」の「この輝きは僕のじゃなくて / 世の光映してるだけで / 身の丈じゃないプライドは君にあげる受け取って / 捨てといて」というラインで。
斎井 Moment Joonの自叙伝で、軍隊で彼のことをいじめてた人の過去を知るシーンを読んだとき、「ああ、負は負を生むんだ」と思っちゃったんですよ。そしてその負を作るのは貧しさなのかな、と今の俺は思うんです。貧しさっていうのは、心の貧しさも含めて。一方「さらしもの」で、貧しさとは真逆の状況にあるだろう星野源は、プライドを肥大化させずに捨てるじゃないですか。しかも、人に渡して捨てるあたり、余計なプライドは役に立たないと人を諭しているようですよね。彼はここまでのメッセージを説教臭くなく伝えている。しかも、初めてのラップなのにPUNPEEのライミングセンスとも見劣りしてないです。やっぱり星野源はすごいですよね。
SALUが覆した死のイメージと、田島ハルコのコンシャスさ
二木 あと、僕はSALUの「KURT」を選びました。
二木 曲名はカート・コバーン(Nirvana)から来ています。ドクター・ドレーがNirvanaをフェイバリットに挙げたり、デンゼル・カリーが「CLOUT COBAIN」という曲をリリースしたり、また昨年大躍進しグラミーも受賞したリル・ナズ・Xが「Panini」という曲でNirvanaの「In Bloom」のメロディを使ったりと、Nirvanaはヒップホップに少なくない影響を与えてきている。とはいえ日本でもそうだと思いますが、カート・コバーンの自殺とされる死が強烈で、Nirvanaもカート・コバーンも多かれ少なかれ死と結び付くイメージがあると思うんです。さらに、メディアからカート・コバーンに例えられたりもしたリル・ピープが2017年に亡くなったことが、エモラップと死の結び付きの印象を強固にした面もあるのではないでしょうか。そしてSALUの「KURT」もダークなムードの曲調ですし、MVにもずっと不穏な雰囲気が漂い続ける。途中までは悪い予感しかしないんですね。ところが、最後の最後でSALUは「幸せに音楽を続ける / 自殺しないKurt Cobain」とラップすることで景色を一変させる。こういう表現が適切かはわからないですけれど、カート・コバーンやエモラップと呼ばれる音楽にまとわり付く死や退廃のイメージを逆手に取り覆すことで、生を肯定する強いパワーを見せつける、そんなパンチラインだと思います。
Gen この曲、聴いてみたんですけど、リリックを読まないと何を言ってるのか全然わからなかったんですよね。彼は才能があるラッパーだと思うんですが、彼の話す英語は日本人の英語だから、ネイティブの人は聞き取れないと思う。YouTubeの公式動画の詳細欄に歌詞が載っていたので読んでみましたが、どうやら彼は「自殺しないKurt Cobain」の部分は前のラインの「I love my fans」と対にしようとしていたみたいです。しかし、“Cobain”と“fan”では母音の発音が異なるので、そもそもライムできません。
二木 英語の発音に関してのGENさんの指摘、興味深いです。これはあくまでも僕の個人的な解釈ですけど、SALUはこの曲で、日本語でも不明瞭に発音する部分を残したり、曲のプロットを複雑にしたりしているように思えます。もちろんSALUの特徴のある滑舌はありますが、それだけではない気がします。彼くらいの才能と技術があればより明瞭に日本語を発音したり、わかりやすく曲を構成して作ることはできるはずなんです。でもそうはしていない。それは、最後の「幸せに音楽を続ける / 自殺しないKurt Cobain」という言葉を最大限に生かすために積極的に選択した創作方法ではないかと。つまりこの曲の、いわばもっとも重要な主張、あるいはオチであると思われる「幸せに音楽を続ける / 自殺しないKurt Cobain」に連なる言葉が早い段階で明瞭に伝わりすぎると、この曲のダイナミズムが失われてしまうからあえてぼかしているのではないか。僕はそんなふうに聴きました。そういうSALUと比較するとかではもちろんないですが、田島ハルコの「ちふれGANG」という曲は非常に明快ですね。
斎井 あ、田島ハルコいいですよね!
二木 去年1月にYouTubeにアップされた「ミーが代」という曲の勢いに圧倒されてファンになりました。彼女が去年出したアルバム「kawaiiresist」に入っている「ちふれGANG」は全編にわたってパンチラインの嵐ですが、後半の「つまらん男に買ってもらうためにソフレ / なるより自分で買うちふれ / ワープアで非正規とか肩書きなら気にしねえ / そもそもこんな社会許さねえ」というラインが特にキラーです。これほど雄弁なパンチラインに、もはや僕から付け加える言葉はほぼありません。1つ、「ちふれ」というのは化粧品の名前ですね。この独特の響きを持つ「ちふれ」は、全国地域婦人団体連絡協議会、略して“地婦連”が名前の由来だそうです。この団体のオフィシャルサイトを調べてみると、戦後は原水爆禁止運動や沖縄返還運動にも取り組んだそうで、その後消費者運動にも乗り出し、1968年に低価格なうえに品質もいい化粧品を目指してちふれを生み出したと。ちふれ化粧品にはそんな背景もあるそうです。ちなみに友人の女性に聞くと、確かに安くて品質がいいと。
Gen じゃあMoment Joonがイミグラント(移民)とギャングを合わせて「ImmiGang」という言葉を作ったのと一緒なんですね。二木さんのコンテキストを踏まえた解説はすごいな。ヒップホップって背景がわからないとちゃんと理解できないものが多いですよね。
二木 田島ハルコは年末に発表した「HAPPY税」という曲のMVを1月にYouTubeで公開していますね。昨年10月に消費税が10%に増税されたことが創作のきっかけと思われます。2018年10月発売のアルバム「聖聖聖聖」には「奇跡コントローラー」や「バイブスの大洪水」といったタイトルの曲もありますが、彼女の言語センス、というよりも“造語センス”は突き抜けていてそこも魅力ですよね。
Gen 例えば“女性器”をテーマにした曲をよく発表するジャネール・モネイなどもそうですが、ある意味露悪的ともいえる性的表現を通して、抑圧された女性の解放を訴えているアーティストがいるじゃないですか。それに通じるコンシャスさがありますね。
斎井 でもこういうギャル文化って日本特有なものですよね。僕はあんまり詳しくないんですけど、BananaLemonはYouTubeの再生回数がすごくないですか?
二木 1990年代にヒットしたR&Bのカバーを中心にメドレーでダンスする映像もYouTubeにアップされていましたよね。
斎井 この周りの目を気にせずに自分を貫いてる感じがギャルの強みですよね。すごくエネルギーがあるし。
ハードなバックグラウンドを持ったFuji Taitoと、それとは真逆のdodo
二宮慶介 俺は最初に言った舐達麻とMall Boyz以外だと、Fuji Taitoの「Top freestyle」も選びました。遅めで不穏なビートの上で成り上がることをラップしている曲なんですけど、その中に「売れなくても死なないが / 死んだやつらが許すと思うか」というリリックがあって。
二木 ああ、これはパンチラインですね。
二宮 自分が売れなかったとしてもきっと死ぬことはないけど、死んだ奴らは俺のことを許さないだろう、という。このフレーズから彼のハードなバックグラウンドが浮かび上がるんです。
斎井 壮絶な生い立ちなんですよね。
二宮 ブラジル人とのクォーターで、群馬県大泉町のブラジル人街で10代の頃から犯罪をしながら生きてきた過去があって。
斎井 僕もFuji Taitoの「トリハダ」の「みんな死んだ みんな死んだ / すべて俺のせいにしたいのもわかるけどFuck」ってラインを選ぼうか迷ったんですよね。Fuji Taitoっていう名前は本名じゃなくて、弟のように彼の面倒を見ていた先輩の名前らしいんですよ。その先輩はまだ少年法に触れない年齢だったFuji Taitoを犯罪仲間としてスカウトしたようですけど、山小屋で脱法ドラッグを作っていて、いくら儲けるという目標が達成できなくて死んじゃったらしくて。
Gen 殺されたんですか?
斎井 死んだとしか言っていないのでそれはわからないです。
二宮 「トリハダ」のリリックはたぶんその件ですよね。あの曲は俺もすごいなと思った。
斎井 だから「Top freestyle」のリリックは、「自分の面倒を見てくれた先輩の名前を受け継いで活動しているのに、もし売れなかったら先輩は俺のことを許さないだろう」という意味なんでしょうね。
二宮 最近ライブを観たんですけど、新曲では全然韻を踏んでないですよ。踏まないまま1曲全部歌い切ったりして。韻を踏むとグルーヴ感が出る一方で、聴き心地がよくて耳に残らなくなるから、もしかしたら言葉を聞かせるためにあえて踏んでないのかもしれない。
二木 「トリハダ」はFuji Taitoのヴァースの鬼気迫るフロウが他に類を見ないものでしたよね。痺れました。
二宮 俺はFuji Taitoみたいに、普通じゃ経験できない、嘘だろってくらいハードコアな経験をしてる人の曲が好きなんですけど、次に選んだdodoはそれとは真逆のタイプです。決してハードな生活を送っているわけでなく、普通である自分に悩み、弱さをつぶやいて曲にしている。その中でも「im」の「俺は君が好き / だって俺は君が好き」というバースはパンチラインだったなと。これは好きな女の子に向けた幸せな恋愛ソングで、超ピュアな青年の、うれしくて仕方ない気持ちがあふれてるんですよ。dodoはけっこうキャリアが長くて、もともと童貞キャラで自分がモテないことを自虐的に歌ってたんですが、たぶんそのあたりの環境が最近大きく変わったんじゃないかな。
斎井 彼のような“そのへんにいる気さくな子”みたいな人は、シーンにはほかにいないですよね。
Gen YouTuberみたいな雰囲気だけど、ラップはちゃんとしてますね。
二宮 そうですね。とにかく固い韻を踏みまくるオーソドックスなスタイル。しかもこういうテーマのリリックなのに、ひたすらセルフボーストをするんですよ。言葉遊びを多用した曲が多いんですが、彼はワードチョイスにユーモアがあるので、彼のそういうセンスをリスナーが楽しめるようになってきたのかなって。
Gen 周りが変わったってことですか? 彼自身が変わったわけではなく?
二宮 dodoはまったく変わってないんですよね。童貞キャラや少々気持ちが悪い自虐(笑)はなくなったけど、ライミングとか言葉のユーモアは当初からまったく変わってない。なのに2019年後半くらいからYouTubeも再生回数に一気に火がついて。
斎井 最近の曲は素直な気持ちで聴けますよね。実は僕も、申し訳ないけど昔は彼のよさがわからなかったんです。跳ねっ返りが強すぎて、聴いててつらい気持ちになるというか。
二宮 「俺のことなんて理解できないだろ」みたいな(笑)。
斎井 でも「out of ma biz」の「『これひでえ』って『それひでえ』って俺否定しないぜ」というフックを聴くと、彼は変わったんだなと思いました。
二宮 あともう1つ、茂千代の「一心不乱」から「こだわりが過ぎて時代遅れ / 夢は変わらずにそこにおって」を選びました。茂千代のよさって、絶対にくじけないで立ち上がり続けるところだと思ってて。そこに共感できるし、聴いていて元気が出るんです。「一心不乱」のこのバースで彼は、時代遅れだってことを自分でも認識しているけど、夢があるから変わらずに続けると言っている。さらにその前のバースでは「こんなところで止まってられない / 周りを気にして見つかるわけない / 待てど暮らせど奇跡は起きない / 見逃してるだけ奇跡に罪ない / よそ見すんな最善を尽くせ」とも言っていて。要するに「奇跡が起きてないのは周りじゃなくて自分が悪い。でも自分は変わる気はないしこれからも続けるだけ」という、ものすごく実直で不器用な男なんですよ。
二木 大阪のベテランラッパーですよね。
二宮 いわゆる“さんぴん世代”ですね。これが収録された「新御堂筋夜想曲」は3年ぶりのアルバムなんですけど、同世代のベテラン勢がフルアルバムをパッケージで出せない中、リリースし続けているのはリスペクトしたいです。
二木 僕ももう1曲だけあります。KANDYTOWNのラッパー・KEIJUの「get paid」ですね。端的に言えば、仲間とお金についての歌です。この曲は冒頭、「嘘みたいになりたいよ 金持ちに」という、ヒップホップで言ういわゆるメイクマネーの定型のようなリリックで始まる。でも実はこれが振りなんです。フックに差しかかると「お金は大事にならないからいい / 大事なものは減ったら増えない」という歌詞が聴こえてくる。最初は「ん? どういうこと?」ってなりました。
二宮 矛盾してますね(笑)。
Gen 「減ったら増えない」って、一聴しただけだと言葉のサラダみたいですよね。
二木 音楽ライター・猪又孝さんのインタビューによると、このリリックをKEIJUは、母親との電話での会話から着想を得て書いたそうです。「お金は増えていても、大事な周りにいる人たちは減っていくばかりだからね」と母親に言われてフックを思いついたと。この手のお金と仲間の話になると、「金より仲間だ」あるいは「仲間と金を儲けるぞ」というふうに単純化した表現になりがちじゃないですか。そういう表現や考え方が悪いということではないですし、この曲を聴く限りはKEIJUの考え方がそこからものすごく遠くにあるとも感じられない。でも何よりも「お金は大事にならないからいい」というのは表現として巧みですよね。だから、選びました。
斎井 切り方が絶妙なんですよね。聴いても、口ずさんでも意味がわからなかったけど、文字にして並べたときに発見して驚きました。あとこの曲、最初の「嘘みたいになりたいよ 金持ちに」の部分が、あきらめたようなすごく疲れ切った声なんですよね。本当は無理なのに「がんばれますよ」って言ってるみたいな。
二木 確かに、最初の部分はあきらめたような、疲れ切ったような歌い方をしてますね。それはとても重要な指摘ですね。
いよいよ2019年のパンチライン・オブ・ザ・イヤーが決定!
Gen 皆さんの話を聞いていると、それぞれ見方が違うから面白いですね。友達とでもこんな話しないですよ(笑)。
二木 今日いろいろ話しましたけど、2019年を象徴するようなパンチラインはどれでしょうか? 個人的な意見を率直に言えば、選べません(笑)。ただ、音楽ナタリー編集部としては選考もお願いしたいとのことですので。
斎井 やっぱ舐達麻の「LIFE STASH」かな。それかMall Boyzの「Higher」な気がしますけど。
二木 斎井さんが挙げたKOHHの「ロープ」の「見えないロープに縛られてる俺たち / 全然見た目は違うけど同じ」もありましたね。
Gen でもやっぱ「たかだか大麻 ガタガタぬかすな」かな。すごいシンプルだけど。
二宮 それになっちゃいますよね、どうしても(笑)。2019年は薬物で逮捕される人のニュースが多かったじゃないですか。そのたびに頭の中にこのフレーズが出てきますからね。
Gen あんまりラップに興味ない人も知ってたりしそう。
二木 ミーム化したのはデカいですよね。
斎井 やっぱ「たかだか大麻」じゃないですか? 長い時間さんざんグダグダ言ってきたのに、結局最初の話題ですけど(笑)。
二木 「パンチライン・オブ・ザ・イヤーは『たかだか大麻 ガタガタぬかすな』に決定!」ってドカーンと出るのかな……すごい時代になりましたね。
Genaktionが選んだパンチライン
舐達麻「LIFE STASH」
たかだか大麻 ガタガタぬかすな / 収穫前の開花 裁判前にしてくれ現金化
MEGA-G「Rap is outta control」
たとえ世界をロックしてる人気者の / ジーン・シモンズが不謹慎にも / ラップの死を願ってDisをしても / 誰もお前のケツにはキスをしねえ
韻踏合組合「イカれてる イっちゃってる 異ノーマル feat. NIPPS, 漢, Moment Joon」
偽モンキチガイの敵は所詮マトリ / 俺の敵は日本の偏見と日本の総理
プロフィール
USラップの解説ブログ「探究HIP HOP」管理人。ディスクレビューやコラムなどを掲載したZINE「Hip Hop Anti-GAG Magazine Vol. 1」「Hip Hop Anti-GAG Magazine Vol. 1.5」がSNSで話題になった。
斎井直史が選んだパンチライン
KOHH「ロープ」
見えないロープに縛られてる俺たち / 全然見た目は違うけど同じ
Moment Joon「令和フリースタイル」
定番の質問「日本に何しに?」 / 今答えは「お前を殺しに」 / そんなの聞かれない日本が / 見たいならば君だってMy people
CIRRRCLE「Mental Health」
Castle in the sky. I'll catch you when you fall.
BASI「これだけで十分なのに(BASI REMIX)」
本当に足りないものなんて実はそんなないんじゃない?
星野源「さらしもの(feat. PUNPEE)」
この輝きは僕のじゃなくて / 世の光映してるだけで / 身の丈じゃないプライドは君にあげる受け取って / 捨てといて
プロフィール
ヒップホップライター。OTOTOYにて「パンチライン・オブ・ザ・マンス」を連載中。
二宮慶介が選んだパンチライン
舐達麻「LIFE STASH」
おれは輩とは違うラッパーだクソ野郎 / たかだか大麻 ガタガタぬかすな
Mall Boyz「Higher」
誰も見たことのない景色だけを見る / 俺は子供の頃からずっと天才でいる / 1人空高く上空の上で生きる / 成し遂げて死ぬ 成し遂げて死ぬ
Dodo「Im」
俺は君が好き / だって俺は君が好き
Fuji taito「Top freestyle」
売れなくても死なないが / 死んだやつらが許すと思うか
茂千代「一心不乱」
こだわりが過ぎて時代遅れ / 夢は変わらずにそこにおって
プロフィール
ストリート誌の編集者としてキャリアを開始。T.R.E.A.M.の事務局員として「田中面舞踏会」をはじめとしたパーティの主催や、コンピレーションアルバム「T.R.E.A.M. PRESENTS ~田中面舞踏会サウンドトラック~『LIFE LOVES THE DISTANCE』」のプロデュースなどを行う。2019年には雑誌「DAWN」を創刊させた。
二木信が選んだパンチライン
RYKEY×BADSAIKUSH「Roots My Roots」
間違ってる事を正しいと歌わない俺は
Moment Joon「TENO HIRA」
このクソチョンこそ日本のヒップホップの息子
SALU「KURT」
幸せに音楽を続ける / 自殺しないKurt Cobain
田島ハルコ「ちふれGANG」
つまらん男に買ってもらうためにソフレ / なるより自分で買うちふれ / ワープアで非正規とか肩書きなら気にしねえ / そもそもこんな社会許さねえ
KEIJU「get paid」
お金は大事にならないからいい / 大事なものは減ったら増えない
プロフィール
1981年生まれの音楽ライター。単著に「しくじるなよ、ルーディ」、編著書に「素人の乱」(松本哉との共編著)など。漢 a.k.a. GAMI著「ヒップホップ・ドリーム」の企画・構成を担当。
※記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正します。
取材・文 / 橋本尚平 題字 / SITE(Ghetto Hollywood)
