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ファンの店 第12回 SHISHAMOとファンに愛される川崎のとんかつ店

神奈川・とんかつ華家
4年以上前2020年08月18日 3:02

特定のアーティストの“ファンの店”を紹介する連載「ファンの店」も12回目。今回はSHISHAMOがデビューのきっかけをつかんだ場所として知られる、神奈川・梶が谷のとんかつ華家を訪問した。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 曽我美芽

地元で愛される定食屋がいつしかSHISHAMOの聖地に

とんかつ華家があるのは、田園都市線の梶が谷駅を出て右手、まっすぐ歩いて7分のところ。赤い暖簾のすぐ横にはSHISHAMOを起用した川崎市のポスターが貼られ、遠方から訪れたファンもひと目でお店を見つけることができる。引き戸を開け店内に入ると壁をぎっしり埋め尽くすSHISHAMOのポスターやサイン、そして優しい笑顔の店主・天谷信元さんが出迎えてくれた。

今では毎日のようにSHISHAMOファンが訪れるというとんかつ華家は、1989年に南武線・中野島駅前に開店。天谷さんのご両親が営む精肉店が閉店し、その場所を引き継ぐ形で1994年に梶が谷に移転した。今では全国各地からSHISHAMOファンが訪れるようになったが、ベッドタウンという土地柄もありもともとのお客さんは地元の人がほとんど。街の定食屋として愛され、SHISHAMOが結成された川崎市立川崎総合科学高校軽音楽部顧問の菊田直史教諭も常連の1人だった。天谷さんは「うちの教え子にすごい子たちがいるって菊田先生がSHISHAMO(当時の名義は柳葉魚)のデモCDを持ってきてくれたんです。マネージャーのK氏もうちの常連で、お店で流していた音源を聴いて、次の日に学校に足を運んでいました。デモCDを聴いてすぐに挨拶に行くなんて何かビビッと来るものがあったんでしょうね」と当時を振り返る。

SHISHAMOと華家の歴史

SHISHAMO本人の初めての来店はデビューが決まった2012年。それぞれの家族を連れての来店だったという。それ以降もメンバーが来店したり、天谷さんが常連たちとSHISHAMOのライブに足を運んだりとSHISHAMOと華家の交流は続いている。

来店した人が誰でも手に取ることができる天谷さんお手製のスクラップブックには、華家とSHISHAMOの歴史が詰まっている。ライブのチケットや遠征した際の飛行機のチケット、初めての東京・日本武道館公演のバックヤードで撮影された集合写真など、めくってもめくってもSHISHAMO尽くしのファイルは、今や本棚に入り切らないほどの冊数に。天谷さんは「SHISHAMOが初めてお店に来てくれたときは、小柄な女の子たちだなと思いました。それは今でも変わらないですが、ライブのステージで見るとすごく大きく見えるんですよね。大きいライブがあるときはお店を閉めて観に行くんですけど、地方からSHISHAMOのライブを観に来た子たちがここに来るのを楽しみにしてくれているので、翌日と前日は必ず開けるようにしています。普通のツアーは定休日の水曜日に当たったときだけ観に行っていますね」と、そのスクラップブックをめくってSHISHAMOと撮影した写真を見せてくれた。

こだわりの食材を使った“こだわらないとんかつ”

SHISHAMOお気に入りのメニューを聞くと天谷さんは「今は忙しくなっちゃって、仕事の合間にサッと寄ってすぐに出てくるとんかつやヒレカツの定食を食べていくことが多くなりましたが、昔はメニューとにらめっこしていろんなものを食べていましたよ。今でもファンの子たちはSHISHAMOがデビュー当時よく食べていたチーズカツを頼む子が多いです」と教えてくれた。

SHISHAMOも大好きだというとんかつ定食のかつは160gの大判だが、1300円という破格の値段設定。精肉店時代からのルートで仕入れた柔らかなロース肉がカラッと揚げられており、高級とんかつ店でも使用されているという粗めのパン粉のザクザクした食感とスッと歯が通るジューシーなロース肉を堪能することができる。料理のこだわりについて天谷さんは「いい素材を使って、量をケチらないこと。特別なことは何もしていなくて、こだわらないことがこだわり。でもうちが出しているような素材のとんかつを都内の一等地で出したらいいお値段になっちゃうんじゃないかな。場所柄リーズナブルな価格設定でやらせてもらっています。さらにランチは定価の100円引きなのでお得ですよ」と語った。

グッズはいつかSHISHAMO博物館へ

「僕は店内を“自分の部屋”とよく言っていて、SHISHAMOのファンとしてこのお店を飾り付けているので、来店した子たちが喜んでくれてうれしいんですよね。飾ってあるものは全部僕の宝物です」と天谷さんは店内を紹介してくれた。貴重なコレクションの中で一際目を引くのは、4月に60本限定で発売された宮崎朝子シグネチャーモデルのギター。重厚なケースにSHISHAMOモデルのアイスウォッチと共に収められたこのギターは、天谷さんと有志のファンで購入したという。「シリアルナンバーは25番。『華家にこのギターがないとダメでしょ』とファンの子たちも寄付をしてくれたので、その子たちの名前もプレートに入れさせてもらいました」と、天谷さんはケースに添えられたプレートを指差した。

天谷さんは「店内が広ければもっとたくさん飾れるんですけどね。なかなかスペースがなくて(笑)。よく来てくれるファンの子には『いつかSHISHAMO博物館を作ってうちにあるグッズを飾って』と話しているんです。こんなにたくさんグッズがあるからいつかはファンの子たちに譲りたいなと思ってますよ」とも語ってくれた。

応援したい人がいるから

一見SHISHAMOに埋め尽くされているが、店内にはRAMMELLSやミツメ、CrossfaithなどSHISHAMO以外のアーティストの作品やサインもちらほら。天谷さんは「この店には応援したくなる若い子が次から次へと現れるんです。地方からSHISHAMOファンの男の子が来て僕と話していたら、横でうなずいている人がいて『お兄ちゃんもSHISHAMOファン?』って聞いたら『僕はやるほうなんです』って教えてくれたのが、ミツメのnakayaanくん。次に来店したときに『お兄ちゃんも応援される側なんだね』と声をかけてポスターやCDにサインをもらうようになりました」とnakayaanとの出会いを語ってくれた。華家のInstagramには、料理の写真のほかに「#華家応援アーティスト」や「#華家応援アスリート」などといったハッシュタグを添えてアーティストたちや川崎出身のアスリートたちの情報が投稿されている。「ライブがかぶったときには僕と母親、常連さんたちで手分けして行ったりもするんです」と天谷さんは笑った。

新型コロナウイルスの影響で、華家が出店予定だったSHISHAMOの神奈川・等々力陸上競技場公演「SHISHAMO NO 夏MATSURI!!! ~おまたせ川崎2020~」も中止になるなど、音楽業界は大変な状況が続いている。華家の現状について天谷さんに聞くと「普段は都内に働きに出ている人たちがリモートワークになったりして自宅にいることが多くなったみたいで、想像以上にうちは忙しかったですね。もちろん感染対策はしっかりしていますし、自粛期間中はテイクアウト中心でやっていました。SHISHAMOをはじめ応援している人たちがたくさんいるので、みんなががんばっているうちはうちの店もがんばらなきゃと思いますよ」と語ってくれた。

店舗情報

住所:神奈川県川崎市高津区梶ケ谷3-7-25
電話番号:044-888-8810
営業時間:11:30~13:40 / 17:05~21:00
定休日:水曜日、SHISHAMOの大きなライブがある日
お気に入りの曲:「夢のはなし」「深夜のラジオ」

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