rei harakamiが音楽を担当したプラネタリウム作品「暗やみの色」が、6月26日から7月25日まで東京・日本科学未来館でリバイバル上映される。
「暗やみの色」はプラネタリウム投影機・MEGASTAR-II cosmosが映し出すリアルな星空と、rei harakamiの浮遊感のある音楽が楽しめるプラネタリウム作品。作品コンセプトに共鳴した詩人の谷川俊太郎が詩「闇は光の母」を提供し、原田郁子(クラムボン)がナレーションを務めている。2005年に初上映されてから15年が経過してもなおファンから愛されている本作が、このたびrei harakami没後10年の節目に再上映されることとなった。
上映期間中の7月3日には、原田らによるトークイベントが開催予定。また初上映当時に発売され、現在は廃盤となっている公式ガイドブックが、日本科学未来館のオフィシャルサイトにて期間限定で公開される。なお鑑賞には各上映日の1週間前からオンラインでの事前予約が必要となる。
谷川俊太郎 コメント
肉眼で見える闇の奥にもっと深い見えない闇があることを科学は教える。詩も科学とは違う仕方で見えない闇を言葉で探る。そのとき言葉は活字の殻を脱ぎ捨てて、声となりまた音楽と化して新しく生まれる。
映像と音楽と言葉で捉えきれない闇に迫るプロジェクトは、その時代の科学とともに何度でも更新されて行くだろう。
原田郁子 コメント
谷川さんの詩「闇は光の母」は今も体の芯にあり、時々ふとハラカミさんのサウンドトラックを聴きたくなります。束の間、目に見えるものたちから遠く離れて、深く呼吸をして、手足をのばす。安心して闇に浮かぶ。再上映とても嬉しいです。ダークマター、見えないものを見てみよう。感覚がひらかれていくのを感じながら、ぜひお楽しみいただけたらと思います。
rei harakami 制作当時のコメント(公式ガイドブックより)
この作品で、一番最初に興味を持ったのは、「まだ見えていない何かに焦点を当てる」というコンセプトそのものでした。素敵じゃあないですか! 社会生活の中では、歳を取るほど「見えないモノ、理解出来ないモノ=存在しないモノ」という価値観でしか生きていけない、と勝手に思わされるフシがどうしてもあるわけで、実際にその方が楽だったりするわけですが、そんな事を根底から揺さぶる事が出来る作品になればいいなあと勝手に思っております。科学だろうと表現だろうと、原初的な動機には「未知なるもの」へのロマンがあるわけですよ。この世界を見限ってしまうのか、希望を持つかは、結局その人次第なのですから。生きてれば、こんなにロマンの溢れる仕事に参加出来たりする事もあるのだな、と改めて思えました。
リバイバル上映「暗やみの色」
会期:2021年6月26日(土)~7月25日(日)※土日祝日のみ
会場:東京都 日本科学未来館 6階 ドームシアター
上映時間:16:30~17:00(開場16:20)