8月1日に東京・東京ドームにてまふまふの主催イベント「ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服II@東京ドーム~ONLINE」が開催された。
「ひきこもりたちでもフェスがしたい!」は、まふまふが2017年に初開催したイベントで、これまで埼玉・スーパーアリーナ、千葉・幕張メッセ、埼玉・メットライフドームといった会場で行われてきた人気のライブイベント。昨年3月に東京ドームにて開催予定だった「ひきフェス」が中止となり、今回のライブはそのリベンジ公演として無観客で行われた。ライブはStreaming+による生配信のほか、全国の映画館でのライブビューイング、veepsやWeiboを通じて海外在住者向けに配信され、まふまふが掲げ続けてきた「世界征服」の大きな一歩を果たす公演となった。
オープニングムービーを経て、配信画面に切り替わると、東京ドームのステージ上には天月-あまつき-と少年Tの姿が。プライベートでも深い交流がある2人は、「ホシアイ」をゆっくりと歌い始め、「ひきフェス」の口火を切る。ドーム中央に用意されたステージ上の2人は向かい合ってお互いの声を重ね、息の合ったパフォーマンスを繰り広げる。少年Tは多数のダンサーを従えて「ゲッタバンバン」を、弾き語りでたっぷり間を取りながら「いつか君はそいつと別れるに決まってる」を歌唱。対して天月は「ひきフェス」への思い、音楽への思いを語り、「小さな恋のうた」のカバーと自身のオリジナル曲「月曜日の憂鬱」を歌い上げ、次の浦島坂田船へとバトンをつないだ。
うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラの4人は番傘を持ち、東京ドームの客席に登場。番傘を差し「吉原ラメント」を歌いながらセンターステージに移動した4人は、和のテイストあふれる楽曲として「花魁俺嵐コンフュージョン」を披露した。うらたぬきが「俺たちが浦島坂田船だ! 今日はお前ら、魅せてやるぜ」と呼びかけると大人びた雰囲気のダンスナンバー「Boohoo」「Beetle Battle」が連続で届けられ、メンバーはそれぞれ個性的なウィスパーボイスでファンを魅了した。人気のボカロ曲「ベノム」のカバーでは「メ」の形を手で作る振り付けを画面の向こう側のファンに呼びかけ、ライブの一体感を高めていく。「花や、花」では“うらさか”、“志麻セン”のペアが肩を組みながら歌う仲睦まじいパフォーマンスでファンを沸かした。
続いてステージに登場したのはあらき、un:c、センラ、めいちゃん、luzの5人。「XYZ」の常連メンバーである彼らは多数のレーザービームが飛び交う派手な照明演出のもと「Alice in N.Y.」で豪華なコラボを展開して、「XYZ」のコンセプトである“至高の夜”を東京ドームで表現させる。ソロコーナーの口火を切ったのは「XYZ」のオーガナイザーであるluz。彼が「エンヴィーベイビー」を妖艶に歌い上げると、めいちゃんは「メビウス」、un:cは「テレキャスタービーボーイ」を歌唱してそれに続く。歌唱中、カメラがダッグアウトを映すとそこには犬の被り物でお馴染みのわんくの姿が。わんくはダッグアウト上で踊り狂い、un:cのパフォーマンスを盛り上げた。センラとめいちゃんによる「グッバイ宣言」、センラとluzによる「ジャンキーナイトタウンオーケストラ」、あらきとun:cによる「ワールズエンドダンスホール」と人気ボカロ曲がデュエットで披露されたところで、「XYZ」の全員が再びステージに集結。彼らが出番の最後に歌唱した「CocktaiL」では、メンバー全員がツアーで披露するときと同じように手を振り、手拍子を合わせて視聴者たちと一緒にライブを楽しんでいた。
After the Rainとして登場したそらるとまふまふはアニメ「ポケットモンスター」のオープニングテーマである「1・2・3」でライブを始める。サビではまふまふの伸びやかな高音とそらるの優しい低音が重なり、東京ドーム内に心地よいハーモニーを響かせた。立ち込めるスモークの中、そらるが自身のオリジナル曲「ワンダー」を高らかに歌えば、まふまふは自身が作詞作曲を手がけた「最終宣告」で叫びにも似たつんざくような高音ボーカルでオーディエンスを圧倒した。MCで広大な会場を見渡したまふまふが「After the Rainでも東京ドームでやりたいですね」と発言すると、そらるはすぐさま「行けるでしょう」と返答。「夕刻、夢ト見紛ウ」の歌唱中には歌詞に登場する「桜」という言葉に合わせ、東京ドームの客席1つひとつに置かれたペンライトが一斉にピンクに灯ると、ドーム内に幻想的な風景が広がった。
コラボゾーンのトップバッターを務めたのはそらる、まふまふ、うらたぬき、となりの坂田。による“そらまふうらさか”。軽快なセリフ回しを繰り広げる「能力引継ぎで乙女ゲーの世界に転生した件についてwww」では歌詞に合わせてまふまふからビームが発射されるなど、配信ならではの映像演出でオーディエンスを楽しませた。“志麻セン”による「極楽浄土」、そらると少年Tによる「ヴァンパイア」、まふまふと天月による「チルドレンレコード(Re:boot)」を経てライブは最終盤へ。「XYZ」の5人にそらる、まふまふ、天月の3人を加えた8人は「XYZ TOUR」のテーマ曲として何度も歌い継がれてきた「Secret Answer」を“ひきフェスバージョン”でパフォーマンス。ライブの盛り上がりが最高潮に達したところで、この日の出演者全員がステージ上に集い、1人ずつ東京ドーム公演への思いを口にしていく。
まふまふは東京ドームでライブをするということに対して「僕らにとっては想像もつかなかったこと」と言いながら、この日のライブを通じて「一番大切なのは、ちょっと無謀な夢を言ったときに、ついてきてくれる人がいることだと思う。昔の僕だったら、この横に誰も立っていなかった」と語る。さらにまふまふは「みんながみんな『無謀だけどやろう』『やるしかないよ』と言って参戦してくれて、僕は本当に幸せだと思いました。みんな本当にありがとう」と仲間たちに感謝の言葉を述べた。最後にまふまふは「東京ドームが一番大きな会場だなんて言われているけど、これで終わりじゃないよね。まだ世界があるよね? 東京ドームにたどり着くことだけが革命ではない」と言い切り、まふまふが掲げ続けてきた“世界征服”を曲名に冠した「ワールドドミネイション」の演奏へとつなげる。まふまふはステージに集った11人の仲間たちと声を合わせ、「革命は成った」と堂々宣言。東京ドームを舞台とした過去最大の「ひきフェス」は華々しくフィナーレを迎えた。
「ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服II@東京ドーム~ONLINE」2021年8月1日 東京ドーム セットリスト
01. ホシアイ / 天月-あまつき-、少年T
02. ゲッタバンバン / 少年T
03. いつか君はそいつと別れるに決まってる / 少年T
04. 小さな恋のうた / 天月-あまつき-
05. 月曜日の憂鬱 / 天月-あまつき-
06. 吉原ラメント / 浦島坂田船
07. 花魁俺嵐コンフュージョン / 浦島坂田船
08. Boohoo / 浦島坂田船
09. Beetle Battle / 浦島坂田船
10. ベノム / 浦島坂田船
11. SWEET TASTE PRESENT / 浦島坂田船
12. 花や、花 / 浦島坂田船
13. Alice in N.Y. / あらき、un:c、センラ、めいちゃん、luz
14. エンヴィーベイビー / luz
15. KING / めいちゃん、luz
16. メビウス / めいちゃん
17. テレキャスタービーボーイ / un:c
18. グッバイ宣言 / センラ、めいちゃん
19. ジャンキーナイトタウンオーケストラ / センラ、luz
20. うっせぇわ / あらき
21. ワールズエンドダンスホール / あらき、un:c
22. Mirage call / あらき、un:c、センラ、めいちゃん、luz
23. CocktaiL / あらき、un:c、センラ、めいちゃん、luz
24. 1・2・3 / After the Rain
25. ワンダー / そらる
26. 最終宣告 / まふまふ
27. 折り紙と百景 / After the Rain
28. 夕刻、夢ト見紛ウ / After the Rain
29. 能力引継ぎで乙女ゲーの世界に転生した件についてwww / そらまふうらさか
30. 極楽浄土 / 志麻、センラ
31. ヴァンパイア / そらる、少年T
32. チルドレンレコード(Re:boot) / まふまふ、天月-あまつき-
33. Secret Answer / あらき、un:c、センラ、めいちゃん、luz、そらる、まふまふ、天月-あまつき-
34. ワールドドミネイション / 出演者全員
(撮影:小松陽祐[ODD JOB]、岡本麻衣、堀卓朗[ELENORE]、今田和[ELENORE])