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adieu(上白石萌歌)、初ツアーで届けた音楽という名の“救い”

adieu(撮影:小林光大)
1年以上前2022年10月11日 3:02

adieu(上白石萌歌)のツアー「adieu TOUR 2022 -coucou-」が昨日10月10日の大阪・なんばHatch公演でファイナルを迎えた。

今年9月に3rdミニアルバム「adieu 3」をリリースしたadieu。「adieu TOUR 2022 -coucou-」は彼女にとって初のツアーとなり、東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)と大阪・なんばHatchの2会場で開催された。この記事では、9月24日に行われた東京公演の模様をレポートする。

開演時刻を迎えると、暗がりの中adieuの朗読が流れ、ライブがスタート。その後adieuは、竹之内一彌(G)、小林修己(B)、上原俊亮(Dr)、福岡たかし(Per)、Yaffle(Key)からなるバンドメンバーとともにステージに姿を現し、「穴空きの空」を歌唱する。adieuはまるで後光を放つかのように照明の光を背中で浴びながら、力強さと儚さが共存する歌声を響かせた。その後、ヤナセジロウ(betcover!!)が手がけたアップテンポなナンバー「旅立ち」が披露されると、客席に手拍子が広がっていき、会場に一体感が作り出されていく。続けて歌唱された「花は揺れる」では、メロウなムードの演奏に乗せて柔らかな高音が響き渡り、adiueのボーカリストとしての魅力が浮き彫りになるようなパフォーマンスに、観客はじっと耳を傾けた。

MCでadieuは「これだけたくさんの人が、こうやって同じ場所に集まれたことは奇跡だなと思っていて、本当に皆さんのことを尊く思っています」「愛の歌とか恋の歌とか、未来とか過去とかいろんな歌を歌います。いろんな感情を、歌の中でみんなと一緒に旅していければと思います」とライブへの思いを語る。その後、打ち込みで作られたビートや浮遊感のあるサビのメロディがノスタルジックな雰囲気を醸し出す「天気」、軽快なアコギの音色が心地いい「天使」など、バラエティ豊かな楽曲群に乗せて透き通るような歌声が紡がれる。ライブ中盤では、ボーカルとアコギの演奏のみのアコースティックコーナーが設けられ、adieuは間接照明が優しく放つ温かな光に包まれながら「ダリア」「愛って」をゆったりと歌唱。飾り気のないまっすぐな歌声が会場中に響き渡り、観客はその歌声に酔いしれるように聴き入った。

続けてadieuは5年前のデビューを振り返りながら「5年が経って、やっと少しずつ『自分は歌を届けているんだ』という実感が湧いてきました。なので今は、音楽がとてもとても楽しいです。私にとって歌は“救い”です。心がへこんだとき、歌を聴くのにも歌うのにも、どちらにも救われてきました。なので、今度は私が皆さんを救いたいです」と、自身の音楽活動への気持ちを実直に述べ、1stシングルの表題曲「ナラタージュ」を歌唱。ピンスポを浴びた彼女は、リリースから5年の時を経てやや大人びた歌声を伸びやかに響かせた。ライブの終盤にはマスダミズキ(miida)と永井聖一(相対性理論)がゲストとして登場。ここでadieuは松任谷由実の「Hello, my friend」のカバーを披露し、7人からなるバンドのエモーショナルな演奏に切なげな歌声を乗せる。そして塩入冬湖(FINLANDS)によるロックテイストなナンバー「シンクロナイズ」が披露されると、ラストに向けて会場の温度は上昇。本編の最後には、同じく塩入の提供曲「ひかりのはなし」がパフォーマンスされ、後半になるにつれてバンドの演奏が加速度的に激しくなっていく中、adieuは最後まで凛とした佇まいで透き通るような歌声を聴かせ続けた。

アンコールの拍手がしばし続いたあと、グッズTシャツを着用したラフな格好のadieuが再びステージに登場。「やるかどうか直前まで迷ったんですけど」と語りつつ、朝ドラ「ちむどんどん」での役を通して習得した三線に乗せて「娘ジントヨー」を歌唱する。そしてラストにadieuは「夏の限り」をパフォーマンス。残暑と秋の匂いが混ざり合ったこの日の気候にぴったりなこの曲を、彼女は儚げな声で歌い上げ、ライブの幕を下ろした。

「adieu TOUR 2022 -coucou-」2022年9月24日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) セットリスト

01. 穴空きの空
02. 灯台より
03. 旅立ち
04. 花は揺れる
05. 強がり
06. 天気
07. 天使
08. 景色 / 欄干
09. ダリア
10. 愛って
11. 蒼
12. 春の羅針
13. ナラタージュ
14. よるのあと
15. ワイン
16. Hello, my friend(原曲:松任谷由実)
17. シンクロナイズ
18. ひかりのはなし
<アンコール>
19. 夏の限り

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