三宅健が主演を務める舞台「ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~」が2023年3月に東京、4月に大阪で上演される。
本作はシェイクスピアの四大悲劇「オセロ」を青木豪が大胆に翻案した作品で、劇団☆新感線の誕生43周年興行・春公演として約12年ぶりに上演される。シェイクスピアの「オセロ」は部下のイアーゴの計略によって破滅へと突き動かされる軍人オセロと妻デズデモーナの物語を描いた作品だが、「ミナト町純情オセロ」では関西らしき場所にある港町を舞台に、チンピラヤクザたちの人情悲喜劇を展開。12年前の作品は戦前と戦中を舞台としていたが、今回は戦後のアメリカ文化が流れ込んできたポップな時代の物語に書き直される。舞台演出は劇団☆新感線のいのうえひでのりが手がける。
三宅が演じるオセロは、一本気で純情な血気あふれるヤクザの組長。オセロの美しい妻・モナは松井玲奈が演じる。また知らず知らずのうちにオセロを追い詰める悪計に加担することになる部下・汐見丈役は寺西拓人が担当。さらに劇団☆新感線から粟根まこと、高田聖子が出演する。
三宅健 コメント
兼ねてからいのうえひでのりさんの演出を受けてみたいと思っていましたので、「劇団☆新感線」に出演させていただけることを大変光栄に思います。
自身にとってシェイクスピアを題材とした作品に携わるのは初のことなので身が引き締まる思いです。
僕の知っているオセロのイメージは、自身と真逆のイメージですが、僕にしか出来ないオセロを演じられるように精一杯努めたいと思います。
いのうえひでのり コメント
ここ数年のコロナ禍での上演は、明るくて楽しいスペクタクルなものが続いていたので、そろそろ人間の心の動きから出てくるドラマを作りたいと思っていました。そこに「港町純情オセロ」再演の話が出てきた。シンプルに言うと「オセロ」は嫉妬の話。青木(豪)君はドラマの中で人間の狡さが際立つ物語を描くのが上手い。シェイクスピアと聞くと大仰に構えてしまうと思うけれど、青木君によって日本人の情緒に委ねるようなストーリーになっているので、共感を持って作品に入り込めると思います。ですが悲劇なので辛い話ではある。これを現代に置き換えるととても陰惨な話になってしまうので、戦後の混乱の中に置き換えることによって、ロマンティックなファンタジーとして捉えることが出来ると思います。
三宅君は年齢を超えた少年性とピュアな無邪気さがありますよね。オセロが騙され嫉妬に狂っていく過程は、ある意味純粋であるがゆえでもあるので、(初演の橋本)じゅんさんとは違う、三宅君なりのオセロが出来そうな気がしています。
今回はここ数年ではなかった、ガッツリと「芝居」に取り組む公演になります。僕も楽しみですし、新感線は「こういうこともやりますよ」ということをお見せしたい。前回とは全く違ったニュアンスの作品になると思うので、楽しみにしてください。