目にも止まらぬスピードで変化し続けるK-POPシーン。その情報量に溺れることもしばしばで、先月の出来事がまるで遠い記憶に思えることも。すべてを網羅することはできなくとも、せめて少しでも記憶と記録に残したい――そこで音楽ナタリーでは、大きなものから小さなものまで「最近のK-POP」トピックを振り返るマンスリー連載をお届けします。例年にない厳しい暑さがまだまだ続く9月。K-POP界ではアツいトピックがたくさんありました。
文 / 岸野恵加 イラスト / hakowasa
1. 大規模公演ラッシュ!関西に3組集う
LE SSERAFIM、SEVENTEEN、NCT、ENHYPEN、Stray Kids、TREASUREなど人気グループの来日公演が、日本各地のアリーナ、ドーム、スタジアムなど大規模な会場で多数開催されました。特に9月9、10日の土日はNCT、Stray Kids、TREASUREが大阪と神戸で公演を行い、「関西がK-POPファンだらけ!」と話題に。
SEVENTEENは9月6日の東京・東京ドーム公演を皮切りに、5都市をめぐる日本ドームツアーをスタート。活動を休止していたSEUNGKWANが復帰し、左膝の治療のため活動休止中のリーダー・S.COUPSも日本を訪れライブを観覧。13人全員がドームに集結したことも感動を呼びました。このほかにもENHYPENは初めて東京ドームで単独公演を開催、NCTは全ユニットが集う初の日本スタジアム公演を東阪で実施するなど、大規模公演が続きました。
来日中はアーティストがInstagramにて日本で撮影した写真を投稿する機会も多く、推しのアーティストが訪れたお店を“聖地巡礼”するファンも続出。かくいう私も、LE SSSERAFIMのHUH YUNJINが載せていた牛タンがあまりにもおいしそうだったので、翌日につい(同じお店ではないですが)牛タンを食べに行ってしまいました。
2. RIIZEがデビュー、大型新人が多数誕生
9月の幕開けを飾った、HYBE LABELS傘下のBELIFT LABが手がけるサバイバル番組「R U Next?」のファイナルでは、6人組ガールズグループ・I'LL-ITのメンバーが決定しました。5年間にもおよぶ練習生期間を送ったユナのスピーチには涙を堪えきれなかった……。2人の日本人メンバー・イロハとモカの今後の活躍にも期待が膨らみます。
そしてNCT新チーム誕生の過程を描くリアリティ番組「NCT Universe:LASTART」も完結を迎え、結成された7人組のNCT NEW TEAM(仮)は、NCTのスタジアム公演にてオープニングアクトとして早くもお披露目されました。正式デビュー前に立つ初めてのステージが、計22万人を動員したスタジアムライブだなんてすごすぎませんか。
さらにSMエンタテインメントからは、元NCTのショウタロウとソンチャンを擁する大型新人ボーイズグループ・RIIZEがデビュー。1st シングル「Get A Guitar」が早くもミリオンセラーを達成するという快挙を成し遂げました。また「BOYS PLANET」の元練習生からなるボーイズグループ・EVNNEとTOZや、「少年ファンタジー」発のFANTASY BOYSもデビューするなど、次世代を担う強力なルーキーが続々と登場しています。
3. BTS・Vがソロデビュー、SUGAは入隊
BTSのVが1stソロアルバム「Layover」を9月8日にリリース。これをもって、BTSのメンバー全員がソロデビューしたことになります。NewJeansの生みの親であるミン・ヒジンがプロデュースを手がけた「Layover」は、収録曲6曲のうちボーナストラックを除く5曲のミュージックビデオが制作され、Vはさまざまな姿で私たちを楽しませてくれました。
ジャケットやグッズにはVの愛犬・ヨンタンが登場。さらになんと音楽番組「M COUNTDOWN」ではVがヨンタンを引き連れてステージに上がり、ヨンタンにフォーカスしたチッケム(特定の出演者に焦点を当てて撮影された映像)まで公開されました。物怖じせず、ステージをトテトテと歩き回るヨンタンの愛らしさには悶絶のひと言です。
また9月22日には、SUGAが社会服務要員として入隊し兵役期間に突入。WeverseでSUGAは、ファンに「健康に元気で過ごして、2025年に会いましょう!」と温かいメッセージを寄せました。そしてBTSと所属事務所のBIGHIT MUSICが再契約を締結し、兵役義務を終えた2025年以降もグループ活動を継続することが明らかに。ARMY(BTSファンの呼称)を沸き立たせました。
4. 米「MTV VMAs」でスキズが最優秀賞
米MTVが主催するミュージックビデオの祭典「MTV Video Music Awards」の授賞式が現地時間9月12日に行われ、Stray Kidsが「S-Class」で初めて「Best K-POP」部門を受賞。授賞式で披露したステージは会場に大歓声を起こし、テイラー・スウィフトが食い入るように彼らのパフォーマンスを見つめていたことも話題を集めました。
同部門には、ほかにBLACKPINK、SEVENTEEN、aespa、FIFTY FIFTY、TOMORROW X TOGETHERがノミネートされました。TOMORROW X TOGETHER は「Sugar Rush Ride」で「PUSH Performance of the Year」を受賞し、ブラジルの女性ポップスター・Anittaとのコラボ楽曲「Back for More(with Anitta)」のステージも華やかに初披露。
そしてBLACKPINKが「GROUP OF THE YEAR」に輝いたほか「Pink Venom」で「BEST CHOREOGRAPHY」を獲得し、JUNG KOOK(BTS)は「Seven(feat. Latto)」で「SONG OF THE SUMMER」を受賞するなど、K-POPのグローバルな人気を改めて証明しました。
5. 「Love Lee」「Smoke」チャレンジが流行
8月は日本国内のみならずK-POPアーティストの間でもYOASOBI「アイドル」のカバーが大流行していたTikTokシーン。9月はというと、印象的だったダンスチャレンジが2つありました。
そのうちの1つが兄妹デュオAKMUの温かみあるラブソング「Love Lee」。ピンクのハートのフレームに囲まれ、キュートに踊るダンスが人気に。AKMUと同じYGエンターテインメント所属のTREASURE、BABYMONSTERはもちろん、NewJeans、ENHYPEN、&TEAM、STAYC、CRAVITY、ZEROBASEONE、BOYNEXTDOORらの愛らしい姿がフィードにあふれました。TikTokでの「#LoveLeeChallenge」の再生数は2.3億(9月29日現在)を超えています。
「Smoke」チャレンジも大流行中。これはMnetのサバイバル番組「STREET WOMAN FIGHTER 2」のミッション曲であるDynamic Duo&イ・ヨンジ「Smoke」のダンスチャレンジで、女性ダンサーのバダ・リーが振付を担当しました。「#smokechallenge」の動画再生回数は3.7億回を突破(同上)し、BTSのJUNG KOOK、V、SEVENTEENのHOSHI&DK、NCTのテヨン、RIIZEのショウタロウ、ITZYのイェジ&リュジン、IVEのユジン、リズ、レイ、ATEEZのサンらが続々参加。大きな盛り上がりを見せています。
2023年9月のひとりごと
ライター 岸野
誕生日とは自分が祝われる日なのに、逆にファンにプレゼントを贈るようにコンテンツを公開してくれるアーティストを尊敬しています(訳:TWICEナヨンさんお誕生日おめでとうございます)。
編集 獅々堀
RIIZEウンソクさんのイヤモニのワンちゃんがかわいい。