大きなものから小さなものまで、“最近のK-POP”の話題を振り返るマンスリー連載「K-POP、最近どう?」。2月の韓国といえば卒業式、旧正月、バレンタインデーとイベントが盛りだくさん。K-POPの隆盛を牽引する人気ガールズグループも続々カムバックしました。本稿では、1月末から2月末にかけてのK-POPトピックの中から5つをご紹介します。
文 / 岸野恵加 イラスト / hakowasa
1. ガールズグループ待望のカムバの嵐
人気ガールズグループのカムバックが続いたこの1カ月。まず(G)I-DLEが1月29日に、2ndフルアルバム「2」をリリース。女性をエンパワーするようなリード曲「Super Lady」のミュージックビデオには1億円以上の制作費が費やされたそうで、大規模なセットと大人数のダンサーが出演した、スケールの大きな映像を堪能できます。
続いてLE SSERAFIMが、2月19日に3rdミニアルバム「EASY」を発表。これまでの楽曲で堂々とした姿を見せてきたLE SSERAFIMが、その裏にある“不安と悩み”を表現しています。タイトル曲では、これまでのLE SSERAFIMらしいキレのいいダンスではなく、オールドスクールヒップホップを取り入れたしなやかな振付が新鮮に映りました。SAKURAの“ピカチュウヘア”もよく似合っていて、ゲーム好きな彼女らしいネーミング。
さらにTWICEが、2月23日に13thミニアルバム「With-YOU-th」をリリースして約1年ぶりにカムバック。2月2日に先行リリースした「I GOT YOU」、そして「With-YOU-th」のリード曲「ONE SPARK」は、いずれもTWICEのこれまでとこれからを歌うような内容です。メンバー9人の絆が随所に表れているMVに、筆者は胸がいっぱいになり嗚咽。「I GOT YOU」のMV撮影は極寒かつ強風の中で行われたことをビハインド映像で知り、そうとは思えぬ仕上がりにメンバーのプロ意識を感じ感服しました。
2. 卒業式、旧正月、バレンタインに日本の雪景色
日本よりひと足早く、2月に卒業シーズンを迎える韓国。K-POPアーティストの中にも、アーティスト活動の傍らで勉学に励み、無事に門出を迎えたメンバーが多数います。TREASUREのジョンファン、Rocket Punchのダヒョンらはソウル公演芸術高校を、TWSのドフン、8TURNのユンギュらはハンリム芸能芸術高校を、Kep1erのイェソはリラアート高校を卒業。卒業式にメンバーが駆けつけて祝福する姿もSNSで数多く公開され、深い絆を感じさせました。
また2月といえば旧正月(ソルラル)とバレンタイン。9月の秋夕(チュソク)に続いて、NewJeansやBOYNEXTDOORなどさまざまなアイドルが、韓服姿で新年の挨拶を告げました。さらにバレンタインには、SNSにかわいらしいコンテンツがあふれる中、TOMORROW X TOGETHERのSOOBINがチェ・ユリ「Forest」のカバー動画を公開。温かい歌声を届け、ファンの心を震わせていたのも印象的でした。
そういえば今年の冬は、日本の雪景色を堪能するアイドルの姿をSNSでよく見かけました。aespaのカリナ、SEVENTEENのS.COUPS、ATEEZのホンジュンはそれぞれ北海道を訪れ、Red Velvetのジョイは周囲に雪が残るコンビニに降臨。韓国では今、北海道人気が高まっているそうですが、K-POP界にもその熱は及んでいるようです。
3. 東京ドームでSMTOWN→6年ぶりSHINee
SMエンターテインメントが、所属アーティスト大集合のイベント「SMTOWN LIVE 2024 SMCU PALACE TOKYO」を2月21、22日に東京・東京ドームにて開催。そのステージにて、“最後のNCT”である6人組の新グループ・NCT WISHが正式デビューを果たしました。プロデューサーは、彼らの誕生までを追うリアリティ番組「NCT Universe : LASTART」にアーティストディレクターとして出演していたBoAが務めています。
また同じくNCTからはWayVのテンがミニアルバム「TEN」をリリースしてソロデビュー。テンは2月3日に放送開始したサバイバルオーディション番組「CHUANG ASIA(創造営2024)」にメンターとして出演しており、さわやかな魅力を放ちながら練習生たちを勇気づけています。NCT 127のテヨンも、2月26日に2ndミニアルバム「TAP」を発表。自身が全曲を単独で作詞し、作曲にも積極的に参加した、意欲的な作品になっています。
「SMTOWN LIVE 2024 SMCU PALACE TOKYO」からわずか2日後には、SHINeeが約6年ぶりの東京ドーム公演「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME」を開催。これまでのグループの歴史をふんだんに詰め込んだセットリストで、ファンの感動を誘いました。
4. BLACKPINKメンバーが続々と……
BLACKPINKのメンバーが、次々に自主レーベルを設立。昨年12月にジェニーがレーベル「ODD ATELIER」を設立したことを皮切りに、リサが「LLOUD」、ジスが「BLISSOO」を立ち上げたことをそれぞれ2月8日、21日に発表しました。グループ活動に関してはYGエンターテインメントと再契約を締結したことが昨年12月に発表されたBLACKPINKですが、今後は色とりどりの個人活動が展開されていきそうです。
リサは現地時間1月27日にフランス・パリで行われたチャリティイベント「Le Gala des Pièces Jaunes」に出演。その際に撮影したと思われる、リサの憧れの存在であるリアーナとの2ショット写真も話題を集めました。
残るロゼはというと、自身の誕生日である2月11日より、Instagramの一斉配信チャンネル機能を使ってファンへメッセージを発信。その後もファンダムネームを募ったりと、ファンとの交流を楽しんでいます。2月14日のバレンタインには未発表の新曲「vampirehollie」の一部を公開。今後のソロ活動への期待を高めています。
5. “全方向美少女”が大量発生
TikTokを席巻中の日本のシンガーソングライター・乃紫による「全方向美少女」が、K-POPアーティストの間でも流行。「正面で見ても横から見ても下から見てもいい女で困っちゃう」という歌詞に合わせ、さまざまな角度から顔面を撮影するチャレンジ動画を、aespaのカリナ、TWICEのミナ&モモとサナ、TOMORROW X TOGETHERのBEOMGYU、NMIXXのソリュン、IVEのガウルら多数のアーティストが公開しました。美しいビジュアルを誇るメンバーぞろいで「まさに曲にぴったり」という声も多く聞こえてきました。
TikTokでは、昨年末から流行していたキム・ジョングク「Loveable」のダンスチャレンジもロングヒット中。2月はIVE、aespa、TOMORROW X TOGETHER、Stray Kids、NCT DREAMらが参加し、WayVのシャオジュンは女装で挑戦。脚を片方ずつ左右に突き出すダンスが、メンバーのかわいらしさを引き立てます。「Loveable」は2005年にリリースされ韓国でヒットした楽曲で、2021年放送のドラマ「美しかった私たちへ」のOSTでは、シンビ(GFRIEND、現VIVIZ)がカバーしていました。
また、映画「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」の劇中歌「Oompa Loompa」を使用したチャレンジ動画に参加するアイドルも多数。体が縮んだようなエフェクトとともに見せるゆるいダンスを、SEVENTEEN、TOMORROW X TOGETHER、RIIZE、ATEEZ、IVE、aespa、Kep1erらが披露しています。
2024年2月のひとりごと
ライター 岸野
SHINeeの東京ドームライブを鑑賞。仕事柄日々多くのライブを観ますが、パフォーマンス、演出、メンバーとファンの方の姿勢、すべてが真摯で美しく、とても心に刺さりました。まだまだ余韻抜けず。
編集 獅々堀
Red VelvetスルギさんのYouTubeチャンネル開設うれしいです。いっぱい観ます。