猪狩蒼弥(HiHi Jets)が、7月5日公開の映画「先生の白い嘘」に出演する。
鳥飼茜の同名マンガを実写化した本作は、1人の女性が抱える“自らの性に対する矛盾した感情”や男女間に存在する“性の格差”に向き合うことで、人々の根底にある醜さと美しさを描き出すヒューマンドラマ。男女の性差に翻弄され、葛藤する主人公・原美鈴は奈緒が演じる。
猪狩が演じるのは、物語の鍵を握る男子高校生・新妻祐希。美玲が担任を務めるクラス内にて「人妻と不倫関係にある」と噂されてしまう生徒で、事情聴取のため美玲から呼び出された際、彼女に衝撃的な性の悩みを打ち明ける。なお猪狩とともに、美玲の親友・渕野美奈子役で三吉彩花、美奈子の婚約者・早藤雅巳役で風間俊介が出演することも発表された。
強烈なトラウマを抱える男子高校生、という難役を演じる猪狩。「原作を拝読したとき、なんと心苦しく叙情的な話なのだろうと感じ、作品の中で生きる人物達の叫びに圧し潰されそうになったのを憶えています」と原作を初めて読んだときの感想を述べ、本作への出演については「キーマンである新妻役を自分が務める事の重大さを再認識し、この難しくも絶対に目を逸らしてはいけないテーマに対して、真摯に向き合いたいと思いました」と意気込みを述べた。
また追加出演者とともに、yamaが本作の主題歌を担当することも明らかに。主題歌となる「独白」について、yamaは「消えない傷を抱えながら、自分自身を受容し、散らばった心を少しでも取り戻していけるように願って『独白』の歌詞を書きました」とコメントしている。YouTubeでは、「独白」が流れる映画の予告映像が公開中。
出演者コメント
猪狩蒼弥
役者として、まだまだ未熟な自分ではありますが、一流の皆様との感情の応酬に少しでも携われたことを、大変光栄に思っております。「先生の白い嘘」の原作を拝読したとき、なんと心苦しく叙情的な話なのだろうと感じ、作品の中で生きる人物達の叫びに圧し潰されそうになったのを憶えています。そして同時に、本作のキーマンである新妻役を自分が務める事の重大さを再認識し、この難しくも絶対に目を逸らしてはいけないテーマに対して、真摯に向き合いたいと思いました。主演の奈緒さんをはじめ、三木監督、風間俊介さん、三吉彩花さんから沢山のことを勉強させていただきました。先生の伝えたかったこと、そして新妻の伝えたかったことが、僕を通して少しでも皆様に伝われば嬉しい限りです。
三吉彩花
小学生や中学生の時、よく少女漫画を読んでいました。家にも沢山の漫画で埋まっていて漫画を読んでいる時は楽しくて仕方がない時間でした。その時感じていた純粋な気持ちとは180度違う角度からの人間模様を映画化すると伺った時、とても不思議な気持ちになりました。原作を読ませていただき、1シーンごとに頭の中でどんどん実写化されていきこの作品に触れたいと、純粋な気持ちが湧き出てきたので出演を決意させていただきました。
この作品で喜びや楽しさを見出すのは難しいのではと率直に思いましたが、だからこそ脚本を隅から隅まで読み、美奈子や登場人物たちの小さな喜びやその人の幸せ、そして叫びや意志を汲み取り自分自身に宿らせることが楽しくなるだろうと感じた脚本でした。
彼女のような価値観や感覚がとても共感できる部分でもありながら、それと同時に寂しさや現実的な部分を美奈子によって見せられているような感覚でした。一見明るくポジティブに見える面も、奥には殻の中に閉じこもって迷っている美奈子がいるということ、そしてそれでも強い意志を持って自分自身を証明していく彼女の強さを是非感じていただけたら嬉しいです。
風間俊介
今まで演じさせて頂いた役柄、全てに愛を持ってきましたが、今回「先生の白い嘘」のお話を頂いた時、初めて早藤という役を愛せないかもしれないと思いました。それと同時に、僕自身が愛せないかもしれない役を演じた時に、自分自身がどうなるかを知りたいという気持ちにもなりました。魂を擦り減らし、己と反発する感情と共に向き合った作品です。この作品が、誰かを鼓舞し、誰かを救う事を願っています。
yama コメント
主人公の美鈴は「先生」という人を導く立場でありながらも、不安定な精神状況で身をすり減らして生きており、見ていて心が痛みました。性に対する嫌悪、傷付けられた自尊心、自責思考に陥り、自分自身と向き合うことの難解さはリアルに描かれていました。それらはテストにあるような模範的で道徳的な答えで導き出せるほど、簡単な問題ではなく、それぞれが人間味のある感情、トラウマ、矛盾を抱えているので自分も複雑な想いになりました。消えない傷を抱えながら、自分自身を受容し、散らばった心を少しでも取り戻していけるように願って「独白」の歌詞を書きました。楽曲と共にお楽しみ頂けたら幸いです。
(c)2024「先生の白い嘘」製作委員会 (c)鳥飼茜/講談社