ラッパーのKaneeeが初のワンマンライブ「Kaneee FIRST ONE MAN LIVE」を6月14日に東京・LIQUIDROOMで開催した。
北海道から上京後、ラップ歴半年あまりでオーディション番組「ラップスタア誕生 2023」にエントリーし、一躍脚光を浴びたKaneee。番組で交流を持ったSTUTSのフックアップにより、国内最大規模のヒップホップフェス「POP YOURS 2023」でデビューすることとなった彼は、STUTSの東京・日本武道館公演や自身の主催イベントなどでライブ経験を重ね、BAD HOPを含む多彩なアーティストとの共演も経た結果、今最も注目される若手ラッパーの1人となった。
今年は「POP YOURS 2024」の2日目のトップバッターを務め、イベントオリジナル曲「Champions」に参加するなどシーンの最前線で活躍を続けるKaneeeは、ワンマンライブに先立つ6月12日に1stアルバム「Remember Me?」をリリース。STUTSに加えて、ZOT on the WAVE、JIGG、KM、DJ SCRATCH NICE、grooveman Spot&Kzyboost、YamieZimmerといった名だたるプロデューサーを迎えた本作でアーティストとしてのさらなる成長を示し、注目度を一段と高めた状態でワンマンライブ当日を迎えた。
俺のチャプター2の始まりです
ライブへの期待をあらわにした観客が大勢集まり、高揚感であふれるLIQUIDROOM。客電が落ちるとフロアにどよめきが広がり、観客は一斉に携帯のカメラをステージへ向ける。その勢いに動かされるように幕が開き、歓声が一層大きくなる中、バックDJを務めるRayとともにKaneeeが登場。「東京、歌おう!」と叫んで彼が歌い始めたのは、自身が世に出るきっかけとなった「ラップスタア」応募曲「Young Boy」だ。ビートが流れた瞬間、一気にテンションが上がり切った観客たちは、Kaneeeの生い立ちと決意がつづられたリリックを大合唱。Kaneeeはそんなファンの熱量を生かしたパフォーマンスを繰り広げ、抜群のライブ力を示してみせた。
熱烈な声援を浴びながら「俺のチャプター2の始まりです」とライブへの意気込みを語ったKaneeeは、1stアルバムから「SHIBUYA」「A LIFE」を連発。リリースされたばかりの新曲にもかかわらず、観客は歌えるほどに楽曲を聴き込んでおり、飛び跳ねながら大いに盛り上がる。自分がどれだけファンに愛されているかを目の当たりにしたKaneeeは「さっきまで緊張してた俺がバカみたいだよ」と笑顔を見せた。
お前らマジ「ヤバいな」
ライブにはアルバムに参加したアーティストも次々に現れ、Kaneeeの初ワンマンに華を添える。彼が「キングを連れてきたから」と紹介し、最初に迎え入れたのは「ラップスタア誕生 2023」の王者となったShowyVICTOR。アルバム収録曲「Call My Phone」で共演したKaneeeとShowyVICTORはお互いを称え合い、ShowyVICTORは「マジでこんな最高な会場に俺らを呼んでくれたKaneeeにMake Some Noise!」と叫んだ。続けて登場したのはオーストラリア出身のバイリンガルラッパーCYPRUS。レイジビートの「Ready Player!!!」でKaneeeとCYPRUSはコラボし、CYPRUSの楽曲「05AKA G1RL5」にKaneeeが参加したリミックスバージョンも初披露された。
客席は常に着火状態で、Kaneeeがアルバムでどの曲が好きかと問いかければ、誰がなんと言っているのかまったく判別できないほど無数の声が上がる。そこでKaneeeが「お前らマジヤバいな」と笑うと、その言葉で次の曲とゲストを察した観客たちは絶叫。その期待通りに「ヤバいな」が始まり、ステージに現れたDaichi Yamamotoが怒涛のラップを叩き付ける。一方、Kaneeeもメンフィスサウンドのビートにバイブスあふれるフロウを乗せ、そんな2人を表した「ヤバいな!」という言葉を観客は激しく連呼。フロアは圧倒的な興奮に包まれた。
みんなが俺の新しいファミリー
その後もゲストを迎えながらアルバム収録曲を次々にパフォーマンスし、幅広い魅力で観客を惹き付けるKaneee。SANTAWORLDVIEWを迎えるとトラップビートの「福は内」に続けて、レイドバックしたブーンバップの「Better Days」をラップする。そこからラテンテイストの「Charming」やメロウな「P.M. Sunset」につなげ、心地いいムードを生み出したKaneeeは、人生へのポジティブな思いを込めた「Life Is Romance」やYo-Seaを迎えた「Feel Missing」をメロディアスに歌い、シンガーとしての才能も存分に発揮した。
父親と弟を立て続けに亡くしたことをきっかけに音楽の道に進むことを決意したKaneee。MCでそんな過去を振り返りつつ、「Rayとここに集まってるファンのみんなが俺の新しいファミリーです!」と呼びかけると、その思いを込めた「FAMILY」「LOST」を歌い上げる。そしてライブもいよいよ終演の時間が迫る中、Kaneeeが「まだ踊り足りない人どんだけいる?」と問いかけると「POP YOURS 2024」のために制作されたオリジナル曲「Champions」に突入。Kaneeeと同世代のKohjiya、Yvng Patraが三者三様のスター性あふれるパフォーマンスで観客を魅了し、会場の盛り上がりは最高潮に達した。
ライブの終わりに、Kaneeeが“人生を変えてくれた恩師”として迎え入れたのはもちろんSTUTSだ。観客がかざす携帯のライトに照らされながら、KaneeeはSTUTSプロデュースのアルバム収録曲「SPACE」を歌い、ラストナンバーとしてデビュー曲かつ代表曲の「Canvas」をパフォーマンス。手を伸ばす観客の中に飛び込んで、その愛を受け止めたKaneeeは「ありがとう!」と何度も叫び、大盛況のうちに初ワンマンに幕を下ろした。
なお6月27日には大阪・Live House Animaでワンマンライブが行われる。チケットはイープラスで販売中だ。
セットリスト
「Kaneee FIRST ONE MAN LIVE」2024年6月14日 LIQUIDROOM
01. Young Boy
02. SHIBUYA
03. A LIFE
04. Call My Phone with ShowyVICTOR
05. Ready Player!!! with CYPRUS
06. 05AKA G1RL5 Remix with CYPRUS
07. ヤバいな with Daichi Yamamoto
08. Born 2 Win
09. SLATT
10. 福は内 with SANTAWORLDVIEW
11. Better Days with SANTAWORLDVIEW
12. Charming
13. P.M. Sunset
14. Life Is Romance
15. Feel Missing with Yo-Sea
16. FAMILY
17. LOST
18. Champions with Kohjiya, Yvng Patra
19. Need More
20. SPACE with STUTS
21. Canvas with STUTS