フィッシュマンズの中心人物であった佐藤伸治が大きな関与した作品として注目されていたMariMariの3枚のシングルと1枚のアルバムがストリーミング配信された。
MariMariは1994年に雑誌「米国音楽」の付録CDに佐藤や茂木欣一(フィッシュマンズ / 東京スカパラダイスオーケストラ)らとともに「MariMari rhythmkiller machinegun」名義で楽曲「シンス・イエスタデイ」を提供。その後、ライブ活動を経て、1996年3月にシングル「Everyday, Under the Blue Blue Sky」でソロデビューを果たした。
このたび配信されたのは1990年代後半にFOR LIFE MUSICからリリースされた「Everyday, Under The Blue Blue Sky」「Indian Summer」「J」のシングル3枚とアルバム「耳と目そしてエコー」。「Everyday, Under The Blue Blue Sky」はフィッシュマンズ関係者による全面バックアップを得たグルーヴィな3曲を収めた作品で、フィッシュマンズのメンバー全員に加え、木暮晋也(G / ヒックスヴィル)、HONZI(Vl)、沖祐市(Key / 東京スカパラダイスオーケストラ)などが参加している。ミックスはZAKが担当した。
1996年12月発売の「Indian Summer」には恩田晃、澤田譲治、アパッチ田中らが参加。ミニマル、エレクトロ、ダンスホールレゲエといった多彩な音楽性を展開した作品で、プロデュースは柏原譲(フィッシュマンズ、Polaris)が担当した。
1997年11月発売の「耳と目そしてエコー」は、先行シングル以外の全トラックをMariMariと佐藤がプロデュースした1stアルバム。フィッシュマンズの名作「宇宙 日本 世田谷」に通じる、パーソナルかつスペーシーなサウンド空間が特徴的なドリームポップの傑作であり、佐藤のアーティスト面を考察する上でも貴重な作品だ。
1998年5月発売の「J」は、それまでのサウンドプロダクションを一新したシングルで、浦田恵司、柴草玲、杉本洋祐、浜口茂外也、美久月千晴、山木秀夫、佐野康夫など著名なセッションマンが参加。洗練されたサウンドの中に、MariMari独自のボーカリゼーションと豊かなイマジネーションが光る意欲作となっている。