初雪が降った韓国では今年もEXO「The First Snow」のチャート逆走が観測され、本格的な冬の到来を感じる今日この頃。いよいよ寒さが本格化した11月は、K-POP界のレジェンド・BIGBANGの復活ステージが大きな話題になりました。このほか、THE BOYZの移籍や(G)I-DLEの再契約、NewJeansの“契約解除宣言”など、人気グループの契約に関連するニュースが飛び交っていたことも印象的でした。本稿では、そんな11月のK-POPの話題から複数をピックアップしご紹介します。
文 / 岸野恵加 イラスト / ちぎりパン
1. TOMORROW X TOGETHERと一緒に推し語り
ガールズグループの新作が目立った10月とは対照的に、11月は人気ボーイズグループが新譜を続々とリリースしました。4日にはTOMORROW X TOGETHERが「The Star Chapter: SANCTUARY」で約7カ月ぶりにカムバック。SOOBINがMCを務めるWebバラエティ番組「推しの推し」もスタートし、SOOBINがKARAへの愛を熱く語る“推し”トークや、練習生時代の仲間であるATEEZ・ウヨンとの「ハリー・ポッター」談義も印象的でした。
11日には、ENHYPENとNCT DREAMが同時に新作をリリース。ENHYPENは自身最大規模の日本ドームツアーを9日に埼玉・ベルーナドームでスタートさせ、活動に勢いを付けています。一方でNCT DREAMは、ヨーロッパツアーを無事に完走。新作「DREAMSCAPE」のリード曲「When I'm With You」では、持ち前の清涼な魅力を全開に放ちました。
ATEEZは15日に「GOLDEN HOUR : Part.2」でカムバック。爆発力のあるパフォーマンスで知られるATEEZですが、リード曲「Ice On My Teeth」はとことんクールなモード。この曲はダークなヒップホップナンバーで、ミステリアスなMVを考察するファンが後を絶ちません。TWSは、ソテジワアイドゥルによる1993年のヒット曲「Last Festival」を再解釈。原曲とはまったく異なるサウンドながらも、友情や別れを歌う世界観は共通しており、冬にぴったりな繊細さを漂わせています。そして「FREQUENCY」でカムバックしたWayVは、MVでメンバーがそれぞれ超能力を操り、SMエンタテインメントの系譜を感じさせました。
1日にはBABYMONSTERとKep1erがカムバック。Kep1erの「TIPI-TAP」は、アメリカの「ビルボード200」にグループ史上初めてのチャートインを果たしています。また「I-LAND2:N/a」から誕生したガールズグループ・iznaが、25日についにデビュー。iznaと同じくTHE BLACK LABELのTEDDYがプロデュースを手がけるMEOVVも、新曲「TOXIC」を18日に発表して話題を集めました。
そしてRed Velvetのアイリーンは、「Like A Flower」でソロデビュー。2021年に解散したLOVELYZはデビュー10周年を記念して再集結し、フルメンバーで新曲「November」を発表してコンサートも開催しました。ほかにも11月は、BTSのJIN、SHINeeのミンホ、少女時代のテヨン、J.Y. Park、ウォノ、NEXZ、EPEXらもカムバックしています。
2. 徹子がTT、たこ焼きプリンスがタコパ
11月は、K-POPアーティストの日本での活動やリリースも活発でした。TWICE内ユニットのMISAMOは、2ndミニアルバム「HAUTE COUTURE」をリリースし、ドームツアーも開催。「徹子の部屋」にゲスト出演した彼女たちが、番組中に黒柳徹子と一緒に「TT」を踊る姿はとてもキュートでした。東方神起は、2025年に日本デビュー20周年を迎えることを記念してオリジナルアルバム「ZONE」を発表。8都市を回る全国ツアーもスタートさせました。
Stray Kidsが13日に発売した日本2ndアルバム「GIANT」は、アメリカのiTunesアルバムチャートで1位にランクインする快挙を達成。タイトル曲は、東京ドームで14日にスタートしたワールドツアーの日本公演で初披露されています。またNCT 127のユウタはソロデビュー作「Depth」をリリースし、彼らしいロックスピリットを発揮。テレ東「あのちゃんの電電電波」では、“たこ焼きプリンス”として知られながらもまったく上手にたこ焼きを焼けないユウタの姿に和みました。
SEVENTEENはニューシングル「消費期限」を発表。MVでは前作「今 -明日 世界が終わっても-」の続編となるストーリーが描かれています。tanakadaisukeが衣装デザイン、制作を手がけたコンセプトフォトでは、その繊細な世界観に惹きつけられました。このほかSTAYCは5作目となる日本シングル「GPT -Japanese Ver.- / Tell Me Now」を、EVNNEは初の日本語曲「景色(KESHIKI)」をリリースし、tripleSからはメンバー8名で構成される選抜ユニットtripleS ∞!が、「アンタイトル」で日本デビューを果たしています。
また日本の年末を彩る「NHK紅白歌合戦」の出場歌手や、「日本レコード大賞」の受賞作品も発表に。「NHK紅白歌合戦」にはK-POP界からTWICE、ILLIT、LE SSERAFIM、TOMORROW X TOGETHERの4組が出演します。初出場を飾るTOMORROW X TOGETHERは発表会見に参加して意気込みを語るも、SOOBINは欠席となり、同日に健康上の理由でしばらく活動を休止することが発表されました。そして「日本レコード大賞」では、ILLITが新人賞を獲得。このほかNewJeansが「Supernatural」で優秀作品賞に輝き、特別国際音楽賞をLE SSERAFIM、特別賞をTOMORROW X TOGETHERが受賞しています。
3. アイドルVIPも感激の“復活”ステージ
もうそんな季節なのか……と驚きますが、今年も音楽授賞式のシーズンが到来。16、17日には、韓国の日刊スポーツが主催する新たな授賞式「KOREA GRAND MUSIC AWARDS(KGMA)」が初開催されました。ヒット曲をメドレーで披露した東方神起や、大勢のダンサーを引き連れて情熱的なステージを展開したSHINeeのテミンなど、ベテラン勢のさすがのパフォーマンスも印象的でした。
CJ ENM主催の「MAMA AWARDS」は、今年はロサンゼルスと大阪にて、21日から23日までの3日間開催。華やかなパフォーマンスが多数繰り広げられましたが、中でも大きな話題を集めたのは、BIGBANGメンバーが再集結したステージでしょう。G-DRAGON、D-LITE、SOLの3人がサプライズで京セラドームのステージに集い、ヒット曲「BANG BANG BANG」「FANTASTIC BABY」で唯一無二の存在感を放ちました。感動に包まれたのは観客のみならず、BIGBANGを見て育ってきたアーティストたちも同じ。SEVENTEENやaespaらがノリノリでステージを見守るリアクション動画も必見です。
30日に開催された「MMA2024」では、aespaが大賞3つを含む7冠を獲得。また(G)I-DLEは受賞スピーチ中に5人そろって再契約したことを明かし、感動を呼びました。そして11日にイギリスで開催されたヨーロッパ最大級の音楽授賞式「2024 MTV EMA」には、K-POPアーティストとして唯一LE SSERAFIMが招待され、大人数のダンサーと迫力あるステージを繰り広げました。
4. 「NewJeans never die」
最後に今回も、そのほかのトピックをまとめてご紹介。ISTエンターテインメントとの再契約の行方が注目されていたTHE BOYZは、メンバー全員で12月にOne Hundredへ移籍することを発表しました。One Hundred はSHINeeのテミンやVIVIZらが所属するBig Planet Madeの親会社にあたる事務所です。10月にRIIZEから脱退したスンハンは、ソロアーティストとして2025年にデビューすることが明らかに。ソロデビューの発表に合わせてInstagramアカウントも開設されています。
誰もが行方を見守っていた、NewJeansと所属事務所・ADORをめぐる問題。NewJeansメンバーは28日、緊急記者会見を行い、ADORとの専属契約を解除することを発表しました。しかし事務所側は契約は依然有効であると主張しており、引き続き動向が注視されています。またfromis_9は、年内でPLEDISエンターテインメントとの専属契約が終了となることを発表しました。
大阪で9、10日に開催されたイベント「SUPERPOP JAPAN 2024」には、fromis_9やTREASUREなどK-POP勢が多数出演。BLACKPINKのジェニーもソロで来日してパフォーマンスを披露しました。ジェニー、そして「2024 MAMA AWARDS」のため来日したロゼ(BLACKPINK)はそれぞれ、BLACKPINKのグッズデザインも手がけたVERDYが昨年開店した大阪のピザ店「Henry's PIZZA」を訪れた写真をアップしていました。
J.Y. Parkは「ミュージックステーション」に初登場し、NiziUと一緒に「Make you happy」で軽やかな縄跳びダンスを披露。共演したtimeleszの菊池風磨が、オーディションをプロデュースするにあたってのアドバイスをJ.Y. Parkに求めていたのも印象的でした。BIGBANGのD-LITEは、「バナナサンド」に出演。人気企画「ハモリ我慢」にてコーラス隊に惑わされない圧倒的な歌唱力を見せつつ、トーク中にはコマネチポーズを勢いよく決めるなど、さすがのバラエティスキルで場を掌握していました。
サバイバル番組「ROAD TO KINGDOM : ACE OF ACE」は、CRAVITYが優勝を飾ってフィナーレ。また14日には、韓国で「スヌン(大学修学能力試験)」が実施され、BOYNEXTDOORのWOONHAKやEVNNEのパク・ジフらが受験。NCT 127のドヨン、Stray Kidsらは受験生に向けてエールを送っていました。
【11月】音楽番組、最近どう?
11月に放送された韓国の主要音楽番組にて1位を獲得した楽曲をご紹介します。THE BOYZが移籍の発表にリリースした「TRIGGER」は、「SHOW CHAMPION」と「Music Bank」で1位を獲得。また、音楽授賞式で数々の賞を受賞しているaespaの最新曲「Whiplash」は、10月発売の楽曲ながら、複数の音楽番組で再び1位に返り咲きました。
THE SHOW
11/5 tripleS「Hit the Floor」
11/12 Kep1er「TIPI-TAP」
11/19 なし
11/26 なし
SHOW CHAMPION
11/6 THE BOYZ「TRIGGER(導火線)」
11/13 TOMORROW X TOGETHER「Over The Moon」
11/20 NCT DREAM「When I'm With You」
11/27 なし
M COUNTDOWN
今月放送なし
Music Bank
11/1 aespa「Whiplash」
11/8 THE BOYZ「TRIGGER(導火線)」
11/15 TOMORROW X TOGETHER「Over The Moon」
11/22 NCT DREAM「When I'm With You」
11/29 ATEEZ「Ice On My Teeth」
Show! Music Core
11/2 ROSE & Bruno Mars「APT.」
11/9 ROSE & Bruno Mars「APT.」
11/16 NCT DREAM「When I'm With You」
11/30 aespa「Whiplash」
INKIGAYO
11/3 ROSE & Bruno Mars「APT.」
11/10 ROSE & Bruno Mars「APT.」
11/17 aespa「Whiplash」
11/24 aespa「Whiplash」
2024年11月のひとりごと
ライター 岸野
SM第1~5世代が大集合した「出張十五夜」、面白すぎて大笑いしつつK-POPが積み重ねてきた歴史を感じました。
編集 獅々堀
NCT WISHとovgo Bakerのコラボフードがとにかく美味しそう。