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フォーリミ主催「YON FES」“自慢の友達”とともに大団円!油性ペンで約束された10周年へ

04 Limited Sazabys(撮影:藤井拓)
12分前2025年06月23日 2:01

04 Limited Sazabysが主催する野外イベント「YON FES 2025」が6月21、22日に愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された。この記事では2日目の公演のレポートを掲載する。

2016年にスタートし、今年で8回目の開催となる「YON FES」。開催時期を4月から6月に“お引っ越し”して以降は今回で2度目の実施となった。2日目には主催のフォーリミのほか、HEY-SMITH、Hump Back、UNISON SQUARE GARDEN、My Hair is Bad、フレデリック、ネクライトーキー、OKAMOTO'S、SCAFULL KING、SHADOWS、Age Factoryが登場。初夏とは思えぬ暑さながらも青空が薄い雲に覆われた“フェス日和”の気候の下、SKY STAGEとLAND STAGE、2つの野外ステージで熱いパフォーマンスを繰り広げた。

HEY-SMITH / ネクライトーキー

「1、2、3、ヨンフェース!」というGEN(B, Vo / 04 Limited Sazabys)の号令で幕を開けた2日目の「YON FES」。SKY STAGEの1番手を務めたのは“トップバッターNG”のバンド・HEY-SMITHだ。彼らは「おっはよー!」という猪狩秀平(G, Vo)の第一声とともに、1曲目「Living In My Skin」から目の覚めるようなアッパーサウンドを叩き付ける。猪狩は「朝早すぎるんじゃボケー!」と自身を1番手に配置したGENに悪態をつきながらも「Don't Worry My Friend」をフォーリミに捧げたり、「フォーリミが『ハジマザ』(自身の主催フェス・HAZIKETEMAZARE FESTIVAL)でカバーしてくれてより大事になった」と「I'm In Dream」をプレイしたりと、両者の強い絆が伺える演奏を展開。レアな“午前中のヘイスミ”をオーディエンスの心に刻んだ。LAND STAGEのトップバッターを務めたネクライトーキーは「YON FES」初登場。「モブなりのカンフー」のエネルギッシュなパフォーマンスでライブを始めると、もっさ(Vo, G)は「ついに出られてとてもうれしいです!」と笑顔を浮かべた。中盤にはフォーリミ「Honey」のカバーを披露するなど、念願叶った喜びを歌声と演奏に乗せて発散してみせた5人。それぞれの遊び心に満ちた演奏は彩りあふれるポップなアンサンブルとなり、会場に集った人々の心を楽しく弾ませていた。

Hump Back / OKAMOTO'S

「あぁ もう泣かないで」と高らかに響かせたのはHump Back。3人は「フォーリミ愛してます!」「フォーリミを信じてやってきました!」とフォーリミへの愛を爆発させながら「拝啓、少年よ」でライブを始めた。ぴか(B, Cho)が妊娠して以降初めて観に行ったフォーリミの日本武道館公演で泣いたと明かすと、林萌々子(Vo, G)は産休中に「YON FES」のオファーを受けたと説明し、「救われてばっかりです!」と感謝。その気持ちはライブで返すとばかりに、3人は「どうせ大人になるならフォーリミみたいな懐の広いカッコいい大人になりたいわ」と歌詞の一部を使いながら叫んで曲に繋げた「番狂わせ」や、母となった彼女たちの決意を歌った「明るい葬式」など気持ちのいいロックンロールを鳴らしていった。中止になった2020年の「YON FES」に出演予定だったOKAMOTO'Sは今年が初出演。音楽ナタリーの「YON FES」特集でフォーリミのメンバーがOKAMOTO'Sについて「スーパー玄人集団」「僕らの友達バンドとも仲よくなってもらいたい」と発言していたことから、「友達のいない“ジジイ”に認定された」と笑いつつ「今日は友達の多い“ジジイ”になろうね」と初の「YON FES」への意気込みを語り、「Re-monolith」のカバーや「ありがとう」などでフォーリミへの気持ちを伝えていった。

UNISON SQUARE GARDEN / SCAFULL KING

昼下がりのSKY STAGEに現れたUNISON SQUARE GARDENは1曲目の「天国と地獄」から鉄壁のアンサンブルを放ち、「YON FES」のオーディエンスを一気に惹きつける。斎藤宏介(Vo, G)と田淵智也(B)、それぞれのテクニカルなソロに歓声が上がった「23:25」を経て、雪崩れ込むようにドロップされた「カオスが極まる」では文字通りカオティックに疾走するサウンドが観衆の狂騒を誘った。3曲を駆け抜け、斎藤は「ようやく、念願叶って初出演です」とひと言。「懲りずに誘ってくれた」というフォーリミに感謝を伝える。一時も手を緩めない3人は、その後も隙なくスリリングなセッションで終始聴き手を圧倒。代表曲「シュガーソングとビターステップ」で会場中をたっぷり踊らせてからのラストナンバー「Cheap Cheap Endroll」でも音とプレイで“大暴れ”を見せ、さっそうとステージをあとにした。“GEN大好き枠”としてオファーを受け、LAND STAGEに上がったのはSCAFULL KING。SYUTA-LOW "TGMX" TAGAMI(Vo, Tr)は「最近は“牛歩”で活動している」と謙遜したが、ステージから放たれる熟練の熱いスカビートは曲を重ねるごとに会場の一体感を誘う。約14年ぶりにリリースされたばかりの新曲「Don't forget the origin」でも、“SCAFULL印”のミクスチャーロックをしっかりとオーディエンスに印象付けていた。

My Hair is Bad / SHADOWS

「YON FES」皆勤賞のMy Hair is Badは今年も出演できたことを喜び、「体だけじゃなくて心も揺らしに来たんだぞ」とオーディエンスを焚き付けていく。椎木知仁(G, Vo)は、GENのキャリーケースが開かなくなった際、鍵の3桁の番号を順に探し、無事鍵を開けたという。そのエピソードを明かすと「最高の後輩だろ!」と胸を張った。即興でつづる「フロムナウオン」では「俺がキーマンです」「こじ開けてやるよ」と鍵になぞらえて歌い進め、「欲しいと思ったものは自分のカバンの中に入ってるものです」「君は君、俺は俺!」というメッセージに変えた。「歓声をさがして」では「大歓声や拍手が『YON FES』で鳴りますように」と歌い替え、急遽セトリに加えた「アフターアワー」では「こうやって地元を上げてる先輩の前でロックバンドがやりたいです!」とバンドの矜持を見せた。「YON FES」初出演のSHADOWSは、今日一番のヘビーな出音でメロディックハードコアチューンをLAND STAGEに叩き込み、フロアは待ってましたとばかりに大暴れ。フロアに発生したサークルピットに目を細めたHiro(Vo)は「ずっと不安だったけど仲間がいたみたいでよかったです」と喜び、バンドはさらに高速な「So What」やダンスチューン「BEK」などを投下して、爪痕と重低音の余韻を残した。

フレデリック / Age Factory

1曲目の「オンリーワンダー」を歌い終えるなり、主催のフォーリミへの思いを話し出したのはフレデリック。三原健司(Vo, G)は3月に見たフォーリミのライブが“過去イチ”だったと聴衆に伝え「そんなバンドのトリ前。しっかりやらないわけにはいかないでしょう!」と誓った。健司の伸びやかなロングトーンが響き渡った「CYAN」、リバーブを効かせたサウンドが幻想的なムードを創出した「峠の幽霊」など、多彩な表現で聴き手を魅了した彼らは「(フォーリミに)一番ヤバかったって言わせたい」という思いも抱えていると明かし、健司は「めちゃめちゃ印象残して帰ります。俺らに付いて来てください!」とオーディエンスに訴える。「オドループ」「スパークルダンサー」のラスト2曲では、そんな彼らの熱演に観衆がしっかりと応え、熱狂をもってSKY STAGEのバトンをフォーリミにつないだ。そののち、LAND STAGEのトリを務めたAge Factoryは、暮れゆく空に放つ「SKY」でライブをスタートさせた。「忘れられない夏にしよう」という清水エイスケ(Vo, G)の言葉からの「向日葵」、“夕方5時”の情景を歌う「TONBO」と、季節や時間帯に沿ったエモーショナルなライブを展開して観衆をぐんぐんと惹き付けていく彼ら。「フォーリミがくれたLAND STAGEのトリ。カマさないわけにはいかないです」という清水の意気込みそのままにスケール感あふれるバンドサウンドを叩きつけ、ラストには「See you in my dream」で“未来”での再会を約束した。

04 Limited Sazabys

2日目のフォーリミのライブは、2015年リリースの1stアルバム「CAVU」収録曲「days」からスタート。「ライライ未来へfly」と歌ったあとに、「膨らんだ世界には 今、無数の 未来」と歌うインディーズ時代の「Now here, No where」を続け、メジャーデビュー10周年および「YON FES」9周年を迎えたバンドの現在を示す。「仲間になれたら連れてきて」と歌う「GATE」を演奏したあとには、GENが「今日出てくれたバンドみんなカッコよかった。これが俺の友達かと思うと自慢です」と胸を張った。

出演者やスタッフのみならず、多くの人の力の上に成り立っている「YON FES」。GENは「リニモの運転の方だったり、入り口の装飾をしてくれている方だったり。僕らがやり出したフェスですけど、いろんな人のものになっているのがうれしいです」とイベント自体の成長も喜んだ。さらに「本当に生きててよかったなって思える、今日みたいな瞬間が人生に何回かあって。自暴自棄になっていた若いときのあの日々が報われます。そんなふうに思えるくらい素晴らしい2日間になりました」と、改めてこの2日間を振り返る。そして、柔らかなHIROKAZ(G)のギターとGENのボーカルが心地よい「Harvest」を選曲。冒頭のパートが終わると、GENは「ここからが本領発揮でしょ?」とフロアに問いかけ、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)も加わって高速ビートにテンポチェンジ。バンドもフロアも“本領発揮”で、最後まで駆け抜けた。

アンコールでは「YON FES」が6月に開催時期を引っ越したことについて切り出したGENが「夏は『YON FES』から始まる、みたいな感じでいいよね?」と来年も同時期に会場を押さえていることを明かし、「来年は10周年なんで、油性ペンで書いておいてください」とGENらしい言葉選びで約束した。そして「Squall」「Buster call」とキラーチューンを続けると、「Remember」で「俺たちが名古屋の04 Limited Sazabysだ、忘れるな!」とその名を聴衆の心に刻み、今年の「YON FES」の幕を下ろした。

04 Limited Sazabys 終演後コメント

RYU-TA(G, Cho)

2日間本当に楽しかったです。幸せな時間をありがとうございました。

KOUHEI(Dr, Cho)

僕も本当に幸せな2日間だったんですけど、声も枯れてしまったし、もっと体力をつけたいなって思いました。老いを理由にしないように、毎年の「YON FES」に向けて体作りをしっかりしていきたいなと思います。

HIROKAZ(G)

2日間、ライブがよすぎて刺激しか受けていなくて。そのおかげで自分のライブが固かったと思うんで、来年はもうちょっと柔らかくできるといいなと思いました。それくらい刺激を受けすぎました。

GEN(B, Vo)

HIROKAZが言ったように、今日のバンド、どれ観てもくらっちゃって。最近はもうどこのライブでも緊張しないんですが、「YON FES」だけは「このあとにライブやるのか……」みたいな緊張感があります。それくらい、今年も刺激をもらいましたし、何よりシンプルに楽しかったです。「終わっちゃったな」って感じです。

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