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排外主義や差別にどう抗うか?ラッパーWorldwide Skippaの戦い方

Worldwide Skippa
4か月前2025年07月11日 9:05

日本各地で外国人労働者や海外からの観光客、留学生が増加する一方、外国人を排斥する排外主義の風潮が急速に強まっている。それはマナーの悪い外国人を「外来種」にたとえて批判を浴びた林原めぐみの例で見て取れるように、必ずしも悪意のない素朴な不安として広がっており、7月20日に投開票が行われる参議院選挙に向けて、複数の政党から排外主義的な言説が聞かれるようになっている。

そんな中、そもそもが海外由来の文化であるヒップホップのシーンですら外国人を敵視するような主張が増加。特に話題を集めたのが、YOS-MAG、輪入道、十影、Metisによる楽曲「団結前夜(Beat by Yuto.com)」であり、この曲には「なんでチャイニーズ優遇??」「見渡す限り歩行者外人」「俺たちの国取り戻せ」といった言葉が並んでいる。

これにシーンの中から反旗を翻し、注目を浴びた若手ラッパーがWorldwide Skippaだ。彼は排外主義への怒りをラップしつつ、“ダサい”という視点で「団結前夜」を批判したディスソング「ダサくて助かる」を発表。この曲は普段あまりラップを聴かない層にまで広まり、これを紹介した音楽ナタリーの記事も「最近増えた素朴で悪意ない排外主義 皆も気を付けろよ自分の内なる林原めぐみ」というパンチラインとともに拡散された。

彗星の如くシーンに現れたWorldwide Skippaだが、彼はいったい何者なのか。音楽ナタリーは、大きな話題を集めた「ダサくて助かる」について深掘りするため、愛知に住むWorldwide Skippaにリモートで取材を実施。楽曲の制作経緯を聞きつつ、ラッパーとして政治的なメッセージをどう届けるかについて、彼の考えを詳しく語ってもらった。

取材 / 最込舜一 企画・構成 / 三浦良純 撮影 / Takeshi Chiba

林原めぐみのブログと「団結前夜」

──排外主義的な内容であるとして話題になった「団結前夜」と声優の林原めぐみのブログへの言及のある「ダサくて助かる」について聞きたいです。「団結前夜」は6月6日にミュージックビデオ公開、林原めぐみのブログが同月8日、その5日後に「ダサくて助かる」がリリースされたというスピード感でしたね。

先に知ったのは林原めぐみのブログの件でした。そのときになんかXの雰囲気も嫌だなと思ってたんですけど、それ自体はいつかどっかの歌詞に入れようかなぐらいに考えていたんです。そしたら同時期に「団結前夜」もXで話題になっていて。客演のメンバーも見知った名前ばかりで、聴いてみたらこれはヤバいなと。あの曲のこれまでのシリーズ(「覚醒前夜」「革命前夜」)も悪い話題のなり方で目には入ってたと思うんですけど、たぶん数字がついてきてなかった。でも、あの「団結前夜」はMVとメンツで跳ねて。コメント欄が移民排斥の嫌な雰囲気になっていて、ラップに興味ない参政党支持者みたいな人たちも巻き込んだ感じの盛り上がり方をしていたので、かなり嫌だなと思いましたね。だから「ダサくて助かる」は「団結前夜」を知ったその日に録って出したんです。自分に向けられた曲ではないからビーフとかじゃないけど、別に出しといて損はないし、大変だけどやるかと思って。

──排外主義に抗うラッパーはいないわけじゃないけど、それをストレートかつポップにできる人は多くはないと思います。

「団結前夜」へのアンサーソングって、僕じゃなくても遅かれ早かれ誰かが出すと思ったんです。けど、普段から熱心にラップを追ってるリスナーがカッコいいと思えるビート上であの曲に批判的なアティチュードでラップする人って現れないんじゃないかなと思って。「団結前夜」のメッセージ性を嫌だと思っている人たちはいるけど、そもそも曲としてダサいと思っている人ってどのくらいいるんだろう? じゃあそこをやろうか、という感じでした。ちゃんと現行のラップを理解している人が、ああいう曲を作るのが大事だと思います。

宇多田ヒカルの政治的な歌詞はいいのか

──日本語で政治的なメッセージを入れると、下手にやると堅くなりすぎるというか、異物感が出てしまうことがありますよね。最近だと宇多田ヒカルが「Mine or Yours」で「令和何年になったらこの国で 夫婦別姓OKされるんだろう」と入れたのはギリギリの絶妙さだと思いましたが、そのあたりはどういう塩梅を取っていますか?

政治的な内容を入れるとしても、言葉選び自体はストレートでいいかなと思っています。でも、それを受け取ってもらいやすいように気を付けていることがあって。政治一辺倒の曲にしない、もし何かメッセージを込めるとしても1、2ラインに入れ込むぐらいにとどめるっていうのが自分のやり方です。「徳利とブラピ」(2025年4月リリース「Skipping Tape Vol.1」収録)という曲も、メロディ系のラップで油断させてBDS(イスラエルの占領・入植・人権侵害に加担する企業などに対する不買運動)の話を急に入れたり。

──「結構キツいけどスタバとマクド不買 俺の曲は各地届くまるで Uber Eats」のラインですね。

油断させて急に耳に入ってくるようなものを意識していますね。あくまでちゃんとヒットソングを作りたい気持ちが一番大きいです。その意味で僕は宇多田ヒカルの歌詞はめっちゃいいと思った。

Moment Joonとは違うやり方で

──近年大きな話題を集めた政治的なラップの作品として、Moment Joonの「Passport & Garcon」(2020年3月)があります。

僕はMoment Joonさんが大好きで、「Passport & Garcon」はすごい名盤だと思うし、完璧だと思うんですが、あれが本筋のラップリスナーに届くことは少ないとも思うんです。本人にもその葛藤があったと思いますが、あのアルバムは「ダサくて助かる」に反応してくれたけど普段はラップをそんなに聴かないようなリベラルの人たちが評価する作品になっていて。だから悪いっていうわけじゃないんです。その人たちも同じくリスナーであることに変わりはないので。でもMomentさんがアルバムを通して移民のことを歌うのと、同じ在日韓国人ラッパーであるCandeeがポップな曲調で「在日ブルース」を歌うのって、重みは違うかもしれないけど、届く人の数は変わってくるとは思います。

──ポップな曲にすると思いもよらぬ場所に届くというのは絶対ありますよね。政治的な内容も思想信条を超えてリーチできる。

MomentさんとかFisong(※Moment Joonと同じく移民者で在日韓国人である大阪の若手ラッパー)くんとかはめっちゃ好きだし、完璧なんですけど、僕ができることとは違うのかなと思う。僕にできる最善のやり方は混ぜ込むことですね。“サブリミナルポリティカル”って感じです。でも「ダサくて助かる」はそのルールから外れている曲で。曲の最後に、この曲は不本意だっていう内容の語りが入ってるのはそういうことです。

──Skippaさんの曲はけっこうギャグっぽい歌詞も多くて、政治的なことも入ってるけどあくまで混ぜ込んでる感じですよね。逆にMomentさんみたいに完璧なものを出すというのはそもそも相当難しいと思います。

そうですね、僕にはできない。僕は別に政治に深い知識があるわけじゃないんです。けっこうカジュアルに嫌だなと思ったことを言うだけ。いきなり難しいことを言ってもみんな敬遠してしまうので、クラブで流れるようなスタイルでやりたい。

──例えばケンドリック・ラマーのコンシャスな曲はヒットしてもクラブで流れるかというとそうではない、みたいな話ですね。実際にSkippaさんの曲がクラブで流れていたという声は届いたりしてますか?

インスタでメンションをいただいたり、自分が東京のクラブにいるときに流れることもあったりして、うれしいです。

同じ言葉ばかりの日本語ラップへの不満

──そもそもなんですが、Skippaさんはどういう経緯でラッパーになったんですか?

自分はTwitter(現X)で知り合ったラップリスナー同士で1年前くらいに集まったOMGというクルーに所属していて。僕がラップを始めたのはクルーメイトのyou geekがラップを始めた影響が大きいですね。

──本格的に活動を始めたのはいつからですか?

名前がWorldwide Skippaになったのは最近なんですが、ラッパーとして初めて世に出したのはSoundCloudの1曲目に上がってる曲で、2024年5月ですね。大学を2024年3月に中退して、それからラップを始めて作ったのが、その曲なんですけど、そのあと半年間は何もせず、音楽も一切聴かず、シンプルに引きこもっていました。だからラップを始めたのは1年前くらいだけど、実際にラップしてるのは半年ぐらいです。

──ラップを再開したきっかけは?

近所にシャトレーゼができて、そこでバイトを始めたのをきっかけに社会復帰したんです。それで気分転換で仙台のPlain Jayというラッパーのリリースパーティに行ったら、Plain Jayと彼の弟のHuncho Foxが熱い話をしてくれて。別に「ラッパーになれ」とかではなく、「キツイけど一緒にがんばろう」ぐらいの感じだったんですが、それで僕は本気でラッパーになりたいと思っちゃって(笑)。

──住んでいるのはずっと名古屋ですか?

基本的にはそうです。大学時代は長野に住んでいて、中退して名古屋に帰りました。

──大学時代からしょっちゅう東京のイベントにも通っていたそうですが、名古屋から仙台のPlain Jayを観に行くのもよっぽどだし、もともとかなり熱心なラップのリスナーだったのかなと。

めちゃくちゃオタクです。

──そういう人が実際にプレイヤーになると、リスナーとしてラッパーに向けていた厳しい基準を自分に課すことになりますよね。

完全にそうですね。

──例えば先ほど話が出た「徳利とブラピ」では「みんな同じ歌詞でつまらん 立てる波風」とあります。続く「ラッパーが擦り倒した 言葉味はありません」もかなりクリティカルですが、今の日本のシーンの歌詞に対する問題意識を聞かせてください。

「みんな」とは言っても、正直売れている人はわりと面白いと思うんです。でも僕は相当な量の日本語ラップを聴いていて。クラブに行ったときも前座から全アクト観るくらい。そうすると、どこかで聞いたことあるような言葉しか流れてこないなと思うことが本当に多いんです。

──そういうラップオタクの視点から今のスタイルになったと。

ラッパーとして売れるには、ほかと違いを出していかないといけない。でも自分が歌い上げる系とかフロウの面白さで勝負するのは無理だと思ったんです。音痴だし。それはまた別のセンスの話になってくるじゃないですか。そういう才能はなくても、練ればなんとでもなるのが歌詞かなと思いました。軽視されがちだけど、ラップにとって一番大事なのは歌詞だと思いますし。

──歌詞で個性を出していくという点だと、「trust me」(「Skipping Tape Vol.1」収録)という曲の「『全部奪う』とかラッパーの詭弁」という部分にもリスナー視点の批評性があるように思いました。

「全部奪う」はマジで頻出ワードですね。「この言葉が出てきたら俺だったらスキップするよな」って思うような歌詞は書かないように意識してます。使わない言葉を書き留めていた時期もありました。

面白い歌詞とつまらない歌詞の違い

──歌詞を書くうえで、ほかに意識していることはありますか?

意識しているのは、歌詞に固有名詞を入れるということ。固有名詞を入れるだけでも簡単にほかと違う歌詞ができるので、量を作るためにも意識して入れてますね。特に数えてはいないけど、僕の曲って多分8小節取り出したらどこかに1つは固有名詞が入っていると思います。Watsonとかは地元の友達の名前を入れたりしてますよね。僕はもっとミーハーで、アニメ関係の言葉を歌詞に入れたりしてるんですけど、行きすぎてナード感が出ないようにビート選びには気を使ってます。

──作詞で参考にしている人はいます?

ラッパーだともちろんWatsonなんですが、ライターのLilPri(USB)さんにめちゃくちゃ影響を受けていて。

──7の楽曲「Boss Bitch」のリミックスでElle Teresaが「私を褒めるUSBエゴサしてるX」とネームドロップしていた人で、ナタリーの「パンチライン・オブ・ザ・イヤー」座談会記事にもYYKという名義で登場していた方ですよね。

LilPriさんがたまに言うラップ理論みたいな投稿はぶっ飛んだ内容が多いですけど、僕は信者と言っていいレベルで真に受けています。歌詞について、LilPriさんは「固有名詞が入っていたらよくて入っていなかったら悪い」ぐらいの言い切り方をしていたと思います。

Kohjiyaの名前を出した理由

──ネームドロップと言えば、「ダサくて助かる」の林原めぐみもそうですが、「WWS FOR PRESIDENT - Song Wars」(2025年6月リリース「I ♡ クランク.」収録)の「つまんない歌詞でも売れる例えばKohjiya」というディスも大きな話題になってましたね。Kohjiyaは、オーディション番組「RAPSTAR 2024」で優勝し、今最も活躍しているラッパーの1人です。

正直言って、僕の曲をいつも聴いてくれてる人たちは、Kohjiyaのネームドロップについては、別になんとも思っていない人が多いと思います。あれはただの軽口でしかなくて、あんなことはほかにもいっぱい言ってるので。だから「ディス」って表現されること自体に違和感があります。

──センセーショナルに受け取る人も多いけれど、Skippaさん的には大したことを言ったわけじゃないと。

ネームドロップに過剰反応するのはつまらない歌詞ばかり聴いているからだよ、とは思ってます。KohjiyaだけでなくKANDYTOWN周辺もそうですけど、ほとんどのラッパーは1曲に1、2個の固有名詞が出てきたら多いぐらいだと思います。それが悪いとは言わないですが、僕の基準ではそれはいいラップじゃない。もし「つまらない歌詞」をディスるなら、売れている人に絞ってもKohjiyaの下に100人くらいいますよ。そもそもKohjiyaは嫌いじゃないし、ぶっちゃけKohjiyaの名前を出したのは、ただ韻を踏むためですね。

ヤーレンズにも届いて癖になった

──最初のシングル「WORLDWIDE INTRO」 (2025年2月リリース)に入っている「JAPANESE CRANKA」で「騒ぎ方がDJ TY-KOH」とネームドロップしたらDJ TY-KOH本人とリミックスを作ることになりましたが、あれもなんとなく出してみたらああなったという感じですか?

あれも本当に軽口ですよね。日本のヒップホップシーンで騒ぐといったらタイコーさんでしょ、くらいのノリでネームドロップしたんです。

──芸人のヤーレンズも、この曲の「出井楢原マジでファイト」という歌詞に反応して「ヤーレンズのオールナイトニッポン0(ZERO)」で流してくれてましたね。

そういうので多分癖になっちゃったんですね。名前出したら届くんだみたいな(笑)。

ダサくないビートへのこだわり

──先日リリースされた新曲「海賊王 freestyle」は曲の出だしに面食らっていると、最初に「俺はこのシーンで一番自由だ」って歌詞が出てきて、その通りだなと唸らされました。

マジで自由じゃないですか?(笑)このビートもそうなんですが、僕が使ってるDMV Crankというジャンルのビートの多くはnainsutaというアメリカのビートメーカーが作ってくれてるんです。サンクラにある「2025大阪万博中止」という曲で、nainsutaのビートを初めて使って彼をメンションしたら、「You are Japanese Cranka!!」っていうDMが届きました。それが「JAPANESE CRANKA」って曲名の由来です。それ以来ビートを提供してくれています。

──「Skippa Diary」(「Skipping Tape Vol.1」収録)の「遅い日本の流行り追いつかせるUSの現行」という歌詞はビートのトレンドの話もあるのかなと思いました。「ダサくて助かる」では「団結前夜」のビートも批判していましたが、SkippaさんはDMV Crankというジャンルのビートにどうして注目したんですか?

DMV Crankは、ワシントンD.C.とかバージニアあたりから生まれたジャンルで、スライムゲッテム(SlimeGetEm)とかが代表的なラッパーです。ハードなんだけど、サンプリングの大ネタ使いもあるので、いろんな人の耳にもとっつきやすさがあると思ったのと、日本で何かのパイオニアになりたくて、まだ全然知られていないものを選びたかったのもあります。

ラッパーのしがらみから自由でいたい

──「海賊王 freestyle」にはストレートな自民党批判がありつつ、「日本のラップシーンはお互いの顔色窺ってるから平行 俺みたいに好きに言えよ 言ってる場合じゃないよエイヨー こんだけ言っても変わらん日本のラップと政治 悲しいAkon」という歌詞があります。日本のラップシーンにも村社会的な側面があるんでしょうか。

お互いの顔色を見ながらやってるなっていうのは「団結前夜」周りの一連の流れでも感じました。

──「ダサくて助かる」でも「売れてるラッパーはしがらみや立場あるだろうし サンクララッパーはまだ若くて分かんないだろうし 失うものも少ない俺が丁度いいから言うよ」とラップしていましたね。

ただ「日本のラップシーンはお互いの顔色窺ってるから平行」とは言いつつ、僕も正直周りの顔色をうかがっちゃいます。側から見ていてくだらないと思っていても、実際自分が渦中にいたら自由でいるのは無理だろうなとも思います。

──これから徐々にしがらみが出てくるわけですね。

僕の拠点は名古屋なので、名古屋出身のメンバーがいるXgang周りにお世話になってるんですけど、YOKOSQUAD(※Xgangと過去に対立のあった横須賀のクルー)も好きなんです。一緒に曲を作ったり遊んでもらってるのはXgang周りの人だけど、こないだYOKOSQUADと一緒にイベント(2025年6月17日開催「DAWN」)に出ちゃったりして。めっちゃうれしいけど気まずいなって。僕だけがそういうしがらみを無視してもただ輪を乱すだけなので、「(窮屈な立場のことを)みんなわかってくれないかな?」って思います。好きに動いていたいから、そういう雰囲気をみんなで作っていこうよ、みたいな感じですね。

──名が知られてくるとしがらみが出てくるのは宿命ですよね。「あいつは自由人だから仕方ない」と思われて、周りからある意味あきらめられるといいですよね。

その立ち位置に行きたいですね。あいつはいろんなところを行き来してるけどいいんだよ、みたいな。一番おいしい立ち回りですね。

エゴサしてうれしかったこと

──もともと熱心なリスナーだった自身がラッパーとしての声を得た今、どうしていきたいですか?

僕のポリティカルな歌詞は、党派性は多分全部一緒なんですが、言及する問題はその時々のマイブームで言っていて、それはこれからも絶対に続けます。どうなりたいかっていうと、もちろん売れたい。でも売れたときにこのスタイルは変えたくない。急に政治的なことを言い始めても変だから、売れても言うために今やっています。

──売れるために考えていることはありますか? 「ダサくて助かる」のスピード感もすごかったですし、「Re:Hello Hater」(「Skipping Tape Vol.1」収録)に「令和曲出しても持って二晩」というラインがあるように、リリースのスピード感はかなり意識しているのかなと。

リリースのペースは一番意識していますね。今の日本語ラップってめちゃくちゃいい曲が1週間に何曲も出てると思うんです。「こんなにいい曲なのにそこまで売れてないのはなぜ?」と思うこともあるんですが、僕自身も次の週にはその人の曲はもう聴いていない、なんてこともよくある。リスナー目線だと正直みんなそうだと思うんですけどね。ラッパー目線でそこをどう解決するかと考えたら、やっぱり今はリリースの頻度を増やすしかない。もちろんこれが続けられるとは思っていないし、正しいかどうかもわからない。正直めちゃくちゃ無理してます。だからある程度ファンベースができて落ち着いたところでアルバムを仕上げたりしたいですね。とりあえず今は話題を絶やさず、毎日どこかで名前が出るようにしたいです。

──Skippaさんは現在23歳ですが、自身の曲をどういう人に一番届けたいですか?

同年代か自分のちょい下くらいですね。実際自分の政治的なリリックについてDMで共感してくれるのは10代の子とかが多くて、それがめっちゃうれしいです。あと、エゴサしていてうれしいなって思ったことがあって。「Skippaはめっちゃ曲いいけど、左寄りなのかよ」みたいなこと言ってる人がいたんです。僕に対して「左寄りなのかよ」って不満に思ってはいるけど、その人は僕の新曲もチェックして聴いてくれてるわけで。実際その人の考え方が変わらなくても、僕の言葉がサブリミナル的に入り込んでいることには意味があるかなと思います。と言っても今はまだ限られた人にしか届いていないと思うので、これから名古屋のクラブ行ったら人に囲まれすぎて、まともに通れないみたいな感じになりたいですね。

Worldwide Skippa(ワールドワイドスキッパ)

愛知・名古屋を拠点に活動するラッパー。2025年2月に1stシングル「WORLDWIDE INTRO」 をリリースしたのち、DJ TY-KOHを招いた「JAPANESE CRANKA Remix」、ミックステープ「Skipping Tape Vol.1」、シングル「LALALA」「I ♡ クランク.」と立て続けに作品を発表し、ウィットに富んだリリックや音楽性でシーンをざわつかせている。
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