西寺郷太(NONA REEVES)が2026年2月にカバーアルバムをリリース。その第1弾先行シングルとして、西寺が歌う「熱き心に」が配信リリースされた。
アルバムでは、西寺が1980年代から90年代にかけてリリースされた日本の名曲をカバー。「熱き心に」のほか、オフコース「Yes-No」や小林明子「恋におちて」、井上陽水「いっそセレナーデ」、BEGIN「恋しくて」が現時点でラインナップされている。
今回先行配信された「熱き心に」は、1985年に小林旭が発表した楽曲で、阿久悠が作詞、大瀧詠一が作曲に参加した。カバーバージョンのアレンジとプロデュースは、西寺の活動を長く支えてきた冨田謙が担当している。
リリース発表とともに公開されたビジュアルは、西寺のYouTubeのプロデューサー・福見敬太が制作。原曲がAGFコーヒー「マキシム」のCMソングであったことにちなみ、CMの世界観をオマージュしたデザインが採用されている。
西寺郷太 コメント
「熱き心に」カバーによせて
やり残したことはないだろうか── 最近、よくそう考えるようになりました。
音楽を本当に好きになった子供の頃、「手を伸ばして求めていた洋楽」ではなく、「すぐそばに自然にあった日本のポップ・ミュージック」を、歌手として今のうちにレコーディングして残しておかないと、きっと後悔する。そう思い、カバーアルバム第二弾の制作を決心しました。
まず選んだのは、尊敬する大瀧詠一さんと阿久悠さんによる「熱き心に」。
小林旭さんの名唱と完成されたアレンジがあるため、再構築のハードルはとても高いのですが、だからこそやる意義もある。信頼する冨田謙さんにアレンジとプロデュースをお願いしました。
この曲を初めて本気で歌ったのは、今年、台湾へソロ公演で訪れた際。お台場と飯田橋の川辺を合わせたような、若者や家族が集まる賑やかなエリアで開催されていた地元のカラオケ大会に急遽参加し、たまたま見つけた日本語曲が「あ」行の中の「熱き心に」でした。ほぼ初めて歌ってみたのですが、あまりに爽快で、現地の方々の大喝采を浴びて……改めてこの楽曲の素晴らしさを痛感しました。
帰国後、ナイアガラ・レーベルの坂口修さんにお会いした際、すぐにカバーの承諾をいただく流れに。
個人的には「VELVET MOTEL」に続く2曲目の大瀧さん作品。いわゆる「シティポップ」の枠からはみ出すギリギリの、大瀧さんが生涯大切にしたディープな領域の集大成とも言えるこの名曲を選んだことを喜んでくださり、今回収録が実現しました。
近年発表された大瀧さんご自身による歌唱もじっくり聴き込み、僕なりに挑んだ「熱き心に」。
DJパーティーのハイライトや、イベントのラストに流せば大団円感があるはず。
今から楽しみでなりません。


