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Number_iは誰にも媚びず何にも縛られず走る / ヒゲダン新曲から感じたアインシュタインの言葉

再生数急上昇ソング定点観測
4か月前2025年12月12日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで11月28日から12月4日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、7位に藤井風の「Casket Girl」が登場した。ファンクやディスコの要素を取り入れた心地いいサウンドとは対照的に、歌詞は「And be happy endlessly / Something always drags me down」(ずっと幸せでいたかったのに、いつもなにかが僕を引きずり落とす)など、ダークな描写が印象的で、そのコントラストに魅了される。

17位にランクインしたのは、DOMOTOの「愛のかたまり」だ。「愛のかたまり」は2001年にリリースされたKinKi Kidsのシングル「Hey! みんな元気かい?」のカップリング曲。KinKi Kidsから改名したDOMOTOの再始動1曲目として、12月3日に新しいアレンジと新録ボーカルでリリースされた。YouTubeのコメント欄には「活動を続けてくれてありがとう」などと、2人の再スタートに感謝する声が多く上がっている。12月5日には「THE FIRST TAKE」で同曲の一発撮りパフォーマンスが披露されており、こちらも話題を呼んでいる。

30位にはStray Kidsの「DIVINE」が登場した。11月27日のMV公開から10日間で3570万再生を突破し、現在も破竹の勢いで再生数を伸ばしている。

48位にはTani Yuukiの「もしものがたり」がランクインした。今作はテレビアニメ「ドラえもん」のエンディング曲。MVにはHIKAKINが出演しており、さまざまな遊び心がちりばめられた”もしも”をHIKAKINとTaniがコミカルに表現し、少年少女たちの夢を肯定している。

ソロアーティスト、アイドル、ボーイズグループなど、さまざまな新曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。

Number_i「LAVALAVA」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場9位

「LAVALAVA」は、Number_iが12月1日に配信リリースした2ndアルバム「No.II」の“デラックス盤”収録曲。作詞はPecori(ODD Foot Works)、作編曲はNumber_iの3人とMONJOE(DATS)、SHUN(FIVE NEW OLD)が手がけた。これまで「GOAT」「INZM」など、ヒップホップに振り切った楽曲が多かった彼らだが、今作はUKガラージを想起させるビートと浮遊感のあるサウンドが印象的で、大人っぽく洗練されたスタイリッシュさが際立っている。

SNSをはじめとした“息苦しい現代社会”をレーシングコースに例えた歌詞では、見えない社会のルールに順応するのではなく、自分の走るべき道をハンドリングしながら、整備されていない道を悠々自適に進んでいく様子が描かれているのではないだろうか。誰にも媚びず、何にも縛られず、自分たちらしい走りを見せるNumber_i。「LAVALAVA」は3人のこれまでとこれからの歩みをメタ的に表現した楽曲のように感じる。

Official髭男dism「Sanitizer」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場11位

11月26日に突如開設されたカウントダウン付き特設サイト。そこで流れていた一部のメロディが、実は新曲のイントロだったことが明らかになった。Official髭男dismは12月1日、その答え合わせとなる新曲「Sanitizer」を配信リリースし、同時にMVも公開したのだ。今作はOfficial髭男dismにとって約7年ぶりとなるノンタイアップシングルで、彼らが今届けたいサウンドがパッケージされている。

楽曲の主人公“僕”は乗り越えなければいけない心の問題を抱えており、それを「Oh baby この渇きだけは ここにある穴だけは / 君に満たしてもらっちゃいけない気がするんだ」と自らの力で打開しようと克己する。なぜ、僕は己の力だけで乗り越えようとするのか? それは、自分という人間を自分で誇ることが、自分という人間を自分で守ることが、大事な“君”を愛することに不可欠だと思うからだ。人間は“自分のため”だけではがんばることは難しい。しかし、“誰かのため”という大義名分があれば、大きな壁や試練を乗り越えることができる。筆者はアルベルト・アインシュタインの「誰かのために生きてこそ人生には価値がある」の名言とも重なる、人生哲学をこの曲から感じた。

Eve「Underdog」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場28位

人間は誰しも生まれたときは「妬みやそねみ」も「虚栄心」もない無垢な心を持っている。それが成長するにつれて、周りとの差や世間の評価を気にするようになり、誰かに劣っていると見られないように自分を取り繕って、無理をして生きるようになる。要するに、みんな他人に負けていることを認めるのが怖いのだ。それは「人生の失敗を認めることが怖い」と言い換えられるだろう。

独立研究者・著作家の山口周は、長濱ねるとの共著「未来を照らすコトバ ビジネスと人生、さらには社会を変える51のキーワード」の中で、「失敗することの大切さ」を次のように提言している。

「多くの人は『失敗しないに越したことはない』と思っているでしょうが、じつは失敗はすごく重要なものです。その失敗をいかにプラスに生かしていくか。それは、個人にとっても組織にとっても、社会全体にとっても大事なことだと思います」

この話と通じるものを、Eveの新曲「Underdog」に感じる。Eveはこの曲の中で、社会や世間の価値観に押しつぶされてしまいそうな人に「負け犬らしくなっていいから」と優しくエールを送っている。そして「泣いていた時間が力になり / 最低なくだらない愛を唄う / 不安定で痛いな / それも全部愛してしまえる今日になる」と、懸命に生き続けることでいつかは自分の糧になるとメッセージを歌っているのだ。負けたらそこで人生がゲームオーバーになるわけではない。肝心なのは、失敗をいかにプラスに転換するかだ。「Underdog」はEveなりの人生賛歌と言えるだろう。

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