大きな話題から気になる小ネタまで、“最近のK-POP”をまとめて振り返るマンスリー連載「K-POP、最近どう?」。4月は10~12日、17~19日に、毎年K-POP勢の出演が注目される「Coachella Valley Music and Arts Festival」が行われましたが、国内でも同時期にBTSが東京ドーム、TWICEがMUFGスタジアム(国立競技場)、東方神起が日産スタジアムで大規模な単独公演を開催しました。BTSの来日公演は実に7年ぶり。公演の模様はもちろんのこと、日本でつかの間のオフを過ごすメンバーの一挙一動も、連日大きな反響を呼びました。
一方で、デビューから7年を迎えたグループが次々と活動の休止や終了を発表。近年はメンバー全員での再契約が以前ほど珍しくなくなったように思われましたが、改めて“魔の7年”という言葉を突きつけられるような、K-POPシーンの競争の激しさが浮き彫りとなった1カ月でもありました。本稿では、そんな4月のK-POPシーンから、印象的な出来事をピックアップしてお届けします。
文 / 岸野恵加 イラスト / ちぎりパン
1. 「イカゲーム」美術監督がクリエイティブ参加
ぐっと気温が上がり、屋外で過ごす時間もすっかり心地よい4月。今月も、リリース作品の振り返りからお届けします。3日にはBIGBANG出身のT.O.Pがフルアルバム「TOP SPOT - 多重観点(ANOTHER DIMENSION)」を発表し、13年ぶりにソロでの音楽活動を再開。カバーアートはアメリカ現代アートの巨匠エド・ルシェ、アルバムのデザインとミュージックビデオの美術総括は「イカゲーム」の美術監督チェ・ギョンソンが手がけるなど、アートワークにもこだわりが詰め込まれています。
TOMORROW X TOGETHERは再契約後初の作品として、8thミニアルバム「7TH YEAR: A Moment of Stillness in the Thorns」を13日にリリース。彼らがデビューからの7年間に感じた不安などを率直につづった作品で、リード曲「Stick With You」のMVでは、5人が1人の人物を演じています。NCT WISHは20日に韓国フルアルバム「Ode to Love」でカムバック。「この世界のすべての優しさをあふれるほど込めたこの歌」と歌われるタイトル曲のMVでは、メンバーが天使のように純真な存在感を見せました。
LE SSERAFIMはフルアルバム「PUREFLOW」の発売に先駆けて、24日にリード曲「CELEBRATION」をリリース。メンバー全員でヘッドバンギングをする振付が強烈な印象を残し、グループの新章の幕開けを力強く宣言しました。Xnghan&Xoulは27日に初のミニアルバム「Glow」をリリースし、疾走感あるハウスナンバーが「神曲」と評判を集めています。ILLITは30日に、4thミニアルバム「MAMIHLAPINATAPAI」でカムバック。リリース直前にMOKAが活動休止を発表し、4人体制で活動していますが、メンバーいわく“火鍋”のような刺激的な作品でグループの新境地をしっかりと見せています。
そして4月は、多数のグループがデビューを飾りました。8日にはサバイバル番組「STEAL HEART CLUB」を通じて結成されたバンド・hrtz.wavと、5人組ボーイズグループ・KEYVITUPがデビュー。hrtz.wavはドラムのハギワとギターのケイテンが日本出身で、「1theK」で公開されたコンテンツでは、INI「FANFARE」やStray Kids「Hollow」などの日本語曲も交えて、名曲を新鮮なアレンジで披露しています。ジェジュンがプロデュースするKEYVITUPにも、RUKIA(ルキア)、SENA(セナ)の日本人メンバー2名が在籍。メンバー全員が作詞に参加したデビュー曲「KEYVITUP」では、5人がハンドマイクで堂々としたパフォーマンスを繰り広げています。
13日には、「BOYS II PLANET」に参加し、「PLANET C:HOME RACE」を勝ち抜いた7人で結成されたMODYSSEYがデビューシングル「1.Got Hooked: An Addictive Symphony」をリリース。パワフルな群舞が魅力的なリード曲「HOOK」には、Stray Kidsの3RACHAが制作に参加しています。また21日には、STAYCの妹分として、High Upエンタテインメントから約6年ぶりとなるガールズグループ・UNCHILDがデビュー。韓国で幼い頃からダンスの神童として知られているナ・ハウンや、「I-LAND2 : N/a」に参加していたパク・イェウンが在籍していることも話題を集めました。
デビュー9年目のfromis_9は、1日に1st EP「LIKE YOU BETTER (Japanese ver.)」をリリースして日本デビュー。また日本を中心に活動してきたORβITは、28日に4thミニアルバム「TRANS」で韓国でのプレデビューを果たしました。このほか4月は、KickFlip、KISS OF LIFE、YOUNG POSSE、宇宙少女のダヨン、ファサ(MAMAMOO)、PLAVE、EVNNE、CORTIS、Xdinary Heroes、CLOSE YOUR EYES、TWS、NEXZ、Xnghan&Xoul、QWER、CRAVITY、イ・チェヨンらも新作を発表しています。
2. BTS、TWICE、東方神起が一斉来日
人気グループの大型来日公演が続き、日本列島が熱狂に包まれた4月。大規模なワールドツアーをスタートさせたBTSは、17、18日に東京ドームで約7年ぶりとなる日本公演を行い、ファンとの再会を果たしました。VとJung Kookはバラエティ番組「それSnow Manにやらせてください」に出演し、飾らずにSnow Manとトークする姿も話題に。またVとRMがよみうりランド内にオープンしたポケパーク カントーを訪れたり、J-HOPEが雨の東京を散歩したりと、ツアーの合間を楽しむメンバーの姿を収めたオフショットが連日SNSにアップされ、ファンを沸かせています。
TWICEは初の国立競技場公演を、25、26、28日の3日間にわたり開催。足首の骨折で活動を休止していたダヒョン、腰の不調でアメリカツアーの一部を欠席していたチェヨンも含む9人全員でステージに立ち、ファンを喜ばせました。筆者も現地で鑑賞しましたが、打ち上がる花火の中でパフォーマンスされた「ONE SPARK」は実に感動的でした。そして東方神起は、日産スタジアムで日本デビュー20周年を締めくくるライブを25、26日に開催。同会場での公演は海外アーティスト史上最多の3度目となり、偉業を成し遂げました。
IVEは2度目のワールドツアーの日本公演を18、19日に京セラドーム大阪で行い、4th EPタイトル曲「LUCID DREAM」をお披露目。6月24日には東京ドームで追加公演が行われることも決定しています。またaespaは初のドームツアーを京セラドーム大阪、東京ドームで行い、初披露となったユニット曲も熱狂を呼びました。
MONSTA Xは3枚目となる英詞アルバム「Unfold」を3日にリリースし、人気番組「The Kelly Clarkson Show」に出演するなど、アメリカでの活動を精力的に展開。28日には日本ツアーをLaLa arena TOKYO-BAYでスタートさせました。またDAY6は、デビュー10周年記念ツアーの日本公演を京王アリーナTOKYOでスタートさせています。
そして今後も、注目の来日公演が目白押し。デビュー10周年を迎えるiKONは2年8カ月ぶりの日本公演を6月と8月に開催する予定で、日本デビュー15周年を迎えるSHINeeは、6月にベルーナドーム公演を開催することを発表しました。SHINeeが4人そろって日本公演を行うのは、実に8年ぶりとなります。
3. コーチェラ大盛況、ARリサも登場
韓国や世界でも、さまざまなイベントや公演が話題に。アメリカ・カリフォルニア州インディオで行われた大型フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」には、K-POP勢としてBIGBANG、SHINeeのテミン、KATSEYEが出演。またBLACKPINKのリサは、ヘッドライナーを務めたイタリアのDJ・アニマのステージにプラチナブロンドヘア姿でサプライズ登場し、リリースしたばかりのアニマとのコラボ曲「Bad Angel」を披露。生配信では、AR技術により巨大なリサのアバターが出現し、視聴者の度肝を抜きました。
2020年、コロナ禍による出演中止を経て、今年ついに念願の「コーチェラ」のステージに立ったBIGBANG。自由にステージを楽しんだ3人は、デビュー20周年を記念したワールドツアーを8月に開催することを予告しました。日本公式XやLINEアカウントも開設され、期待を高めています。
EXOは約6年4カ月ぶりとなるワールドツアーを10日に韓国でスタートさせました。日本では5月に愛知、6月に大阪、7月に東京で公演が行われる予定です。またTHE BOYZは所属事務所・One Hundredを相手取り裁判所に申し立てていた専属契約の効力停止の仮処分が認められ、独自の活動が可能に。そうした状況下においても、メンバーはファンとの約束を守るために奔走し、KSPO DOMEでのコンサートを24日から26日まで予定通り開催。費用の多くをメンバーが負担したと法的代理人が明らかにしており、応援の声が広がっています。
またi-dleは8月に開催予定だった北米10都市ツアーの中止を発表し、ITZYは4月22日に開催予定だったオークランド公演の中止を20日前に発表しました。
4. “魔の7年”が訪れて
最後に、上記には収まりきらなかったトピックをまとめてご紹介します。NCTは10周年記念プロジェクトを始動。特設サイトではポップアップストアなどさまざまなアニバーサリー企画が告知されています。一方でNCT 127、NCT DREAMのマークがグループからの脱退とSMエンタテインメントとの専属契約終了を発表。さらにWayVのテンもSMから離れることを明かし、ファンに衝撃が走りました。テンはグループ活動の継続を表明しつつ「ソロで新しい挑戦を始める」と語っており、今後の活動が注目されています。そして元WayVのルーカスも、SMとの専属契約を終了しました。
SEVENTEENは13人全員でPLEDISエンターテインメントと2度目の再契約を締結したことを、コンサートで電撃発表。兵役の義務を果たすために活動を離れているメンバーもいる中、13人の変わらぬ絆に感動の声が広がりました。また韓国音楽業界の4大事務所とされるHYBE、YGエンタテインメント、SMエンタテインメント、JYPエンタテインメントが、世界規模のK-POPフェス開催に向けた合弁企業設立の準備を進めていることが明らかに。JYPの社内取締役を3月に辞任したJ.Y. Parkが大統領直属の大衆文化交流委員会で委員長を務めており、このプロジェクトの音頭を取るものだと予想されています。
またデビューから7年のタイミングを迎えるボーイズグループが、立て続けに活動休止や終了を発表。DKZは5月31日にグループ活動を終了する予定で、AB6IXも5月25日をもってグループ活動休止期間に突入します。CIXは5月末までに全員の専属契約が終了。ヨンヒは5月11日に兵役の義務を果たすため入隊する予定で、スンフンは自身のInstagramを通じて音楽活動から離れ、新たな人生を歩むことを報告しました。またALPHA DRIVE ONEのゴヌは、デビュー前の不適切な発言に関して反省の時間を持つため、4月8日から活動を休止しています。
SUPER JUNIORの同い年コンビ・イトゥクとヒチョルは、新ユニット「SUPER JUNIOR-83z」を結成。7月にユニットデビューを飾り、ファンコンサートツアーを開催予定です。BLACKPINKのジェニーは、米「TIME」紙が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に、K-POPアーティストの中で唯一選出されました。またRESCENEのメインボーカル・ミナミがYouTubeでアップした“ギャルライブ”動画が100万再生を超え、絶妙な選曲やギャルムード全開で歌う平成メドレーが話題を集めています。
【2026年4月】音楽番組、最近どう?
4月に放送された韓国の主要音楽番組で、1位を獲得した楽曲をご紹介します。BTSは今月放送された全22回のうち、実にその半数にあたる11回で1位を獲得し、彼らの直系の後輩であるTOMORROW X TOGETHERは、22日週の全番組で1位を独占するグランドスラムを達成。さらにこの2組の後輩にあたるCORTISは30日に「M COUNTDOWN」でトロフィーを手にしました。
BIGHIT勢がランキングを席巻する中、KickFlip、KISS OF LIFE、&TEAMといった“第5世代”たちも健闘。また10日には、Red Velvetアイリーンのソロ曲「Biggest Fan」が、BTSとの争いの末に首位の座を射止めてファンを沸かせました。
SHOW CHAMPION
4/1 BTS「SWIM」
4/8 BTS「SWIM」
4/15 KickFlip「Eye-Poppin’」
4/22 TOMORROW X TOGETHER「Stick With You」
4/29 &TEAM「We On Fire」
M COUNTDOWN
4/2 BTS「SWIM」
4/9 BTS「SWIM」
4/16 KISS OF LIFE「Who is she」
4/23 TOMORROW X TOGETHER「Stick With You」
4/30 CORTIS「REDRED」
Music Bank
4/3 BTS「SWIM」
4/10 IRENE(Red Velvet)「Biggest Fan」
4/17 KickFlip「Eye-Poppin’」
4/24 TOMORROW X TOGETHER「Stick With You」
Show! Music Core
4/4 BTS「SWIM」
4/11 BTS「SWIM」
4/18 BTS「SWIM」
4/25 TOMORROW X TOGETHER「Stick With You」
INKIGAYO
4/5 BTS「SWIM」
4/12 BTS「SWIM」
4/19 BTS「SWIM」
4/26 TOMORROW X TOGETHER「Stick With You」
今月のひとりごと
ライター 岸野
BTS、TWICE、MONSTA Xと、第3世代のライブを連続で浴びた4月。10年以上積み重ねてきたからこそ出せる輝きと貫禄に魅了されました。
編集 獅々堀
イ・マークさんのNCT離脱は衝撃でした。今後の動向が気になります。


