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音楽ナタリー編集部が振り返る、2025年のライブ

音楽ナタリー編集部が振り返る、2025年のライブ
12分前2025年12月29日 9:01

語り継がれるような名演が各地で繰り広げられ、たくさんのオーディエンスがライブに熱狂した2025年。本稿では、この1年のさまざまなライブの中から音楽ナタリーの編集部員たちが“個人的に印象に残ったもの”を各々3本ずつ挙げ、その思い出を振り返る。

いつか、本当のアンコールを

文 / 丸澤嘉明

印象に残っているライブ3本

石崎ひゅーいの実力はこんなもんじゃない。

ずっとそう思っている。確かに、10年以上にわたってメジャーのフィールドでコンスタントに作品を発表し、ドラマや映画のタイアップ曲も多数ある。実績を見れば第一線で活躍していると言っていいでしょう。それでも、菅田将暉さんの代表曲になった「さよならエレジー」や映画「STAND BY ME ドラえもん2」の主題歌「虹」といったヒット曲を生み出すソングライティング力、あいみょんさんやアイナ・ジ・エンドさんらアーティスト仲間も絶賛する歌唱力、そしてライブでの唯一無二の表現力を考えると、「もっと売れるべき」と思わずにはいられません。

7月にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われたライブは、ひゅーいさんが次のステージに向かおうとしているのを強く感じさせるものでした。ライブハウスを主戦場にしてきた彼が初めてホールワンマンを開催したのは2024年5月のこと。その年の暮れのインタビューで、彼はこんなふうに語っています。

「初期は『僕がこの物語の主人公だ』という意識で歌っていました。だけど最近は逆にしようと思っていて。『あなたがこの物語の主人公です』というふうに人にステージを与えられるような立ち位置から歌うことは、自分にとってかなり挑戦なんです」

LINE CUBE SHIBUYA公演でひゅーいさんは、その言葉を真正面から体現していました。まだ不慣れであるはずのホール会場の雰囲気に飲まれることなく、むしろ場をコントロールしながら観客1人ひとりを照らすようなライブだったと思います。終演後にその感想を本人に伝えると、「いやあ、まだまだです。難しい」と謙遜していましたが、その表情からは確かな手応えと、さらに上を目指す意思を感じました。実際、ライブ中に彼は「もっとすごいところにみんなを連れていきたい」と力強く宣言していたのだから。

石崎ひゅーいはアンコールをやらない。

そのことについて以前尋ねたことがあります。その答えは、本当に求められているというより、アンコールが予定調和になっていることへの違和感でした。もちろん、LINE CUBE SHIBUYAでもアンコールはなし。しかしいつか、もっとすごいところ──例えば日本武道館を埋める日が来たとき、万雷の拍手とアンコールに包まれてひゅーいさんが再びステージに現れる。そんな瞬間を想像するだけで、今から胸が高鳴ります。

想像を超えた景色

文 / 中川麻梨花

印象に残っているライブ3本

「今日の景色は想像してたその日よりも、とっても素敵なものでした」

神奈川・山下ふ頭で行われたアニバーサリーライブの最後に、大森元貴は会場を見渡しながらそう言った。本人の想像を超えることもあるのか──ハッとして、胸が熱くなったことを覚えている。

“想像してたその日”とは、幼い頃からステージマンとして大きなステージでキラキラと演奏する景色を想像し、夢を膨らませていたという大森元貴の、頭の中に広がっていた未来である。結成当初から「NHK紅白歌合戦」出場を目標に掲げていた通り、Mrs. GREEN APPLEは国民的アーティストになることを前提に結成されたバンドだ。彼らは今年デビュー10周年を迎えたわけだが、この10年間を振り返ると、ライブハウス、ホール、アリーナ、ドームと規模が大きくなっていくライブの光景も、その年を代表するアーティストの象徴である「日本レコード大賞」の受賞も、目標にしていた「紅白歌合戦」出場も、街のあらゆるところでミセスの音楽が流れている風景も、大森の壮大なロードマップに描かれたものが1つひとつ現実になっていくのを見ているような感覚があった。例えば結成5周年を迎えて幕張メッセ国際展示場のステージに立ったとき、大森は「5年でこんなに素敵な光景が見れると思っていませんでした……と言ったら、嘘になりますけど」と笑いながらも話していたが、こちらも「それはそうですよね」とごく当たり前に同じように思ってしまう。Mrs. GREEN APPLEは“想像”を繰り返し、それをずっと叶え続けてきたバンドだ。

では「想像してたその日よりも、とっても素敵なもの」というのはどういう光景だったのだろうか。山下ふ頭に2日間で約10万人の人々が集まった、あの壮観な景色そのものだったのかというと、きっとそれは厳密には少し違う。彼の心を震わせたのは、おそらく人の数や会場の規模ではない。あの場に集まった1人ひとりがMrs. GREEN APPLEの音楽に感情を動かし、笑ったり泣いたり、救われたりしている光景が、かつて大森少年が描いてきた景色を超越していたのだろう。

2022年3月から続いてきたMrs. GREEN APPLEの“フェーズ2”は、今年12月31日をもって完結。2026年1月1日にいよいよ“フェーズ3”が開幕する。彼らはどのような地図を描いているのだろうか。ここから先に広がるのは、きっと想像以上の景色ばかりだ。

Perfumeも僕たちも、これからも大丈夫

文 / 橋本尚平

印象に残っているライブ3本

2月26日という、Perfumeにとって“特別な意味を持ってしまった”日に開催が発表された時点で、この振り返り企画で書くライブはこれ以外にないと確信していました。けれど、まさかあんな気持ちで当日を迎えるとは。それはきっと、あのドームに集まったほとんどの人が同じだったはずです。公演前日に発表されたコールドスリープ。その瞬間まで、これから先も当たり前に続いていく未来を疑っていませんでした。

これまで休みなく走り続けてきた3人なので、ここでひと段落することは大賛成。もう気が済むまで休んでほしい。とはいえ自分は、ライティング未経験の“いちPerfumeファン”としてこの編集部に入って以来、ずっとPerfumeを追うことを仕事にもしていたので、ライフワークが急に終わりを告げたような感覚、少なからずの喪失感があったことは否めません。

だけど東京ドーム公演は、そんな複雑な気持ちが吹き飛ぶほど、ただただ圧倒的でした。これまで何度も更新してきた最高のステージをスルッと上回っていました。東京ドームという巨大空間をここまで自在に使いこなしたアーティストを自分はほかに見たことがありません。オープニングからエンディングまで、一瞬たりとも目が離せない濃密な展開。「これがPerfumeの完成形」と断言できるステージを目の当たりにして心が震えました。

一方で、これまでの歴史や過去の演出が随所に引用された、かなりハイコンテクストな内容でもありました。だから今日初めてライブを観た人にも伝わるように、長年追い続けてきたからこそわかる文脈、ちりばめられた意図を説明し、この場で起こっているすべてを記録しなければいけない。それが自分に課せられた使命。そう思って、自分の18年をすべてぶつけるつもりでレポートを執筆しました。

今まで、どんなに人気者になってもどこか不安そうに「見捨てんでね」「また会える日を願ってる」と観客に呼びかけていた3人。それが今は、自信に満ちた表情で「必ず帰ってくる」と言い切って休むことができる。これは僕らファンに対する信頼の証だと思います。そう思えば、悲しんでいる場合ではありません。キキモが最後に3人へ贈った言葉を借りるなら、僕たちファンも「これからも大丈夫」。とりあえず、3人が帰ってきたら聞きたいことが山ほどあります。そのときのインタビューの準備は、もう今から始めておくつもりです。

“モリタカ”は今も変わらず全盛期

文 / 川島由貴江

印象に残っているライブ3本

チケットの神様に見放され続け、約2年ぶりに観ることができた森高千里さんのステージが、2025年のベストライブでした。やっと取れたチケットは愛知・名古屋公演。超が付くほど出不精な私にとって遠征は腰が重かったのですが、「こんな機会はめったにない」と奮起し、新幹線に揺られて名古屋へ向かいました。ものすごい熱量の歓声に包まれながら幕を開けた森高さんのライブ。個人的に一番好きな楽曲がまさかの1曲目で、そのイントロが耳に飛び込んできた瞬間「来てよかった」と半泣きで天を仰ぎました。森高さんのライブの魅力を挙げ始めたらきりがありませんが……尖りまくった自作曲と、はっぴいえんど、カーネーション、Santanaのカバーを、違和感なく1本のライブに落とし込んで成立させてしまう手腕というか、その特異性は森高さんならではだと思います。結婚、子育てと、彼女の歌手キャリアには15年ほどのブランクがあるわけですが、2025年の森高さんはそれを一切感じさせないくらい仕上がりまくってました。当方27歳。絶大な人気を博し、ステージで一心不乱に踊りまくっていた時代の森高さんをリアルタイムで追えた世代ではありませんが、それでも“モリタカ”は今も全盛期なのだと強く感じました。

また、2023年6月のグループ始動以来、初めてメンバーの卒業を迎えた僕が見たかった青空のライブも大きなハイライトでした。グループの性質ゆえに、いろんな重圧を背負いながら歩んできた彼女たちですが、2025年の僕青はそれらを振り払うかのような気概を見せてくれました。世間が「見つけてしまった……!」状態になる未来もそう遠くないはず。そして、かれこれ6年ぶりに生で観たサザンオールスターズのライブも素晴らしかったのですが、思い入れが強すぎてうまく言語化できないので割愛……。

そのほか、再始動した新生Linkin Parkによるひさびさの来日公演や、12年ぶりの復活を果たしたthe cabsのツアー、多くのファンに惜しまれつつ乃木坂46としての活動に幕を下ろした久保史緒里さんの卒業コンサート、RADWIMPSとBUMP OF CHICKENの対バンなど、さまざまなシーンの歴史的瞬間に立ち会えたのは幸運でした。

「攻め続けろ」

文 / 田中和宏

印象に残っているライブ3本

ピーナッツくんがリアルタイムで届けるバーチャルライブ「PQ」に衝撃を受けた。アニメキャラ、Vtuber、ラッパーである5歳の豆・ピーナッツくんが、子供部屋を飛び出して幻想的なバーチャル空間を旅する。ゲストの漢 a.k.a. GAMI、轟はじめ、Daoko、幾田りら、PUNPEEたちも3DCGキャラクターとして登場した。

ピーナッツくんによるDaokoへの“うざ絡み”シーンや、死後の世界でぽんぽこが「生きても死んでも変わらんよ」と語る水中シーンなど、映画やミュージカル、即興劇のような雰囲気がありつつ、死生観をはらむストーリーが、映像美やユーモアと見事に共存していた。幾田りらとの「TIME TO LUV」では、生死や時間を超越した5次元的空間が広がり、惹き込まれた。Vtuberシーンの転換期を「PQ」で示したピーナッツくんは、これからも攻め続けるだろう。

2025年は90本以上のライブを観た。まず1月にあったのは、第3期BiSの解散ライブ。始動から解散までの約5年半、取材し続けてきたグループの解散は残念だったが、仕方のないことだったとも受け止めている。この1年で所属事務所のWACK自体が大きな転換期に入り、2026年は既存グループの解散ラッシュになりそうだ。また初期BiSの発起人でもあるプープーランドのプー・ルイ社長は先日PIGGSを辞め、新グループ始動に向けて動いている。行動あるのみだ。

そして12月、まさか間近でHi-STANDARDを観られる日が来るとは思わなかった。ライブ取材に入れたのは、PIZZA OF DEATHのスタッフのおかげだ。彼は大きな愛と情熱をアーティストに注ぐ一方で、“メディアの大切さ”についても理解を示してくれている。憧れの存在を取材するのは正直プレッシャーのかかることでもあるが、ライブを観ながら、熱量と愛情をもって仕事ができる喜びを噛み締める瞬間もあった。

残せてよかったベスト3

文 / 鈴木身和

印象に残っているライブ3本

あまり大きな声では言えませんが、私はライブレポートが苦手です。
書くのはもちろん、読むのもさほど好きではありません。
理由はライブが好きだからです。
ライブのあの高揚感は体験しないと1mmも伝わらないと思うからです。
それに音楽を文章で表現するって、そもそも神業じゃないですか。
「ソリッドかつウェットなテクスチャーが、楽曲のダイナミクスレンジをマキシマイズする」とか書いてみたいですが、バイエル下巻でピアノを挫折した私にはとても無理です。
だからついMC部分を多めに書いて怒られたりします。
申し訳ない気持ちです。

でも、そんなアンチレポート派の私でも「残せてよかった」と思うライブレポートが少しだけあったので、ここで紹介します。

1つ目はMONO NO AWAREの「八八音楽祭」。
私は2日目の後夜祭のレポートを書きました。
台風被害の影響でギリギリまで開催が危ぶまれた八丈島ライブでしたが、事前の復興支援募金の呼びかけやチャリティTシャツの販売など、メンバーの懸命な働きかけや島民の皆さんの協力があって無事に行うことができた、実行そのものにとても大きな意味がある公演でした。そしてこの公演を記録に残すことがとても大事だと思えました。
この日、玉置周啓さんがステージで放った真摯な言葉を残すことができた。
だからよかった。

2つ目は蓮沼執太&ユザーンの初香港公演です。
当初は観光目的で足を運びましたが、現場で急遽レポートすることに。
当然レポート用のカメラを持っていないうえ、スマートフォンでの撮影もうまくいかず、困り果てていたところ、観覧席に一眼レフカメラで撮影する奇跡的なおじ様を見つけました。
蓮沼さんの通訳でなんとか写真を譲ってもらうことに成功し、後日無事にレポートを掲載することができたというわけです。
ほぼ初めての海外旅行先で巻き起こった冒険譚的な意味合いも含めて、思い入れの強いレポートになりました。

3つ目は舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」のゲネプロ。
音楽ナタリーとしてはレアケースですが、お芝居のゲネプロレポートです。
この公演には坂本美雨さんが出演、そして蓮沼執太さんが音楽を担当し、ステージ上でも楽隊として生演奏をするということで取材しました。
舞台写真は自分で撮影しなければならず、私はスポットライトを浴びる俳優の方々の奥に配された楽隊にレンズの焦点を当て、筋肉痛を覚悟しながらシャッターを切り続けました。
その成果もあって、これほど楽隊を写真に収めたレポートは音楽ナタリーだけだったのではないでしょうか。
当然ながらレポート記事において写真の役割はとても重要です。
音楽ナタリーとしての特色を写真で発揮できたという観点から残せてよかった1本です。

真冬の名古屋城に響いた切なる思い

文 / 清本千尋

印象に残っているライブ3本

「アイドルにとっての幸せは、CDが売れること、曲がバズること、テレビにたくさん出れること……いろんな形があると思うんですけど、私は最後に見届けてもらえることがとってもうれしいです」

2025年12月13日に解散したアイドルグループ・TEAM SHACHIのセンター秋本帆華が残した言葉だ。アイドルとファンの幸せな関係は、夢が叶うまで並走し、そしてその瞬間をともにすることだと考える人が多いと思う。しかしTEAM SHACHIは改名後、日本武道館公演を目標に約7年間駆け抜けてきたが、それを叶える前に解散という道を選ぶこととなった。この事実にファンは少なからず罪悪感を抱きながら、ラストライブの日を迎えたはずだ。そんな気持ちを晴らしてくれたのが秋本による涙ながらのあのMCだった。ファンが最後まで一緒に並走してくれたことが、きっと彼女たちの未来の糧になっている。アンコールを終えた4人の晴れ晴れとした表情がそれを物語っていた。

Perfumeのコールドスリープ宣言直後の東京ドーム公演は「3歳以下のお子様は膝上鑑賞の場合チケット不要」の注意書きを見て2歳の娘を連れて行くことを決断した。正直に言うと私は冒頭からずっと涙していたが、「P.T.A.コーナー」で唯一知っている「はみがきじょうずかな」が始まると一緒に歌い、あ~ちゃんのまねをしてせっせと栗拾いをしている娘の姿に大いに励まされた。ライブ以降、娘はテレビ番組でPerfumeを見かけるたびに「かぼちゃ、かぼちゃ、すすき、すすき、栗拾い」と歌っている。またPerfumeと娘と一緒に栗拾いができる日を楽しみに待ちたい。

MONO NO AWAREの八丈島公演も素晴らしかった。八丈出身の玉置周啓と加藤成順にとって凱旋ライブとなるこの公演には地元の人々も多く集い、自分の故郷ではないのになぜか地元に帰ってきて夏祭りに参加したような感覚になった。彼らの音楽にしかないあの空気感は、八丈の気候、人、食べ物、風……すべてのものから影響を受けていることを実感するステージだった。本土に戻ってきてからもずっと彼らのアルバムを聴いているし、早くまた島に“帰りたい”とすら思っている。

「今日はいっぱい曲をやるんで」。冒頭のMCで曽我部さんは確かにそう言った

文 / 望月哲

印象に残っているライブ3本

■サニーデイ・サービス

「今日はいっぱい曲をやるんで」。冒頭のMCで曽我部さんは確かにそう言った。確かにそう言ったのだが、さすがにここまでとは思わなかった。計46曲、3時間半。アルバム「若者たち」のリリース30周年ということもあり、同作収録の初期曲はもちろん、「青春狂騒曲」「サマー・ソルジャー」「春の風」といったライブでおなじみの楽曲、そして「湖畔の嵐」や「あの花と太陽と」などオリジナルアルバム未収録のシングルカップリング曲まで、バンドのすべてを全身全霊で出し尽くすような壮絶すぎるパフォーマンスにクラクラした。最後の最後にやった「セツナ」のパフォーマンスはいつも以上にエネルギッシュで、汗まみれになりながら、もはや泣いているのか笑っているのかわからないような“イイ顔”で、爆音でギターソロを演奏し続ける曽我部さんの姿に激しく心を揺さぶられた。終演後、疲労困憊なんだけど、妙にすがすがしい気持ちでリキッドルームの階段を上がり出口に向かう。会場を出た瞬間、12月の冷たい空気がパーンと頬を打つ。1年の厄が吹き飛んだような心持ち。そのままツレと恵比寿横丁へ。そこで飲んだ生ビールの1杯目の旨さといったら! 2025年の年末に、忘れられないすごいライブを観た。

■Juice=Juice

実力派ぞろいのハロプロ勢にあってライブ力の高さで定評があるJuice=Juice。「盛れ!ミ・アモーレ」のバズという追い風を受けて、この日の武道館公演もこれまで以上の期待と熱気に満ちあふれていた。「今のJ=Jだったら、すごいライブを見せてくれるはず」。そんな観客サイドの高いハードルをパワフルかつ華麗なフォームで軽々飛び越えていくような、彼女たちの圧倒的なパフォーマンスに始終魅せられっぱなしだった。新メンバーの林仁愛さんが時東ぁみ直系のオールドスクールなメガネっ子アイドルの装いでありながら、歌とダンスがキレッキレなところも個人的にめっちゃツボ。

■井上園子

ずっと気になっていたシンガーソングライター・井上園子さんのライブをこの日のイベントで、ようやく生で観ることができた。カントリーやブルーグラスの影響を受けたという、アコースティックギターのフィンガーピッキング奏法に乗せて、日常の悲喜こもごもを誰の真似でもない自分自身の言葉で凛々しく歌う彼女の姿にすっかりヤラれてしまった。マイティマウンテンズとの対バンで観たバンドセットでのライブもめちゃくちゃよかった。昨年リリースされた1stアルバム「ほころび」は今年一番聴いた作品かもしれない。彼女の影響でここ最近はThe Dillardsをよく聴いている。

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