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RIP SLYMEが5人で刻んだ25年の集大成、布袋寅泰やVERBALも登場した活動休止前ラストライブ

ライブを終えてステージから退場するRIP SLYME。(撮影:砂流恵介)
23分前2026年03月23日 11:01

RIP SLYMEが3月20日からメジャーデビュー25周年記念日の3月22日まで、3日間にわたって東京・TOYOTA ARENA TOKYOにてワンマンライブ「RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE - Final Three Nights -」を開催した。本稿では最終日となった22日の模様をレポートする。

注目の1曲目は……

2025年4月にオリジナルメンバー5人で期間限定での活動再開を発表し、そこから1年間を全力で駆け抜けてきたRIP SLYME。この日は彼らにとって節目の記念日であると同時に、再び5人がそろう機会がしばらく途絶えることを意味する特別な一夜でもあるため、その場に立ち会うべく会場には日本中からファンが集結した。なお、チケットの応募総数は11万件を超え、当選倍率は約5.5倍とプレミア化。公演の模様は各プラットフォームで生配信されたほか、CS日テレプラスでの生中継、映画館でのライブビューイングも行われ、数多くのリスナーが5人のステージを見守った。

ライブ前、来場者たちの期待を煽るように、スクリーンには開演時間の18:00へ向けてカウントダウンをするタイマーが大きく映し出されていた。このとき会場内でBGMとして流れていたのは、A Tribe Called Questなどの懐かしのヒップホップ。のちのMCでRYO-Zが明かしたところによると、これはDJのFUMIYAが18歳の頃に制作したミックステープだったという。

スクリーンのタイマーがゼロになった瞬間、オープニングムービーが流れて5人がステージに登場。5人体制での再集結後初のシングルとなった「どON」でライブの幕が開けると、満員の客席は早くも興奮に包まれた。ステージには横に5枚並んだ縦長のLEDモニターが配置され、メンバー1人ひとりが大写しになって常に全員の姿が視界に入るため、巨大なアリーナ席でもメンバーとの距離の近さを感じさせる。

1人目のゲストとしてchayが登場

ちょうど25年前のこの日に発売されたメジャーデビュー曲「STEPPER'S DELIGHT」では、アリーナをぐるっと1周する帯状のLEDに、メンバーを模した赤塚不二夫「天才バカボン」風のキャラクターが駆け回るという、この会場ならではの映像演出も。続く「雑念エンタテインメント」ではコール&レスポンスで会場が一体に。ミラーボールの映像を背に、色とりどりのレーザーが飛び交う中、「GALAXY」では5人がそろいのステップを踏む。

「懐かしすぎて知らない人もいるかも知れないけど、こういう曲がかかったときは“知ったふりしろ”」というRYO-Zの言葉を受けて始まったのは「チェッカー・フラッグ」。この曲がライブで披露されるのはひさびさであり、まさかの選曲に客席が沸く。続いてPESが「今日でしょ! 今夜こそが一番熱い夜になるはずですよね!」と煽り、「熱帯夜」へなだれ込む。客席からのコールも一段と大きくなり、会場の温度は急上昇。序盤から惜しみなくヒット曲を畳み掛けながら、RIP SLYMEらしい極上のエンタテインメントショーが展開されていく。

「JUMP with chay」では、1人目のゲストとしてchayが登場し、メンバーと一緒に踊りながらソウルフルに熱唱。彼女たちに煽られて、会場中のオーディエンスが我を忘れるように全力でジャンプを繰り返した。この日をもって再び活動休止期間に入るRIP SLYMEだが、RYO-Zは「『もうちょっとやってくださいよ』とか『嫌だ、悲しい』みたいなしんみりしたのは我々に似合いませんので、最後の最後までド派手なパーティで行きたいんです」と力強く宣言。その言葉の通り、ステージには一切の湿っぽさがなく、徹底して楽しさが貫かれていた。

在日ファンクとの共演に会場が沸く

ヒップホップの原点を振り返るように、FUMIYAの刻むアナログレコードのスクラッチのみをバックに「By the way」を披露したあとで、彼らは「ミニッツ・メイド」「気の置けない二人」「SPASSO」といった、ライブではひさびさとなる隠れた名曲を連発。2組目のゲストとして在日ファンクを呼び込み「Vibeman feat. 在日ファンク」がスタートすると、ゴージャスなブラス隊のサウンドとFUMIYAのスクラッチが交差し、熱くファンキーにシャウトする浜野謙太のキレキレのダンスに会場が沸く。

ライブ中盤には「STAIRS」を皮切りに、しっとりとした切ないナンバーを連投。「黄昏サラウンド」では当時のミュージックビデオがメンバーの背後に映し出され、まるで22年前の自分たちとコラボレーションしているかのように、過去と現在が交差する。さらに彼らは星空のような光の下で「ONE」を歌唱。観客の大合唱が会場中に響き渡り、感動的な光景が広がった。

VERBALとのコラボでお祭り騒ぎに

ここでRYO-Zは、5人での再集結からこの日までの道のりを振り返り、メンバーそれぞれがこの1年の印象的だった出来事を回想。SUが一番印象深かった出来事として「恩人とも言えるDragon Ashとの対バン」を挙げると、RYO-Zも深くうなずき、かつての彼らのフックアップが自分たちのメジャーデビューにつながったことへ改めて感謝を口にした。ILMARIが「一番というのは難しいけど、この1年の全部が本当によかったです」と語って温かい拍手が湧くが、FUMIYAがすかさずその発言をサンプリング。「よかったです」という声で即興ビートを作ってみせ、観客を笑わせるひと幕もあった。

RYO-Zの「ここから終わりまで止まりません。ものすごいパーティになりますけど、大丈夫ですか? 最後までついてこれますか?」という予告を合図に、ライブは怒涛の後半戦へ。女性サンバダンサーに囲まれながら、床からリフトアップして登場したVERBAL(m-flo)が「皆さんパーティする準備はできてますか?」と叫び、「パーリーピーポー(Hosted by VERBAL)」がスタート。盟友同士のコラボで、文字通りのお祭り騒ぎを繰り広げた。

「BLUE BE-BOP」ではPESに促されてオーディエンスが大合唱。「Watch out!」「Wacha Wacha」で盛り上がりが加速し、さらに「Good Day(adidas Originals remix by DJ FUMIYA)」「Good Times」と四つ打ちのフロアバンガーの連発で、天井知らずに熱狂が高まっていく。そして代表曲「楽園ベイベー」へ。メンバーのラップにオーディエンスも声を重ね、アリーナに一体感が生まれた。「JOINT」では満員の観客が一斉に頭上でタオルを振り回し、壮観な光景に。SUの「STOP!」で曲が止まるくだりで、彼は言葉を詰まらせるようにしばらく黙ったのち、「25年間ありがとうございました」と静かにひと言だけ語った。

布袋寅泰の登場に、この日一番の大歓声が

そして「FUNKASTIC」のイントロが鳴り響く、と思いきや、RYO-Zが「今日は普通のファンカじゃねえ!」と言い放ち、ギターを構え右腕を突き上げた布袋寅泰が床からリフトアップして登場。予想外のゲストの登場に、地鳴りのようなこの日一番の大歓声が轟く中、「FUNKASTIC」と布袋の「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」をマッシュアップした「FUNKASTIC BATTLE」がスタートした。天を突くように爆音で鳴り響く布袋のギターに対抗するように、4人のラップもどこかラウドに弾ける。その強烈なぶつかり合いが終わると、布袋は何も言わず颯爽と退場。信じられないものを目撃したとばかりに呆気にとられる観客を前に、メンバーも口々に「ヤバ」と漏らしていた。そして彼らは本編のラストに、力強く前へと踏みしめるように「Dandelion」を歌い、アリーナをポジティブな空気で満たしてステージを後にした。

アンコールで再びステージに登場したRIP SLYMEの5人。「最高でした」「楽しかった」と語り合う中で、FUMIYAが、「JUMP with chay」で今までで一番のジャンプをしようと張り切った結果、ふくらはぎがつってしまったことを告白し、会場は笑いに包まれた。ハイスピードに畳みかける「Super Shooter」で再び会場はヒートアップ。FUMIYAもブースを離れてマイクを持ち、5人で一緒に縦一列になってダンスしたり、手をつないで円になって回ったりと、まるで無邪気に遊ぶかのような仲よさげなパフォーマンスが繰り広げられた。そしてビッグバンド風の「Wonderful」で客席に金テープが放たれ、エンタテインメントショーのエンディングにふさわしい華やかなフィナーレに。横一列になった5人はそろいのステップを踏み、手を振りながら床下へと沈んでいった。

エンドロールに仕掛けられたサプライズ

それでも鳴り止まないダブルアンコールの声に応え、5人はメジャーデビュー時の衣装だった懐かしのオレンジのつなぎ姿で再々登場。しばしの別れを経て再会することを誓うように「マタ逢ウ日マデ」を力強く届けた。曲が終わると、5人全員が互いを称え合うように熱いハグを交わし、「運命共同体」のオーケストラバージョンがBGMとして流れる中、ステージの右端、左端、そして中央で観客に向かって深く一礼。RYO-Zが「お互い元気だったらまたどこかで! RIP SLYMEでした!」という清々しい挨拶をして、惜しみない拍手を浴びながら、5人は再び床下へと姿を消した。

メンバーが去った後のスクリーンには、「Hey,Brother」をBGMに、活動再開後の1年間の記録映像と当日のセットリストが映画のエンドロールのように流れていく。最後に出演キャストのクレジットとしてメンバーの写真と名前が映し出されたが、そこにもちょっとしたサプライズがあった。昨年のツアーからライブ後に流されていたこのエンドロールでは、これまでSUの名前に「(友情出演)」と添えられていたが、最終日となったこの日は「SU」とだけ記されていたのだ。そしてこのエンドロールの最後に書かれた「ADIOS!」「25年間ありがとうございました。」という感謝のメッセージをもって、再集結を果たしたRIP SLYMEの濃厚な1年間は美しく幕を下ろした。

なお、この3日間のライブには各日異なるサプライズゲストが出演しており、20日はスチャダラパー、SPECIAL OTHERS、WISE、おかもとえみ、CHOZEN LEE、21日はYO-KING、MONGOL800、SAMI-TがRIP SLYMEのデビュー25周年のお祝いに駆けつけた。

セットリスト

「RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE - Final Three Nights -」2026年3月22日 TOYOTA ARENA TOKYO

01. どON
02. STEPPER'S DELIGHT
03. 雑念エンタテインメント
04. GALAXY
05. チェッカー・フラッグ
06. 熱帯夜
07. JUMP with chay
08. By The Way
09. ミニッツ・メイド
10. 気の置けない二人
11. SLY
12. SPASSO
13. Bubble Trouble
14. Vibeman feat. 在日ファンク
15. STAIRS
16. 黄昏サラウンド
17. One
18. パーリーピーポー(Hosted by VERBAL)
19. BLUE BE-BOP
20. Watch out!
21. Wacha Wacha
22. Good Day adidas Originals remix by DJ FUMIYA
23. Good Times
24. 楽園ベイベー
25. JOINT
26. FUNKASTIC BATTLE ~RIP SLYME vs HOTEI~
27. Dandelion
<アンコール>
28. Super Shooter
29. Wonderful
<ダブルアンコール>
30. マタ逢ウ日マデ

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