私立恵比寿中学による夏の野外ライブ「FAMIEN2026」が、山梨・山中湖交流プラザきららにて8月8日と9日の2日間にわたって開催された。「FAMIEN」は「エビ中 夏のファミリー遠足 略してファミえん」という名称のもと2013年にスタートした、えびちゅう夏の恒例企画。コロナ禍の2020年、2021年はやむなく中止となったが、14年続く伝統行事としてえびちゅうファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)の間でも特に人気の高い一大イベントだ。この記事では1日目「EMO中!」の模様をレポートする。
好天の山中湖に上がる水しぶき
「FAMIEN2026」開催1週間前には台風直撃の懸念もあった山中湖。もともと山の天気は変わりやすく、天候に左右される野外ライブならではの心配は「FAMIEN」に付きものだが、今年は例年になく好天に恵まれ、会場周辺には真っ青な空が広がった。隣接するフードコートエリア「パクパクうーたん村」では今年初の試みとして、レッドブル協賛によるDJカーが設置され、午前中からYackle、BAOBAB MC(JABBA DA FOOTBALL CLUB)、PARKGOLF、RAM RIDER、SUSHIBOYS、DJ To-i(DISH//)といったゲストたち、さらにはえびちゅうメンバー安本彩花もDJ YASUMOTOとして登場し、のどかなうーたん村はパーティ会場と化した。
好天のまま開演時刻の17時を迎え、いよいよライブがスタート。歴代の「ファミえん」「FAMIEN」を振り返るダイジェストムービーののち、メンバーはステージに登場するかと思いきや、軽トラックの荷台に乗り込み、「みんなー! こっちだよー!」と場内をぐるりと回って客席通路からステージの花道へと飛び込んでいく。そして1曲目「Bang Bang Beat」が始まると同時に「FAMIEN」名物・ウォーターキャノンによる豪快な水しぶきが上がり、天候とは無関係にずぶ濡れになる「FAMIEN」の洗礼が早くも浴びせられた。続く「イヤフォン・ライオット」でもウォーターキャノンは何度となく水しぶきを上げ、観客はもちろん、花道を歩くメンバーも豪雨のように降り注ぐ水を全身に浴びる。「ApaApa」「ちちんぷい」まで4曲を連続で披露したところで、メンバーは1人ずつ自己紹介。体調不良によりパフォーマンスを制限している中山莉子を除く7人はそれぞれ元気に挨拶し、真山りかは「令和8年8月8日の『FAMIEN』を盛り上げていくのは私立恵比寿中学です! EMO中、最後までエモーショナルに、そして富士山のように末広がりに、健康に盛り上がっていこうぜ!」と、雲のかかった富士山をバックに叫んだ。
新曲「スーパーブルー」初披露
間髪をいれず始まった「夏だぜジョニー」では、初のステッキを使ったパフォーマンスでファミリーに新鮮な驚きを与えた7人。「MISSION SURVIVOR」では客席のあちこちへと飛び出し、放水銃を手にメンバー自らファミリーに水を浴びせる。さらに「HOT UP!!!」「イート・ザ・大目玉」と「FAMIEN」に欠かせないアッパーチューンがこの序盤に畳みかけられ、ウォーターキャノンと放水銃による水責めでやけくそ気味のファミリーは、えびちゅうの容赦ない攻撃に大歓声で応えた。
夏の定番曲「ラブリースマイリーベイビー」が終わると場内には波の音が流れ、ステージには初期メンバー真山と安本のみ。2人は「Summer Glitter」を大人びたムードで歌い上げ、場内のムードを一変させる。真山と安本はゆっくり花道を進み、客席後方の軽トラックで待ち構えていたメンバーと合流。2台のトラックに分かれて乗り込むと、7人はここで新曲「スーパーブルー」を初披露した。「スーパーブルー」は3ピースガールズバンド・カネヨリマサルによる初の提供楽曲。8月26日の配信リリースに先駆けていち早く「FAMIEN」で披露されることとなった。
メインステージに戻ったえびちゅうは、炎の上がる中で「紅の詩」を歌い、改めて「朝のチャイムが鳴りました! 私たち、私立恵比寿中学、略してえびちゅうです!」と挨拶。桜木心菜、小久保柚乃、風見和香、桜井えま、仲村悠菜の“妹メン”5人は「次の準備があるので」とステージを離れ、ステージ上は再び真山と安本の2人のみに。「2人きりだね……」と思わせぶりな口調の真山は、エクステンションでロングヘアとなった安本の髪型に触れ、「18年くらい一緒に生きてきて、あやちゃんのポニーテール初めて見た」と明かす。幼少時は周りの友達よりも背が高かったという安本は、「ポニーテールにするとお母さんみたいな貫禄を感じる」という母の意見を受けて、この歳までポニーテールを封印していたという。
焚き火を囲む“EMO”な時間
姉メン2人が思い出話に花を咲かせていると、いつの間にかステージにはDJブースが。すると、ステージ袖からキックボードに乗って現れた桜木がブースに入り、おもむろにヘッドフォンを装着。「DJ COCONAでございまーす」「プチョヘンザ、プチョヘンザ、プチョヘンプチョヘンプチョヘンザ」「セクシー」とサンプラーを乱打し、突然のDJタイムへとなだれこむ。「BLUE DIZZINESS」「スターダストライト」「EBINOMICS」「参枚目のタフガキ」などのえびちゅうナンバーを矢継ぎ早につなぎ、「売れたいエモーション!」ではネコ耳を着けた小久保、風見、桜井、仲村が合流。“妹メン”5人でかわいらしいダンスを披露した。「ほぼブラジル」では真山と安本も加わり、サングラス姿でパフォーマンス。初期のユニット・くっつきブンブンの「いつかのメイドインジャピャ~ン」、そして“原点回帰”をテーマにヒャダインこと前山田健一が書き下ろした新曲「えびチリ、はじめました」とハイテンションな2曲が投下され、ウォーターキャノンやメンバーが操縦するガトリング放水銃で客席は再び水浸しとなった。
初日のテーマ「EMO中」が持つエモーショナルな要素は、宵闇迫る後半戦にその真価を発揮した。メインステージに火柱が上がる中「えびチリ、はじめました」が歌われている最中、センターステージにはいつの間にか焚き火が運び込まれており、7人はキャンプファイヤーのように焚き火を囲んで椅子に腰かけ、2013年の「ファミえん」初回からたびたび歌われてきた心温まるバラード「いい湯かな?」を歌う。さらに、えびちゅう屈指のエモーショナルなナンバー「感情電車」「愛のレンタル」へとつながれ、メンバーの伸びやかな歌声が山中湖畔に響き渡った。「暗くなってきたけど、まだまだ自由に騒げるよね?」という仲村の煽りから、ライブは「自由へ道連れ」を機にラストスパートへと突入。「23回目のサマーナイト」「YELL」とポップでキャッチーなナンバーが続き、すっかり暗くなった場内には色とりどりのペンライトの光が広がった。
夜空を彩る打ち上げ花火
アンコールでは中山も合流し、8人全員で「熟女になっても」を歌いながらステージへ。「仮契約のシンデレラ」では盛大な「りったん!」コールが届けられた。最後の1曲を残し、8人はここでさまざまな最新情報を続々と発表。仲村が今秋公開の映画「つりこまち」で初主演を務めること、この日初披露された新曲「スーパーブルー」がその主題歌に採用されたこと、12月に上演される舞台「けものフレンズ」にメンバー全員で出演すること、2027年2月6、7日に東京・東京ガーデンシアターでワンマンライブ「大学芸会2027 This is GR8」を開催することなどが一気にアナウンスされた。
2026年の「FAMIEN」初日を締めくくる1曲に選ばれたのは、2012年から歌い継がれる人気曲「フレ!フレ!サイリウム」だ。大サビでは「FAMIENの美しい光で 導け未来へ」と歌詞を変えた風見の歌に合わせて照明が落とされ、メンバーとファミリーの持つペンライトのみが場内を照らす中、束の間のブレイク。すると上空に盛大な花火が上がり、メンバーもファミリーとともに夜空を見上げた。中山は「みんな、ありがとうー!」と大きな声で叫び、8人は何発も打ち上がる花火をバックに最後の力を振り絞って熱唱した。
セットリスト
私立恵比寿中学「FAMIEN2026」DAY 1「EMO中」2026年8月8日 山中湖交流プラザきらら
01. Bang Bang Beat
02. イヤフォン・ライオット
03. ApaApa
04. ちちんぷい
05. 夏だぜジョニー
06. MISSION SURVIVOR
07. HOT UP!!!
08. イート・ザ・大目玉
09. ラブリースマイリーベイビー
10. Summer Glitter
11. スーパーブルー
12. 紅の詩
13. 売れたいエモーション! / まだ×2売れたいエモーション!
14. ほぼブラジル
15. いつかのメイドインジャピャ~ン
16. えびチリ、はじめました
17. いい湯かな?
18. 感情電車
19. 愛のレンタル
20. 自由へ道連れ
21. 23回目のサマーナイト
22. YELL
<アンコール>
23. 熟女になっても
24. 仮契約のシンデレラ
25. フレ!フレ!サイリウム


