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ゴダイゴやCorneliusが国技館で熱演、新フェス「Q」が終幕

「Q」東京・両国国技館公演で掲出されたのぼり旗。
6年以上前2019年04月20日 8:06

3月31日に兵庫・神戸ワールド記念ホール、4月14日に東京・両国国技館で、ライブイベント「Q」が催された。ここでは“東京場所”と銘打たれた両国国技館公演の様子を伝えていく。

「Q」は福岡の野外フェス「CIRCLE」の主催者である是澤泰志氏が、“CUE=素晴らしい音楽に触れる「きっかけ」に”“休=最高の休日に”をテーマに新たに立ち上げた室内ライブイベント。神戸、東京いずれの公演にもゴダイゴ、Cornelius、クラムボン、ハナレグミ、ペトロールズ、 never young beachの6組が出演し、個性の異なるアーティストたちがそれぞれの魅力をたっぷりと伝えるライブパフォーマンスを繰り広げた。ここでレポートする東京公演は、会場入り口に出演アーティストの名前を記したのぼり旗が掲げられたり、相撲観戦でおなじみの升席も開放されたりと、通常のライブイベントとは一風変わったロケーションが特長に。加えてイベント名にちなんで「きゅうりのキューちゃん」が協賛企業に加えられるなど、どことなくユルい雰囲気も魅力となっていた。会場には子供連れのグループ客も目立ち、来場者たちはそれぞれ主催者こだわりのフードや同会場名物のちゃんこ、やきとりなどに舌鼓を打ちながら、良質なライブパフォーマンスをゆったりと楽しんだ。

開場から1時間が経ち正午になると、サポートメンバーに山本幹宗(G)を迎えたnever young beachが「おはようございます」とステージに登場。彼らは満員のフロアに向けて、「どうでもいいけど」から抜けのいいロックナンバーを次々と繰り出していく。人気曲を軸に、3月に発表したばかりのアルバム「STORY」の表題曲や「Let’s do fun」「春らんまん」など新作からのナンバーも組み込んだセットリストを展開し、軽やかで厚みのあるバンドサウンドでイベントのスタートを華々しく盛り上げた。ステージチェンジ後のサウンドチェックが終わった頃に姿を現したペトロールズの3人は、リハ代わりとして「闖入者」のセッションを始めて注目を集めた。本編では技巧派3ピースバンドならではのアンサンブルの魅力と、彼ららしい色気が詰まったパフォーマンスを展開。終盤の「雨」の演奏時には長岡亮介(Vo, G)が泣きのギターソロを会場いっぱいに轟かせて、場内を劇的な雰囲気で満たしていった。3番手のクラムボンもペトロールズ同様に、公開リハとして人気曲「サラウンド」を演奏して観客を喜ばせた。ミト(B, G)が「リハーサルですけど」と話すも、場内は手拍子が響きわたるほどの大盛り上がりに。そのまま続けてスタートさせた本編でも、安定感のある演奏と原田郁子(Vo, Key)の弾けるような明るい歌声によって、場内にはみるみると“フェス感”が醸成されていく。3人は最後に「波よせて」「KANADE Dance」を観客と一緒に歌い上げて、一体感に満ちたひと時に幕を下ろした。

ゴダイゴは1曲目から大ヒット曲「THE BIRTH OF THE ODYSSEY~MONKEY MAGIC」を繰り出して、オーディエンスを引き付けていった。さらにタケカワユキヒデ(Vo)が「ヒット曲じゃない曲も聴いていただきたいんですけど、いいですか?」と話して1970年代リリースの楽曲の数々を届けたブロックを経て、終盤は大ヒット曲のオンパレードに。「Holy and Bright」「ガンダーラ」「ビューティフル・ネーム」を続け、さらに最後は「THE GALAXY EXPRESS 999」で締める大盤振る舞いで、国民的バンドならではの圧倒的な存在感を見せつけた。ハナレグミは伊藤大地(Dr / グッドラックヘイワ、サンフジンズほか)、伊賀航(B)、YOSSY(Key / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、石井マサユキ(G / TICA)を迎えた編成で、ORIGINAL LOVEの「接吻 kiss」のカバーなどを次々プレイしていく。「明日天気になれ」では、永積崇(Vo, G)が「今日はフェスですから」と前置きし、クラムボンの原田をステージに呼び込みコラボを実施。さらに最後は「家族の風景」「ハンキーパンキー」を観客と一緒に大合唱して、サービス精神いっぱいのパフォーマンスを終えた。

Corneliusは小山田圭吾(Vo, G)、堀江博久(Key, G / Neil and Iraiza)、あらきゆうこ(Dr / MI-GU、SMORGAS)、大野由美子(B, Key / Buffalo Daughter)というメンバーで登場。彼らのパフォーマンスは、ステージ後方のスクリーンに投影される映像と生演奏をシンクロさせるおなじみのスタイルで進行されていった。大会場ならではの大スクリーンは見応えと迫力が十分で、オーディエンスはイントロダクションとしてプレイされた「MIC CHECK」から最後まで、一糸乱れぬ生演奏とビジュアルのエッジイな融合によってもたらされるCorneliusワールドを存分に味わっている様子だった。この日のCorneliusのセットリストは「FANTASMA」以降の作品で構成されており、「COUNT FIVE OR SIX」「I Hate Hate」などライブで見応えのある楽曲がバランスよく散りばめられたものに。ラストは「Fit Song」「Gum」のダイナミックな演奏で高められたオーディエンスの熱気を「あなたがいるなら」クールダウンさせて、イベントのエンディングをドラマチックに彩っていた。

撮影:Yumika Saiki、東美樹

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