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小山田圭吾&砂原良徳、ボックスセット発売記念イベントで「1979年のYMO」語る

砂原良徳、小山田圭吾
7分前2025年05月30日 11:05

4月30日に発売されたYellow Magic Orchestraのボックスセット「YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY」発売記念プレミアムトークイベントが5月24日に東京都内で開催された。5月5日に大阪・Joshin日本橋店7Fイベントホールで高野寛をゲストに迎えて行われたイベントに続いて実施されたもので、この日は同作品のブックレットの編集を担当したRITTOR BASEディレクター・國崎晋をMCに、小山田圭吾、砂原良徳の2人をトークゲストに迎えて行われた。

1979年のYMOがどれだけ非凡な存在だったか

会場はサラウンド音声にも対応した試写室だったこともあり、3人のトークに先駆けてボックスセットに収録されたBlu-rayより、グリークシアターでのライブ映像が上映された。今作の制作にあたり、映像は可能な限りオリジナルのマスター素材からレストア、音声も新たに5.1chミックスされたものとなっており、いずれも大型スクリーンとサウンドシステムでこそ体感したいレベルにまで大幅にクオリティアップ。若き日のYMOの圧倒的なパフォーマンスをビビッドに伝えるものとなっていた。

このイベントが行われた週には、くしくもYMOがシンボルとして大きくフィーチャーされた「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」が京都にて行われた。授賞式に先駆け5月20日に行われたYMOトリビュートコンサートには小山田がゲスト出演、また、授賞式のオープニングショーとなった「RYDEEN REBOOT」には砂原が参加するなど、同じ「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」で演奏者として2人それぞれにYMOの音楽に改めて触れる機会があったうえで迎えたこの日ということもあって、トークはその京都でのパフォーマンスの印象から始まった。砂原が使用したKORGのシンセサイザー、また小山田が演奏した「千のナイフ」におけるギタープレイの話をフックに今回のボックスセットにおけるメンバーそれぞれの演奏や当時使われたシンセ等の機材、さらにはGOH HOTODAによるリマスター / リミックスのサウンドについてなど、さまざまなエピソードが語られた。Cornelius、あるいはTESTSETなど、それぞれ自身のプロジェクトで活動する現役のミュージシャンであるのと並行して、これまでYMOそのものやメンバーのプロジェクト、あるいはYMOのリイシューにも深く関わり続けてきた2人ならではの視点で、1979年のYMOがどれだけ非凡な存在だったかということが浮き彫りになった。

それぞれのYMOとの出会い

催事場で偶然耳にした「中国女(LA FEMME CHINOISE)」に衝撃を受け、中学生の頃にコピーバンドをやるほど早くからYMOにのめり込んでいた砂原に対して、大ブレイク後のアルバム「増殖」で認識して以降はライトなリスナーとして接するくらいだったという小山田。彼にとって砂原は「僕のYMOの先生」で、また「今では僕もだいぶYMOおじさんになってきた」と冗談めかしてコメントしていた。このトークパートでは、2人がプロのミュージシャンとしていかにYMO、そして3人のメンバーに関わっていったかのプロセスも、ほほえましいエピソードやミュージシャンらしいコメントとともにつまびらかに語られた。

すでにメンバー2人が他界し、YMOとして新たな活動が行われることはなくなってしまったが、彼らの音楽そのものがさまざまな形でこれからの音楽に影響を与えていくだろうことは、「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」におけるパフォーマンスだけでなく、実にリラックスしたムードで行われたこの日のふたりのトークからも感じ取ることができた。

このボックスセットは発売直後に初回生産分が完売。買い逃してしまったファンからの要望に応え、数量限定でアンコールプレスが決定、現在その予約が行われている。また、8月6日にグリークシアターでのライブ音源「YMO LIVE AT THE GREEK THEATRE 08/04/1979」がCDとアナログ盤でリリースされるのを皮切りに、各公演の音源が順次発売される。イベントでも「人力で演奏している比率が高いのがよくわかる。渡辺香津美さんのバッキングの音まで全編よく聞こえる」(小山田)、「どの会場の演奏にもそのよさが出ている。今日は調子がいいな、今日はちょっと辛そうだなっていう、その生々しさがわかるのが魅力」(砂原)と、2人とも本ボックスセットを絶賛していた。

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