MCバトル番組「ありがとうSTUDIO COASTフリースタイルモンスター」の第3回が、1月16日(日)にABEMAで配信された。
「ありがとうSTUDIO COASTフリースタイルモンスター」は“モンスター“と呼ばれる呂布カルマ、FORK、輪入道、DOTAMA、ID、そして“ラスボス”の般若を相手に、チャレンジャーが即興ラップで勝負を挑み、賞金100万円獲得を狙う番組。1月31日をもって閉館するMCバトルの“聖地“、USEN STUDIO COASTを舞台に、ラッパーたちが繰り広げるバトルの模様が全5回にわたって配信される。過去2回ではNidra Assassin、杉本青空(からし蓮根)、POWER WAVE、SKRYUの4人がチャレンジャーとして登場したが、いずれも“ラスボス”までたどり着くことなく敗退。残るチャレンジャーはあと2人だ。
5人目のチャレンジャーは、岐阜県出身のラッパー・梵頭。過去に“モンスター”を務めていた裂固も所属する「HIKIGANE SOUND」の代表であり、コンプラネタやイリーガルなトピックをユーモラスにラップするスタイルと威圧感を武器としている。そんな彼の前に立ち塞がったのは、ここで初めて姿を見せた“隠れモンスター”のS-kaine。現在20歳の実力派ラッパーであり、高校生を対象としたMCバトル番組「ハイスクールダンジョン」では“ラスボス”として君臨していた。梵頭とS-kaineは、般若の代表曲「最ッ低のMC」のビートで激突。クールにラップするS-kaineに対して、1ターン目から高圧的にラップした梵頭は、2ターン目でもS-kaineを飲み込む攻勢を仕掛け、仕舞いには「オイ ジブさん こんな奴呼んでんじゃねぇ 裂固がなんで呼ばれてねぇんだ ふざけんじゃねぇぞ お坊ちゃん」と叫ぶ。気迫でS-kaineを圧倒した梵頭に審査員全員が軍配を上げ、“クリティカル”で梵頭の勝利が確定。いとうせいこうは梵頭のバイブスだけでなく、表現の多彩さを称賛し、「調子に乗らせないようにしないとヤバいことが起こるかもしれない」と語った。
梵頭の行く手を阻む2人目の“モンスター“は輪入道。梵頭に近いスタイルの猪突猛進型ラッパーであり、昨年8月開催の「トウカイラップバトルフェスティバル2021」では梵頭を打ち負かしている。STUDIO COASTで再び対峙した2人は、両者一歩も譲らずにぶつかり合う名勝負を繰り広げた。1本目ではKEN THE 390「真っ向勝負」のビートに乗せて、輪入道が「朝方の渋谷の路上で転がってた 裂固と俺 2人のモンスター 岐阜まで送ってもらったあの時の借り」と過去を述懐。これを受けて梵頭が「爪弾きされた生き方した男と男の会話がしたいな」と誘うと、輪入道はより語気を強めつつ、「的確な事が言えねぇ夜でも ケミカルよりもマイクだけ手にした エリア拡大するだけ爆発させるだけ 分かってねぇ事分らせてやる ただそれだけ」とラップして4-1の判定を勝ち取る。
続く2本目では舐達麻「BUDS MONTAGE」のビートがよりドラマチックなバトルを演出し、2人が繰り広げる言葉の応酬が映画のワンシーンのような情景を鮮やかに描き出す。バトル中「アンタがムショから送ってくれた音源忘れねぇ」と伝えた輪入道に対して、「何回も何回も刑務所って所で反省を繰り返して 今ここで半生を絵に描きたい」と語った梵頭。彼は自身の生き方を「太く短くありたい だからこのマイクも太くて短い」とマイクに重ねると「そういう事らしいぜ」と伝聞調でラップを締めくくり、審査員の激賞を受けて2本目を取り返した。
3本目でDJ CELORYがセレクトしたビートは漢 a.k.a. GAMI「紫煙 feat. MAKI the MAGIC」。2本目の舐達麻「BUDS MONTAGE」同様、梵頭のスモーキーなイメージに合わせたかのような選曲だが、このバトルでは輪入道が“モンスター“としての矜持を示してみせる。2本目のラストで「太く短く」と人生の理想を描いた梵頭に対して、輪入道は「アンタが途中で終わっちまったら MAKI THE MAGICと同じ もっと上昇りてぇだろ」と呼びかける。そして「俺は生きてる奴としか話したくねぇ だから妖怪の名前 名乗ってる 来世まで行くぜ 回転させてくだけ」と自身のMC名を熱く語って審査員の心を打ち、勝利を確定させた。
熱闘を繰り広げた梵頭も敗退し、残るチャンレンジャーはあと1人。最後に残ったのは、兵庫県西宮市を拠点に活躍するMC ・CIMAだ。彼は“モンスター“たちを倒し、“ラスボス”の元までたどり着けるのか。次回は1月23日(日)に配信される。ABEMAでは第3回のアーカイブを公開中。