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SawanoHiroyuki[nZk]、7人のボーカリストと美しい世界観を紡ぎ上げた夜

澤野弘之(撮影:西槇太一)
1年以上前2023年02月08日 3:03

澤野弘之によるボーカルプロジェクト・SawanoHiroyuki[nZk]が2月4日に東京・立川ステージガーデンでライブ「SawanoHiroyuki[nZk] LIVE 2023」を開催した。

本公演にはSawanoHiroyuki[nZk]の作品などに参加しているLaco(EOW)、mizuki(UNIDOTS)、Tielle、ReN、たかはしほのか(リーガルリリー)、XAI、SennaRinがゲスト出演。澤野はバンドメンバーの藤崎誠人(Dr)、田辺トシノ(B)、飯室博(G)、椿本匡賜(G)、そして7人のボーカリストとともに全21曲を披露した。

大きな拍手を浴びながらピアノの前についた澤野は、Lacoを迎えてアニメ「Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-」のテーマソング「FAKEit」でライブを開始。波打つようなエモーショナルなサウンドと迫力のあるボーカルでオーディエンスをディープな世界観へとたちまち誘った。彼らの熱演に自然とつられるように「Hands Up to the Sky」ではハンドウェーブが客席で美しく揺れ、「THE ANSWER」ではオーディエンスが一斉に高く手を掲げた。「Lacoさんに最初にガッと会場の温度を上げてほしいなと思って」という澤野の話を受け、Lacoは「並々ならぬプレッシャーを感じながら、今日もめちゃくちゃゴリゴリのつよつよでやってまいりました!」と気合いたっぷり。そしてLacoは凛々としたピアノの音色に乗せて「ëmot1on」をスケール感たっぷりに歌い上げてステージを去った。

続いてステージにmizukiが登場すると、「Avid」の演奏がスタート。情緒的なアンサンブルと切実さのある歌声が会場に響き渡った。その後もmizukiは「e of s」「TuNGSTeN」を芯の強いボーカルで表現豊かに歌唱。mizukiと息ぴったりのパフォーマンスを繰り広げた澤野は「[nZk]の活動が2014年にスタートしたので、来年で10年になるんですよ。なのでmizukiさんとご一緒してから10年近く経つんだなと思います」としみじみと述べ、「A/Z」では生命力に満ちたみずみずしいサウンドで晴れやかな世界観を生み出した。

続いて澤野はひさしぶりの共演となるTielleをステージに迎えて「Amazing Trees」を演奏。グルーヴィなサウンドとTielleのソウルフルな歌声が連動するように力強く鳴り響いた。「Through My Blood <AM>」では重厚なアンサンブルとTielleのハスキーなボーカルが重なり合う。「Cage」ではTielleの美しい歌声とともに壮大なサウンドスケープが描かれた。

続いてステージに現れたのは、SawanoHiroyuki[nZk]のライブ初出演となるReN。彼は1月にリリースされたSawanoHiroyuki[nZk]の最新アルバム「V」に収録されている新曲「7th String」を熱を込めて歌い上げた。澤野はReNとの出会いについて「たまたま昼ご飯を食べてたときに流れていた有線から、めちゃくちゃかっこいいサウンドが鳴ってると思って調べたらReNさんだったんです。どこかでご一緒したいと思っていたので、今回のアルバムに参加してもらえて本当にうれしく思っています」と話す。ReNは「僕自身、澤野さんの作品をずっと聴いていて、いつか一緒にできたらと思っていたので、話をもらったときに『きた!』と思いました」と笑顔を見せた。その後、澤野は「せっかくなのでReNさんと[nZk]の曲をやろうと思います」と述べ、「FLAW(LESS)」を演奏。ダンサブルなビートと心地のいい歌声につられるように会場には一体感のあるハンドクラップが広がった。

続いてステージには、たかはしほのかが登場。夕焼けのようなオレンジの光に彩られたステージで、澤野とたかはしは2人で共作した「86―エイティシックス―」エンディングテーマ「LilaS」を披露した。繊細なタッチで生み出されるピアノの音色と、胸を打つような無垢な歌声がそっと場内をたゆたうように響く。澤野が「たかはしさんの歌詞の世界観と歌声が、ものすごくアニメのシーンとマッチしていて、本当にご一緒できてよかったなと思います」と振り返ると、たかはしは「こちらこそ。ありがとうございます」と頭を下げた。そしてたかはしは「86―エイティシックス―」のイベントをきっかけに仲よくなったというmizukiがゲストボーカルで参加したナンバー「CRY」を歌唱。憂いを帯びた歌声で楽曲の世界観を表現してステージをあとにした。

SawanoHiroyuki[nZk]のライブ初登場のXAIとともに届けられたのは、最新アルバムに収録されているNetflix映画「七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編」の主題歌「LEMONADE」。艶やかなサウンドとクールな歌声にオーディエンスはクラップを重ねて体を揺らす。XAIは「私は澤野さんのファンで、今回ご一緒できてすごくうれしいです」と語り、その後「機動戦士ガンダム UC」の劇中歌「A LETTER」を伸びやかに歌い上げた。

最後のボーカリストは、澤野のプロデュースで昨年4月にアーティストデビューしたSennaRin。ステージに姿を現した彼女は、SawanoHiroyuki[nZk]のナンバー「FAVE」を情感たっぷりに歌唱した。さらにSennaRinは昨年11月にリリースしたテレビアニメ「BLEACH 千年血戦篇」のエンディングテーマ「最果て」を躍動感あふれる演奏をバックに披露。最新シングルのカップリング曲「透明な惑星」も初パフォーマンスした。最後に澤野はSennaRinに加えてXAIを再びステージに呼び込み、「今までの曲はシンセの音を使いたいので同期も出していたんですが、最後の曲はバンドメンバーのサウンドとボーカルだけでお送りできればと思います」と述べる。ステージ上のメンバーの音のみで紡がれたのは「Till I」。澤野は最後まで美しい音色をオーディエンスの心に届け、深い余韻を残してワンマンライブを締めくくった。

SawanoHiroyuki[nZk]「SawanoHiroyuki[nZk] LIVE 2023」2023年2月4日 立川ステージガーデン

01. FAKEit(Vocal:Laco)
02. Hands Up to the Sky(Vocal:Laco)
03. THE ANSWER(Vocal:Laco)
04. ëmot1on / Laco(Vocal:Laco)
05. Avid / mizuki(Vocal:mizuki)
06. e of s(Vocal:mizuki)
07. TuNGSTeN(Vocal:mizuki)
08. A/Z(Vocal:mizuki)
09. Amazing Trees(Vocal:Tielle)
10. Through My Blood <AM>(Vocal:Tielle)
11. Cage(Vocal:Tielle)
12. 7th String(Vocal:ReN)
13. FLAW(LESS)(Vocal:ReN)
14. LilaS(Vocal:たかはしほのか)
15. CRY(Vocal:たかはしほのか)
16. LEMONADE(Vocal:XAI)
17. A LETTER(Vocal:XAI)
18. FAVE(Vocal:SennaRin)
19. 最果て(Vocal:SennaRin)
20. 透明な惑星(Vocal:SennaRin)
21. Till I(Vocal:XAI、SennaRin)

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