アイナ・ジ・エンド(ex. BiSH)が主演を務める映画「キリエのうた」の公開直前プレミアムシアターライブが本日9月25日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)で行われ、アイナをはじめ、キャストの松村北斗(SixTONES)、村上虹郎、粗品(霜降り明星)、石井竜也、広瀬すずが登壇した。
10月13日公開の「キリエのうた」は岩井俊二監督と小林武史が「リリイ・シュシュのすべて」以来約22年ぶりにタッグを組んだ音楽映画。時代や社会に翻弄されながらも懸命に生きる男女の姿が描かれる。10月18日にはアイナがKyrie(キリエ)名義でアルバム「DEBUT」をリリースする。
登壇者によるトークに加え、アイナを中心に劇中曲と主題歌のパフォーマンスも展開された本日のイベント。YouTubeや全国のイオンモールで生配信が行われ、会場に足を運べなかった人たちもイベントの様子をリアルタイムで見守った。
路上ミュージシャンのキリエを演じるアイナは、自身が作詞作曲した「名前のない街」「燃え尽きる月」をスポットライトを浴びながら披露。羊毛こと市川和則(G / 羊毛とおはな)が奏でる繊細なアコースティックギターに乗せて、儚くも力強い歌声を届けた。
「改めましてKyrieです」と名乗ったアイナは、松村と村上をステージに呼び込み、「この3人でライブするのは最初で最後になるんじゃないですか?」と2人に視線を送る。人生で初めてギターを練習したという松村は、初めての生演奏を前に緊張気味。アイナから「ここにいる皆さんにとってはスーパースターですよ」と励ましの言葉をもらうと、照れくさそうに笑った。客席を見渡して感慨深げなアイナは、「1年以上前から撮影していたので、初めて聴いていただけるということで感無量で……」と言葉を詰まらせながら話し、自身にとって大切な曲だという「ずるいよな」を、松村と村上が丁寧に紡ぐアコギに合わせて優しく歌い上げた。
アイナ、松村、村上が一旦ステージ袖に捌けたあと、石井はステージに登場し、キリエの歌マネを披露。「岩井さんは難しい時期の女の子像を撮るのがうまいんですよ。映画作るのってライティングとの戦いなんですけど、天気が悪い日でも女の子の透明感を引き立たせるのにこわだって、そこがすごいなと思います」と岩井監督を絶賛した。
ここでキャストの6人がステージにそろってトークを展開。休養から復帰した村上は「元気になって来ました!」とにっこり。粗品は「えー、どうも! 撮影時はまだ結婚していました」と自虐し、広瀬は「今日はほぼ何もしないんですけど、皆さんと一緒にこのイベントを楽しもうと思います」と声を弾ませた。登壇者たちは撮影エピソードを語り合い、石井は自身の役について「ホントにいやらしい中年の役で出させていただいてるんですけど、自分でも嫌な大人だなあと思いました」と言うと、粗品から「悪役ぴったりですよ」とお墨付きをもらう。その後も石井は雪のシーンやキリエが路上で歌うシーンの魅力を力説し続け、「実は俺もストリートでやってたことがあるんですよ、こんな大スターでも。通り過ぎて行ってしまう人たちを見ると心が痛いんですよね。歌ってパッションだし、その人そのものなんだよっていうのを岩井監督は表現したかったのかなと思います」と語った。石井から褒められたアイナは「ありがとうございます」とくすぐったそうに笑い、「『Mステ』で一緒だったときに隣りに座ったことがあったんですけど、そのときに耳元で『もっとぶっかませよー』って言われたんです」と石井との思い出を語った。
13年間の出会いと別れが描かれる本作にちなんで、13年前の自分に言いたいことを聞かれたキャスト陣。アイナは「私、年齢秘密でやってるんですけど……(笑)。4歳からダンスをやっていて、学校に行くときのバッグには教科書が1つも入ってなかったんです。とにかくダンスが大好きで大阪のOCATっていうところで練習してました」と過去を懐かしむ。松村は「13年前はちょうどこの仕事を始めた頃でした。空手をやってたので、芸能界に空手と通じるものがないかなと探してました」とコメント。すると石井は松村について、「透明感のある青年として描かれているじゃないですか。俺が感心したのは、すずちゃんとのシーン。透明感が出てて、あの雰囲気がすごい好きで。横顔がよかったんだよね」と褒め称えた。
最後にアイナが歌うのは、小林作詞作曲の主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」。青いサイリウムの光が揺れる中、アイナがギターの村上、キーボードの粗品を含むバンドメンバーのサウンドに合わせて歌うと、場内は感動的なムードに包まれた。パフォーマンスを間近で観ていた松村は「音に包まれて音楽ってすごいなと実感して。この音楽映画が世界中に届いてほしいなと思うステージでした」と感想を述べる。広瀬はアイナに対して「この華奢な体からどれだけのエネルギーの放出されるのかと……びっくりしました」と驚き、石井は粗品に「うまいねー!」と言葉を送った。最後にアイナは「正直何もわからない自分が飛び込んで、不安でたまらなかったんですけど……お客様が目をそらさず観てくれてそれだけで幸せです。石井さんもいっぱいしゃべってくれて感慨深い日になりました。よかったらいっぱい見てほしいです」と涙ながらに本作をアピールした。
(c)2023 Kyrie Film Band