6月7日に東京・新宿BLAZEでBiSとGacharic Spinによるツーマンライブ「ライブナタリー “BiS × Gacharic Spin”」が開催された。本レポートの最後にはこの日のセットリストで構成されたSpotifyのプレイリストを埋め込んでいるので、ぜひライブを追体験してほしい。
「これがBiSです!」エネルギッシュなライブに大歓声
新宿BLAZEは東急歌舞伎町タワーの近く、通称トー横と呼ばれるシネシティ広場の一角にある。長年にわたって多数のアーティストがこのステージに立ってきたが、7月末をもって閉館することが決まっている。
BiSは「テレフォン」でライブをスタートさせ、ヒューガーがメンバーとともにステージを駆け回りながら「これがBiSです! 今日はよろしくお願いします」と叫ぶ。メンバーは激しくシャウトしたり、中指を立てたりと攻撃的な姿勢でフロアに切り込んでいく。さらにパーティナンバー「DA DA DA DANCE SONG」、ライブで人気のキラーチューン「STUPiD」とエッジの効いた楽曲を連投し、研究員(BiSファンの呼称)のみならず、ガチャマン&ガチャピン子(Gacharic Spinファンの呼称)をも巻き込んでフロアを熱くさせる。メロディックパンクチューン「BASKET BOX」ではカラフルな照明の中、5人が大きく腕を交互に上げて踊りながら、キャッチーな歌を笑顔で届けた。
メンバーそれぞれの自己紹介に続いてナノ3が「新宿BLAZEにお越しの皆さん、元気ですかー!」と呼びかけてから、「実は私たち、Gacharic Spinさんとはレーベルメイトでして、ガチャピンさんとご一緒できてうれしいです。来てくれた研究員の皆さん、ガチャマン / ガチャピン子の皆さん、ありがとうございます!」とコメント。そして「熱気がすごくて水蒸気の雲ができてるんですけど(笑)、まだまだいけますよね!」と煽ってから彼女たちはMarilyn Mansonを彷彿とさせるインダストリアルナンバー「DEAD or A LiME」で鬼気迫るパフォーマンスを繰り出し、「SURRENDER」では感情をむき出しにした叫びを響かせた。
序盤のMC以降はノンストップでステージを進行し、次々に楽曲を披露していくBiS。Dragon Ash「Fantasista」、BRAHMAN「BASIS」のカバーを投下してフロアを湧かせたあとには、Age Factoryからの提供曲「R.U.N」へとつなげ、バンドを相手にしたツーマンライブらしく、BiSもバンドサウンドの楽曲で勝負。ラストには同じくAge Factory提供のドラマチックな「Sakura」を届け、感動的な余韻を残してライブを終えた。
振り幅広すぎ!お祭り騒ぎのGacharic Spinライブ
今年10月で結成15周年を迎えるGacharic Spinは、F チョッパー KOGA(B)、はな(Vo, G)、TOMO-ZO(G)、オレオレオナ(Vo, Key)、アンジェリーナ1/3(Mic Performer)、yuri(Dr)という6人組バンド。原色系の派手な髪色や衣装がステージで映える彼女たちは、1曲目の「1GAME」ではなとTOMO-ZOがいきなりギター回しを見せ、アンジェリーナがジャケットを脱ぐなど、熱量のある華やかなパフォーマンスを見せる。
KOGAのチョッパー奏法が炸裂する「MindSet」がグルーヴィに届けられたあと、最初のMCでアンジェリーナは「今日は来てくださった皆さん、ありがとうございます! そして一緒に出てくれたBiSさん、ありがとう! BiSさんとGacharic Spinは過去にもやったことがあったみたいで」と切り出す。アンジェリーナとKOGAは「そのときとはBiSさんも変わりましたが、私たちもいろいろ変わってね。改めて対バンできてよかったです!」と喜びを語った。なおBiSのリハーサルを観たKOGAが、「若い子ががんばっている姿に泣けてくる」と感想を漏らしたそうだが、アンジェリーナは「私だって22歳よ」と若手であることを強調。しかしKOGAは「なんか違うんだよな、フレッシュさがさあ」と反応し、アンジェリーナは残念がりながらも笑った。
「さっきBiSさんがめちゃくちゃ熱いステージを見せてくれたので、BiSさんにも、皆さんにも恩返しするような熱いライブをします!」とアンジェリーナが宣言し、「カチカチ山」へ。この曲ではバンドのパート編成が一部変わり、バンドとしての自由度の高さをうかがわせつつ、彼女たちはキャッチーな振付を観客とともに踊った。さらに「ブラックサバイバル」では、エモーショナルなコーラスとソウルフルなアンジェリーナの歌声が重なり、フロアは熱狂に包まれる。続いてアンジェリーナは幼少期に最愛の父を亡くしたという話から、「BiSさんが巡り合わせてくれたこの大切な日に、大切な人たちを思って歌いたいと思います」とコメントし、「Voice」を披露。先ほどのお祭り騒ぎの盛り上がりから一転して、観客はアンジェリーナの歌声に聴き入った。
ライブ後半、Gacharic Spinは四つ打ちビートの「ミライ論争」、爆発力のあるサビが印象的な「Lock On!!」をアグレッシブに演奏。はなのギターソロが炸裂した「Lock On!!」では観客も拳を上げながら声援を送り、場内の興奮が加速していく。プログレッシブながらもキャッチーな「ナンマイダ」ではステージ中央のお立ち台にメンバーが代わる代わる立つなど、見どころたっぷりのライブを展開。さらに彼女たちは生きることについての思いをつづった「Let It Beat」を披露したあと、「みんなで歌える曲です!」という曲紹介から、最新アルバム「Ace」の収録曲「Lin-Lin-Lan」を演奏し、一体感高まる中でライブを締めくくった。
Gacharic Spin × BiSが走る!アンコール
熱気冷めやらぬまま、「ダンガンビート」でアンコールはスタート。アンジェリーナとはながお立ち台で歌い、KOGA、TOMO-ZO、オレオレオナがステージ前方で身を乗り出して楽しげなパフォーマンスを見せ、オーディエンスはタオルを振り回して一緒に盛り上がる。会場の熱気が最高潮を迎える中、ラストにはBiSのメンバーが招かれ、ステージには総勢11人がところ狭しと並ぶ。双方で会話を交わしてから、アンジェリーナは「BiSとガチャピンといえば“全力”ということで、5分間1本勝負をしましょう!」と両メンバーに呼びかけ。ラストナンバー「WINNER」がはじまると、一同はひたすらもも上げをしながら走り続け、Gacharic SpinとBiSは同時にゴールテープを切って、イベントを大団円へと導いた。
Spotify プレイリスト
セットリスト
「ライブナタリー “BiS × Gacharic Spin”」2024年6月7日 新宿BLAZE
BiS
01. テレフォン
02. DADADA DANCE SONG
03. STUPiD
04. BASKET BOX
05. FOR ME
06. DEAD or A LiME
07. IT'S TOO LATE
08. SURRENDER
09. Fantasista
10. BASIS
11. R.U.N
12. Sakura
Gacharic Spin
01. 1GAME
02. MindSet
03. カチカチ山
04. ブラックサバイバル
05. Voice
06. ミライ論争
07. Lock On!!
08. ナンマイダ
09. Let It Beat
10. Lin-Lin-Lan
<アンコール>
11. ダンガンビート
12. WINNER(with BiS)