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Number_iが放つ唯一無二の音楽「INZM」が1位に/ Snow Man「EMPIRE」にある歌い手としての説得力

再生数急上昇ソング定点観測
3か月前2024年08月30日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで8月16日から8月22日にかけて集計されたミュージックビデオランキング、および急上昇ランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、8位にMrs. GREEN APPLEの「familie」が登場した。同曲は、4月に始まった5カ月連続リリースの締めくくりとして8月9日に配信された楽曲。8月20日にMVが公開されると、YouTubeのコメント欄には「最後のテロップ『thank you for the 5 months!』に涙。こちらこそ5カ月間ありがとう」など温かいコメントが多く寄せられた。

17位はLISA(BLACKPINK)の「NEW WOMAN feat. Rosalía」がランクイン。MVの監督を務めたのは、ショーン・メンデス&カミラ・カベロ「Señorita」、ケイティ・ペリー「Firework」、ビリー・アイリッシュ「bad guy」など、十数億回再生のMVを何本も手がけたデイヴ・マイヤーズ。衣装や背景を含め、色彩豊かな映像美に心をつかまれる。8月16日にMVが公開されて、10日間で約5300万再生を突破した。

28位には爆風スランプが「Runner」を一発撮りでパフォーマンスしたTHE FIRST TAKEの映像が登場。今年メジャーデビュー40周年を迎えるにあたって再集結した彼らが、14年ぶりにメンバーそろって一緒に演奏した貴重映像となっている。

29位にはHey! Say! JUMPが結成発表記念日である9月24日にリリースするシングル「UMP」のMVが登場した。2007年にリリースされたデビュー曲「Ultra Music Power」の頭文字のように思えるタイトルが話題を呼んだこの曲。歌詞に注目すると「君と歌いあって僕らは跳べるって / FantasyもSympathyも記憶じゃないか」や「切ない痛みも越えて来ただろう / 僕1人じゃないさ僕らは始まった / “跳べる”」などのフレーズから、メンバーのこれまでの歩みとこれからの覚悟が感じられる。

各アーティストの節目にも思える楽曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップ。

Number_i「INZM」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場1位

Number_iの新曲「INZM」は作詞をPecori(ODD Foot Works)、作・編曲をMONJOE(DATS)とSHUN(FIVE NEW OLD)という「GOAT」「FUJI」でもおなじみの3人が手がけたのに加え、Number_iメンバーも作詞・作曲・編曲のすべてに参加した楽曲だ。8月20日にNumber_iがYouTubeでライブ配信をした際、同曲のプロデュースを務めたメンバーの神宮寺勇太は「『INZM』は90年代から2000年代初頭に流行ったミスクチャーロックとヒップホップが大きなテーマになっています。最近、ヒップホップのラッパーが生バンドでやっているのを観たのもそうだし、90年代や2000年代のバンドの人からもインスパイアを受けて、こういう曲になりました」と解説した。

前半はデジタルロックを思わせるヘビーなギターの音色に、スクラッチ音や808ベースが徐々に重なっていくこの曲。そして1分39秒からブーンバップ調、2分50秒からはハードコア調へと1曲の中で表情を変えていく。先述したライブ配信内で、岸優太は「初めて聴いたときの感覚が忘れられない。こんな音楽を聴いたことがないっていうか、それが『INZM』の凄味だと思う。この展開とか唯一無二だなと思う」と発言。平野紫耀も「こういうロックやヒップホップの音楽はすでにあると思うんだけど、そこにあのテイストのラップとボーカルが入ると、そのロックやヒップホップから抜けた素敵な楽曲になった」とコメントした。

8月19日にこの曲のMVが公開されてから、10日間で約2900万再生を突破。まだまだNumber_iの勢いは止まることを知らない。

Snow Man「EMPIRE」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場2位

新曲「EMPIRE」のMVが、8月21日の公開からわずか25時間でSnow Man史上最速の1000万再生を達成した。同曲は10月30日にリリースされる4thフルアルバム「RAYS」のリードトラックで、モーツァルトの名曲「交響曲 第25番 ト短調」を大胆にサンプリングしたエッジの効いた楽曲となっている。

そんなスケール感のあるサウンドだからこそ、「We build an EMPIRE」(俺たちは帝国を築く)という力強い言葉が見事にハマっている。今作のような壮大な楽曲は、歌の技術はもちろん、そのメッセージを届けるだけの歌い手としての説得力が求められるはず。そんな中、彼らは「EMPIRE」をしっかりと自分たちの音楽に昇華しており、改めて9人の凄味を再確認させられた。

MVはスペイン・バルセロナで撮影され、サクラダ・ファミリアやバルセロナの街並みなど、そのロケーションからは中世ヨーロッパの歴史が感じられる。なんと言っても、3分4秒からの総勢62名による大迫力のダンスは必見だ。YouTubeのコメント欄では「『BREAKOUT』が出たとき、今後これを上回るの無理なんじゃないかって正直思っていたけど、全然余裕で超えてきた」「楽曲×パフォーマンスの融合が素晴らしいです! 激しいけれどエレガントで美しい! 日本に留めておくレベルではないと思います」など称賛する声が上がっている。

Mega Shinnosuke「愛とU」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場97位

6月19日にリリースされた「愛とU」がTikTokなどで徐々に広まり、2カ月経ってMVランキングに初登場した。この曲は「バイトしてる中華店に誘われたから / はじまった 恋の予感」という具体的な状況説明から始まる、愛と欲をテーマに葛藤する若者を描いたデートソング。表現力豊かな歌詞はもちろん、心地いいギターのカッティングや、自然と口ずさみたくなるサビのフレーズなど、聴けば聴くほど虜になる中毒性の高い楽曲だ。

Mega Shinnosukeがこの曲のリリースに際してX(Twitter)で「ほんとに革新的なPOPナンバー どう考えても名曲です、惚れてね」とポストした通り、実際にこの曲に惚れたリスナーが続出。TikTokではSped Upバージョンのダンス動画を始め、さまざまな動画のBGMに使われてバズった結果、総再生回数が1億回を超えた。

この状況に対してメガシンは「tiktokやリールで愛とUがバズってるけど ファンのみんなから否定的な意見があまりないし寧ろ喜んでる人が多くて嬉しいぜ、メガシンノスケのこれまでを知ってくれてる人はオレがぽっと出の運がいいだけのアーティストじゃないのを知ってると思うしこれからもバギバキに天才やるから任せてくれ」と喜びの声をポストした。果たして「愛とU」はどれだけ多くのリスナーに広まっていくのだろうか。メガシンの今後の活躍が楽しみになる1曲だ。

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