パルコの開業55周年特別企画として、細野晴臣、田名網敬一、宇川直宏による「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告が公開された。
本広告は、細野の音楽活動55周年を記念し、幼少期からはっぴいえんど、YMO、そして現在に至るまでの貴重な写真と、田名網の象徴的なモチーフ・キャラクターを、田名網の一番弟子である宇川が師の思いを継いでディレクションした“歴史的曼荼羅”。宇川がクリエイティヴディレクターを務めたCMでは、生成AI技術によって写真に生命を吹き込まれた細野の55年の歴史が、田名網の個性豊かなモチーフたちとともに動き出し、細野の書き下ろし楽曲とナレーションで特別なホリデーシーズンを演出する。なお、田名網にとって、これが細野との初のコラボレーションであり、完成をとても楽しみにしていたそうだが、8月に死去。田名網の最期のプロジェクトの1つとなった。
また本プロジェクトの連動企画として、11月7日には、東京・WHITE CINE QUINTOにて細野のドキュメンタリー映画が上映され、細野と原田郁子によるトークイベント「HOSONO CINEMA HOUSE」が開催される。さらに宇川主宰の「DOMMUNE」では田名網の特別番組を10月28日、細野の特別番組を11月9日に放送する。このほかにもさまざまなイベントが予定されており、詳細は12月2日に発表される。
宇川直宏 コメント
PARCO55周年という記念すべきアニバーサリーにクリエイティヴディレクターとして参加させて頂き、身に余る光栄に存じます。今回のビジュアルは88歳のバースデーを迎えた直後急逝した、師匠である田名網敬一氏のアートワークと、奇跡的にもPARCOと同じ年にデビュー55周年を迎えた細野晴臣氏の歴史的変遷を視覚融合させたカルチュラル曼荼羅です。高度経済成長以降の日本のポップ・アヴァンギャルド文化を牽引し続けるPARCOのヒストリーが、この曼荼羅に流れる55年の時間と呼応し文化的真言が立ち現れる…このビジュアル世界は、そんな多元宇宙が錯綜した立体的な構造となっております。また手書きのアートワーク x CG、手付けのアニメーション x 生成AIという生身の身体と先鋭テクノロジーの両極を駆使し、他界した師とその作風を自分自身に憑依させ、弟子が作品を完遂させるという今世紀的なクリエイティヴの継承がこの曼荼羅には刻印されています。<55周年 x 55周年 x Holidays x Requiem>途方もなくディープでサイケデリックで、そして清らかなセレモニー領域に到達したこのビジュアル世界は、ファインアートとポップカルチャーがグニョグニョに混交した戦後日本のオルタナティヴの縮図でもあります!!!!!!! PARCO&細野晴臣さん55周年おめでとうございます!!!!!! そして田名網敬一師匠MASSIVE R.I.P.…
南塚真史(NANZUKA / 田名網個人マネージャー) コメント
この企画は、宇川さんと田名網が生前から一緒に制作を進めてきました。クリエイティブにおいて絶対に妥協しない田名網が、唯一自分の作品の素材を預けて自由に任せたのが宇川さんです。残念ながら田名網は完成を見届ける事なく他界し、最期のプロジェクトの1つとなりましたが、日本のポップミュージックに変革をもたらした細野晴臣氏をモデルに、田名網敬一と宇川直宏の師弟関係の強度を示す最高傑作になったと思います。
細野晴臣 コメント
PARCO創業とぼくの音楽歴は同じ55年という奇遇です。
「幸せな休日」という祈りを込めて音楽をつくりました。