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なにわ男子が解説「ギラギラサマー」見どころ / 小泉今日子&中井貴一に学ぶ、年齢を重ねる喜び

再生数急上昇ソング定点観測
5か月前2025年06月13日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで5月30日から6月5日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、2位にMrs. GREEN APPLEの「breakfast」が登場した。2022年に公開された「ダンスホール」のMV以来、約3年ぶりにメンバーのダンスシーンを堪能できる映像となっている。

7位には「ラブライブ!」シリーズ初の作品横断ユニット、AiScReamのデビュー曲「愛♡スクリ~ム!」がランクインした。今年1月のリリース以降、間奏部分の「何が好き?」というコール&レスポンスが世界中でバズり、5月24日にはYouTubeの関連動画が100億再生を突破。その反響を受けて作られたリリックビデオからは、さわやかさとかわいさが感じられる。

41位には、Kanariaが2020年に投稿したボカロPとしての出世作「KING」のセルフカバーが登場した。「原点的楽曲を作者自身で歌う これぞ『王の帰還』でエモい」「4年越しに本人に歌われるの激アツ」などKanaria本人の歌唱に歓喜する声が多く上がっている。

45位に登場したのはINIの「DOMINANCE」だ。今作は6月25日にリリースされる3rdアルバム「THE ORIGIN」の収録曲。「僕たちがリーダー、頂点に立つのは僕たちだ」という強い意思と、INIの気迫あふれる様子を表した中毒性のあるサウンドが特徴の楽曲になっている。

バンドやダンスグループなど多種多様な楽曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。

なにわ男子「ギラギラサマー」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場14位

なにわ男子の新曲「ギラギラサマー」が14位にランクインした。これは7月2日にリリースされる4thアルバム「BON BON VOYAGE」収録曲で、「これぞ夏のアイドルソング!」と言いたくなる快作だ。

MVの冒頭で「今年も僕らの季節がやってきた! 夏にだけ地上に降り立ち、灼熱のパフォーマンスを届けます! ギラギラして、ギラギラして、ギラギラしすぎているかもしれません! そう、僕らの名前は!ギラギラサマー(様)!」と元気よくナレーションしているのはメンバーの大橋和也。彼の言葉の通りこの曲は、波打ち際を全力疾走したくなるような、きらめきにあふれたサマーチューンとなっている。

コメント欄では各メンバーがMVのオススメポイントを紹介しており、藤原丈一郎は1分40秒の高橋恭平がぬいぐるみを持っているシーンについて「ムラサキオクトパスのおもちゃが可愛い ギラギラサマーですね~笑」とコメント。道枝駿佑は2分34秒の軽やかにダンスするシーンについて「間奏のダンス! 激しく踊るところが見どころです!」と振付のポイントを紹介している。こうしたコメントを参考にMVを観ることで、細かい動きや表情まで楽しむことができる。

小泉今日子&中井貴一「ダンスに間に合う」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場54位

小泉今日子&中井貴一による「ダンスに間に合う」は、2人がダブル主演を務めているフジテレビ系月9ドラマ「続・続・最後から二番目の恋」のエンディング曲だ。2人がデュエットをするのは、2014年放送「続・最後から二番目の恋」の劇中歌「T字路」以来11年ぶり2度目となる。

今作は思い出野郎Aチームが2017年に発表した楽曲のカバー。「あまりにも手遅れなことが / うんざりするほど / たくさんあるけど / まだ音楽は鳴ってる」をはじめとした、郷愁を誘うような、胸に沁み入るような歌詞が印象的だ。原曲は思い出野郎Aチームらしい、とっぽいムードと男臭さがカッコいい。一方で、今回の小泉と中井のカバーは艶やかさとダンディズムが際立っており、そこにAチームのきらびやかな演奏も相まって、年齢を重ねていくことの喜びが伝わってくる。

最近は男性もスキンケアにこだわるようになり、若く見られることが正義かのような風潮を感じる。しかし、2人の歌を聴いたり、ドラマで小泉演じる59歳の吉野千明と中井演じる63歳の長倉和平の姿を観たりすると、老いに抗うのではなく等身大の自分を楽しむ大人の魅力が感じられて、人生を謳歌するとはなんたるかを教えてもらっているような気持ちになる。

Mili「TIAN TIAN」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場100位

Miliは、クラシカルなサウンドを土台にしたコンポーザー / ギタリストのYamato Kasai、トリリンガルのカナダ人ボーカリストCassie Wei、ベーシストYukihito Mitomo、ドラマーShoto Yoshida、そしてイラストレーター / アニメーターのAo Fujimoriという5人からなる音楽制作集団。「Deemo」「Cytus」といった全世界で大ヒットした音楽ゲームアプリをはじめ、多数のファッションブランドやCMに楽曲を提供するなど、着実にアーティストとしての知名度を上げている。今年1月に放送されたテレビアニメ「魔法使いの約束」にはオープニングテーマ「Year N」を提供し、同月23日に発売されたアクションRPGゲーム「ENDER MAGNOLIA: Bloom in the Mist」では全楽曲を制作するなど、2025年も目覚ましい活躍を見せている。

そんな彼らの新曲「TIAN TIAN」は、RPG「Limbus Company」第8章の最終ボス戦のテーマソング。透明感のあるサウンドと軽やかなリズムに引き込まれる、滑らかで美しい1曲だ。また、中国語と英語で構成された歌詞は、ゲームに登場する囚人・ホンルの思いが感じられ、2つの言語を行き来しながら展開する繊細な心情の描写や、物語の設定を踏襲した言葉選びも光っている。特に、永遠の命を求める相手に向けた「We're invited to a lifelong party. It's rude to overstay.(私たちが招待されたのはたった一生分のパーティー。長居するのは失礼だよ)」「Don't be jealous of me resting in peace.(安らかに眠る私を羨ましがらないでね)」という歌詞は、SNSで大きな感動を呼んでいる。

この曲は6月4日付Spotify Japanの急上昇チャートで5位にランクインし、リリックビデオは6月1日の公開から10日間で200万回再生を突破した。

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