大きな話題から気になる小ネタまで、“最近のK-POP”をまとめて振り返るマンスリー連載「K-POP、最近どう?」。7月は、BLACKPINKとTWICEというK-POPを代表する2組が同日にカムバックし、大きな注目を浴びた一方、体調不良や入隊に伴う活動休止のニュースが相次いだ月でもあります。そんな中、SUPER JUNIORのデビュー20周年記念アルバムのリリース、TWICEジヒョがJYPエンタテインメント入所から20周年を迎えるなど、明るいトピックも多数。ATEEZは異例の“7年”という長期で再契約を結ぶなど、前向きなニュースも話題となりました。本稿では、そんな7月のK-POPシーンから印象的な出来事をピックアップしてお届けします。
文 / 岸野恵加 イラスト / ちぎりパン
1. TWICEとBLACKPINKが同日カムバック
BLACKPINKとTWICEの同日カムバックが大きな注目を浴びた7月。今回も、ガールズグループの話題からまとめてご紹介していきます。近年はメンバーそれぞれのソロ活動が絶好調だったBLACKPINKは、ついに完全体で集結。2年10カ月ぶりとなる新曲「JUMP」を11日にリリースし、ワールドツアーをスタートさせました。最初の開催地となる韓国・高陽スタジアム公演には多数の著名人が観覧に訪れ、LE SSERAFIMの5人もノリノリで楽しむ様子をアップしています。またBLACKPINKがアサヒビールのアンバサダーに就任したことも話題を集めました。
TWICEは4thフルアルバム「THIS IS FOR」を同じく11日に発表。タイトル曲は「この歌は特別なことのない日常を生きるあなたたちのためのもの」と歌われるTWICE印の応援ソングで、そっと寄り添ってくれるようなリリックが胸に響きます。19日に開幕したワールドツアーでは360°客席に囲まれたステージ構成で、新鮮なパフォーマンスを披露。デビュー10周年を目前に控えるベテラングループとなっても、挑戦し続ける姿勢が感動を呼んでいます。
またTWICEとオーディション時代からの盟友であるチョン・ソミは、7日に新曲「EXTRA」を発表。“ドンキは人生”と、大好きなドン・キホーテや古着屋で爆買いした成果をYouTubeでうれしそうに紹介する姿もかわいらしかったです。BABYMONSTERは8カ月ぶりの新曲「HOT SAUCE」を1日にドロップ。1980年代のヒップホップのバイブスを、メンバーが見事に表現しました。BABYMONSTERはこの曲を皮切りに、9月にさらなるシングル、10月1日にミニアルバムのリリースを予告しています。
2日にはRESCENEが2ndシングル「Dearest」でカムバック。タイトル曲「Deja Vu」は暑すぎる夏をさわやかに彩る1曲です。VIVIZは初のフルアルバム「A Montage of( )」をリリースし、本作には初のソロ曲も収録されました。またMEOVVは日本1stシングル「ME ME ME」を29日に配信リリース。花王の新ブランド「MEMEME」とのタイアップも始まり、今後日本での活動が充実しそうです。IVEは日本3rd EP「Be Alright」を30日に発売。「Lollapalooza」のベルリンとパリ公演では、音響トラブルにも動じず堂々としたステージを見せて観客を魅了しました。
元IZ*ONEのチョ・ユリとYENAも、それぞれ新譜を発表しています。ドラマ「イカゲーム」への出演でさらにその名を広めたチョ・ユリは、ミニアルバム「Episode 25」で2年ぶりにカムバック。タイトル曲「Farewell for now!」では音楽番組でギターを弾きながら美声を響かせ、新境地を開拓しました。またYENAは、人気マンガ家の種村有菜がジャケットイラストを手がけたことも話題を集めた「Blooming Wings」をリリース。リード曲「Being a Good Girl Hurts」の“青春感”満載なミュージックビデオには、事務所の先輩である俳優のイ・ドヒョンが出演しています。
2. SUPER JUNIORは20周年
続いてはボーイズグループのトピックをお届け。メンバーそれぞれがマルチな活躍を見せるSUPER JUNIORは、デビュー20周年を記念したアルバム「Super Junior 25」をリリースし、活発な活動を繰り広げました。かつての交通事故の影響でパフォーマンスを制限していたヒチョルも、10年ぶりにダンスに参加。また「チャンネル十五夜」では、メンバーがお酒を飲みながら20年間を振り返り、ベテランならではのトークで大いに笑わせてくれました。
TOMORROW X TOGETHERは、これまでの活動の集大成と言えるフルアルバム「The Star Chapter: TOGETHER」で21日にカムバック。アルバムにはメンバー全員のソロ曲も収録され、彩り豊かな表現力を発揮しました。デビュー7年目の彼らは発売日の会見で、再契約について「心配しないで」と言及しており、続報が待たれます。NCT DREAMは14日に発表した5thフルアルバム「Go Back To The Future」で“時間旅行”をコンセプトに据え、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をオマージュしました。
WayVは18日に7thミニアルバム「BIG BANDS」をリリース。タイトル曲には「ビッグバンドのような巨大な響きを作り出し、君の魂まで動かしてみせる」という熱い意志が込められており、華やかなブラスサウンドに乗せてメンバーがエネルギッシュなダンスを繰り広げます。ZEROBASEONEは9月のフルアルバムに先がけて、バスケットボールをコンセプトとしたヒップホップナンバー「SLAM DUNK」を先行リリース。東方神起はOriginal Loveのカバー「月の裏で会いましょう」を20日に配信リリースしています。
1日には、サバイバル番組「UNIVERSE LEAGUE」を通して結成されたAHOFがデビュー。「BOYS PLANET」で注目を浴びたチャ・ウンギとジャン・シュアイボー、日本人メンバーのダイスケにフィリピン出身の実力者ジェイエルなど、多国籍なメンバーで構成される9人組ボーイズグループで、デビュー作は初動36万超の売上を記録しています。また元RIIZEのスンハンは、31日にXngHan & Xoul名義でソロデビューを果たしました。
このほか7月は、KARD、STAYC、D.O (EXO)、CLOSE YOUR EYES、NOWZ、オンユ(SHINee)、サナ(ASTRO)、ヨンジェ(GOT7)、TEMPEST、EPEXらも新作を発表。TWSは2日に「はじめまして」で日本デビューし、6都市を巡る日本ツアーの真っ只中です。
3. 7年再契約
アーティストの活動に関するニュースも、7月は数多く発表されました。ATEEZは、8人全員でKQエンタテインメントと再契約し、新たに7年間の契約を締結。5日にワールドツアーをスタートさせ、11日には12thミニアルバム「GOLDEN HOUR:Part.3 'In Your Fantasy Edition'」をリリースするなど、精力的な活動を続けています。
体調不良を理由に、活動を休止するアーティストも相次ぎました。Kep1erのヨンウンは8月リリースの新譜も含め、当面休養することを明らかに。BoAは膝の痛みが悪化して急性骨壊死と診断され、日本公演を含むソロコンサートの中止を発表しました。またバラエティ番組の収録中に鼻の骨を骨折したPENTAGONのフイは、CUBEエンターテインメントとの専属契約を終了しています。
ASTROのチャウヌ、iKONのDKは28日に入隊。また入隊中に「Drowing」がチャート逆走のヒットを飛ばしたWOODZは、21日に除隊するやいなや新曲「Smashing Concrete」のビジュアライザーを公開して話題を集めました。SEVENTEENのHOSHIとWOOZIは、9月の入隊が確定。2人は直前までファンへ愛を伝えるべく、ユニット・HOSHI X WOOZIとしてファンコンサートで各地を巡っています。
昨年10月にデビューしたSAY MY NAMEには、新メンバーのシュイが電撃加入。8人体制として初の新曲「iLy」を8月1日にリリースしました。さらにTWICEのジヒョは、JYPエンタテインメントへ入社してから20年が経過。これを記念した動画コンテンツにはTWICEのナヨン&ジョンヨン、SEVENTEENのMINGYU&SEUNGKWAN、GOT7のBamBam、DAY6のソンジンら豪華ゲストが集結し、ジヒョにまつわる知識を競うクイズで白熱バトルを繰り広げました。
4. 「Golden」「Soda Pop」大流行
今月も最後に、そのほかのトピックをまとめてご紹介しましょう。Netflixで配信中のアニメ「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」は空前のヒットを飛ばし、劇中に登場する架空のK-POPグループ・HUNTR/XやSaja Boysの楽曲も含めたサウンドトラックがアメリカ・ビルボードに軒並みチャートイン。映画のエンドロールでは、劇中歌「TAKEDOWN」をTWICEのジヒョ、ジョンヨン、チェヨンが歌ったバージョンが流れます。また「Golden」「Soda Pop」といった楽曲のダンスチャレンジも、アイドルの間で流行しました。
17日には、人気サバイバルオーディション番組「BOYS II PLANET」の放送がスタート。序盤ではKとC、2つのプラネットの物語が別々に描かれました。「ボイプラ」出身の先輩であるZEROBASEONEは、D-LITE(BIGBANG)のYouTube番組「家D-LITE」でオーディション時を再現するようなトークを繰り広げて笑いを誘ったほか、ソン・ハンビンとジャンハオは「BOYS II PLANET」で“スペシャルアイドルマスター”を務め、直接練習生たちを激励しています。
夏恒例のイベントも、各所で開催。「WATERBOMB」そしてPSY主催による「SUMMER SWAG」という“びしょ濡れ”になるフェスは今年も盛況で、「WATERBOMB 2025」のソウル公演では、元IZ*ONEのクォン・ウンビとイ・シアンが「PRODUCE 48」の課題曲「Rumor」を一緒にパフォーマンスして話題を集めました。ENHYPENは、初の日本スタジアムツアーを日産スタジアムでスタート。29日に2年ぶりとなる日本4thシングル「宵 -YOI-」をリリースしています。
BTSのJUNG KOOKは、新たに個人Instagramアカウントを開設。全員が除隊を迎え完全体となったBTSは、2026年春にニューアルバムのリリースとワールドツアーを行うことをライブ配信で発表し、世界中のファンを沸き立たせました。またRIIZEは初の日本アリーナツアーを、12日に兵庫で開始。ステージでは先輩であるEXOの「Monster」のパフォーマンスも披露し、話題を集めています。
【2025年7月】音楽番組、最近どう?
7月に放送された韓国の主要音楽番組で、1位を獲得した楽曲をご紹介します。AHOFはデビュー作「Rendezvous」が「THE SHOW」「SHOW CHAMPION」「Music Bank」の3番組で1位にランクインし、鮮烈なデビューを飾りました。また新事務所ASNDに移籍し、5人体制で新たなスタートを切ったfromis_9は、7月4日放送の「Music Bank」にて新体制初の1位を獲得。メンバーは感極まって涙を流しながらも、アンコールステージではその涙を感じさせない伸びやかな歌声を響かせました。
THE SHOW
7/1 CRAVITY「SET NET G0?!」
7/8 AHOF「Rendezvous」
7/15 CLOSE YOUR EYES「Snowy Summer」
7/22 なし
7/29 WayV「BIG BANDS(狂想曲)」
SHOW CHAMPION
7/2 CRAVITY「SET NET G0?!」
7/9 AHOF「Rendezvous」
7/16 CLOSE YOUR EYES「Snowy Summer」
7/23 BLACKPINK「JUMP」
7/30 TOMORROW X TOGETHER「Beautiful Strangers」
M COUNTDOWN
7/3 ALLDAY PROJECT「FAMOUS」
7/10 aespa「Dirty Work」
7/17 BLACKPINK「JUMP」
7/24 BLACKPINK「JUMP」
7/31 BLACKPINK「JUMP」
Music Bank
7/4 fromis_9「LIKE YOU BETTER」
7/11 AHOF「Rendezvous」
7/18 CLOSE YOUR EYES「Snowy Summer」
7/25 NCT DREAM「BTTF」
Show! Music Core
7/5 なし
7/12 aespa「Dirty Work」
7/19 ALLDAY PROJECT「FAMOUS」
7/26 NCT DREAM「BTTF」
INKIGAYO
7/6 aespa「Dirty Work」
7/13 aespa「Dirty Work」
7/20 なし
7/27 なし
今月のひとりごと
ライター 岸野
TWICEソウルコンに行ってきました。360°ステージで見せてくれる10年目の渾身パフォーマンスに感動。両隣のメンズONCEさんが掛け声ガチ勢で最高でした。
編集 獅々堀
「ENHYPEN VR CONCERT : IMMERSION」の試写会でVRコンサートを初体験。心の底から「全人類が体験するべき」と強く感じました。テクノロジーの力ってすごい。
