ピエール瀧(電気グルーヴ)が、本日9月4日に東京・新宿バルト9で行われたアニメ映画「ホウセンカ」の完成披露舞台挨拶に登壇した。
「ホウセンカ」は、オリジナルアニメ「オッドタクシー」で監督およびキャラクターデザインを務めた木下麦、原作・脚本を担当した此元和津也のタッグによるオリジナル作品で、劇伴をceroが手がけている。小林薫と戸塚純貴が主演を務め、2人は無期懲役囚の老人・阿久津実の若い頃と現在をそれぞれ熱演。阿久津のパートナー・永田那奈の声を満島ひかりと宮崎美子が担当し、瀧は人の言葉を操る“ホウセンカ”の声を担当している。
舞台挨拶には監督とキャストが集結。順番にキャストたちが挨拶をする中、瀧は「この作品に美少女は出てきません。超能力も出てきません。レーザービームも出てこないです。鬱屈した主人公が特殊能力を手に入れて全開放して活躍するシーンも出てこないです。2025年にこの作品を劇場公開するということは、制作陣の皆さんにとってチャレンジングだと思います。これを皆さんに届けられることは非常に光栄でもあります。これから先は皆さんの感想なりが頼りでございます。最後は非常に“いい手触り”の空気になって、お帰りになれるかと思います」と独特の表現でアピールする。
小林は「役を演じたという実感がないんです。実写の場合は、メイクさんがいて衣装に着替えてセットの中に入っていく。だからスタンドマイクの前で声だけを出すのは、どうしても違和感が伴うんです。声だけでしか表現できないので踏ん張っちゃう。それが非常に疲れて、放心状態で家に帰りました」と2年前のアフレコを振り返り、「ピエールさんも歩いて帰ったと聞いたので、同じように放心状態だったんだと思っていたのですが、さっき聞いたら『僕はどこでも歩いて帰るんですよ』と言われて。なんだ、違ったのか」と照れ笑い。また瀧は「小林さんに声優のイメージがなかったので『台本はそーっとめくると音がしなくていいですよ』とアドバイスさせていただいたんです。そのあとに『この人、ジブリやってる!』って気が付いて。ものすごく恥ずかしくなりました」と当時のことを回顧した。続けて「ただ、そっから2人で小林さんと2日間、声をあてさせていただきまして。僕としては小林さんとお芝居ができて、非常に貴重な経験をさせていただけて感謝の限りです」と真摯に語った。
舞台挨拶の終盤では、本日74歳の誕生日を迎えた小林を祝う演出も。戸塚から花束、木下から描き下ろしの似顔絵イラストが贈呈された小林は「阿久津のイラストかと思ったら、僕をイメージしてくれたとのことで。こんなにうれしいことはありません、家宝にします」と口にした。
映画「ホウセンカ」は、10月10日に東京・新宿バルト9ほか公開される。
©此元和津也/ホウセンカ製作委員会
