2002年生まれ、長崎県長崎市麹屋町出身のラッパー・ソングライターのKohjiyaが、6月1、2日に東京・日本武道館でワンマンライブ「THE KIDS NEVER MET SHOW」を開催した。
客演発表なしで2DAYSソールドアウト
小学校6年生だった2014年に地元の同級生とヒップホップクルーMADz'sを結成してラップを始め、高校在学中の2020年にソロデビューしたKohjiya。そこから¥ellow BucksやIO、KEIJUといったシーンのトップを走るラッパーとのコラボで注目を浴びた彼は、2024年に「この1年を自分の年にする」という意気込みを込めた作品「KJ SEASON」をリリースし、オーディション番組「RAPSTAR 2024」に参加。誰もが認めざるを得ないブッチギリの才能を示して、優勝を果たした。
その勢いのままシーンの最前線を走り続け、さまざまな会場を舞台にワンマンライブを重ねてきたKohjiyaは、初の武道館公演を2日間にわたって開催することを昨年12月に発表。ここ数年でラッパーの武道館公演は急増しているが、いきなりの2日間開催は異例だ。さらに異例だったのは、事前に客演を一切発表しないということ。そんな中でもチケットは両日ともにソールドアウトし、熱狂的なファンが武道館を埋め尽くした。この記事では2日間の公演の内容の違いにも触れつつ、その尋常ではない盛り上がりをレポートする。
開演前からありえないほどの大合唱
両日とも朝から物販には長蛇の列ができ、多くのグッズが売り切れに。中でもKohjiyaが「ラップスタア」で見せた不敵な微笑みがプリントされたライターは争奪戦だったようだ。その後、開場時刻を迎え、続々と入場したファンは、ライブが始まる前からKJコールで大合唱。注意事項のアナウンスが流れても一切聞こえないほどの盛り上がりだ。そんな異様な状況の中、客電が落ち、スクリーンにKohjiyaのこれまでを振り返る映像が流れると本人が登場。地鳴りのような大歓声の中、「Kick Back」でライブが始まり、すさまじい音を立てて特効が炸裂する。2日目の登場時には「緊張気味です」と笑ったKohjiyaだが、その言葉が冗談としか思えないほど風格ある立ち振る舞いで観客を熱狂させた。
両日とも最初の4曲は同じ。ミニアルバム「KJ SEASON」から「Kick Back」「KJ Season Freestyle」「Reach Out Rich」の3曲と「ラップスタア」で制作されたKoshyプロデュースの「Never Disappoint」が畳みかけられる。全曲全ヴァース大合唱の嵐で、特に「KJ Season Freestyle」でファンが声をそろえて「KJはリスナーを裏切らない!」と叫ぶ場面は印象的だった。ラッパーのライブで合唱はつきものだが、この日集まったKohjiyaのファンの声量は桁違い。Kohjiyaの絶大な人気の証であり、歌いやすくキャッチーなフレーズを生み出す彼の卓越したソングライティングの賜物とも言えた。
続々ゲストで鳴り止まない歓声
客演を一切発表していなかったKohjiyaだが、両日で異なるゲストを次々に迎えてライブを進行していく。初日は同世代であるlj、Hezron、Only Uとともに若手らしくアグレッシブな楽曲を連発。一方、2日目は先輩ラッパーのSALUやシンガーの3Houseを呼び込み、ややアダルトなムードで観客を魅了した。両日ともにライブ序盤のハイライトとなったのが、ヒップホップフェス「POP YOURS」のオリジナル曲「Champions」だ。通りのいい声で伸びやかに歌うKaneee、高速ラップを炸裂させるYvng Patraが、Kohjiyaとのコラボレーションで観客を沸かせた。
すでにライブは大成功と言える盛り上がりだが、「1つだけ心残りがあって……」と切り出したKohjiyaは、「本当は今日この場に一緒に立って、ここからの景色を一緒に眺める仲間がいたんですよ。そいつは今日来れなかったんですけど、そいつのために書いた曲を歌って、俺は次のステージに進もうと思ってます」と語ると「Lost Friends」へ。Kohjiyaが語った通り「Lost Friends」は、彼がキャリアを重ねる中で直面した地元の仲間との別れや苦悩を率直につづった1曲であり、初日の終演後にはミュージックビデオも公開された。
地元の仲間、育ての親とともに
MADz'sの楽曲「Changes」で小中学生の頃からの仲間であるSHIÓLA、AURALを武道館に立たせたKohjiya。彼が自身のキャリアを語るうえで欠かせない人物として、もう1人その名を挙げたのがプロデューサーを務めるKORKだ。
KORKはKohjiyaが所属するIsland Stateの主宰であり、まだ何者でもない中学生の頃からKohjiyaをバックアップしてきた。そんな育ての親の紹介からKohjiyaは代表曲「DREAMIN' BOI ISSUE」を披露。この曲のデモをKORKに賞賛されたことから、Kohjiyaは本格的に自身のキャリアを切り開いていったのだという。このほか2日目ではTade Dustとのコラボ曲「LIKE THAT」や、IOがKohjiyaをフックアップした楽曲「Racin'」も披露され、武道館は終始歓声に包まれていた。
1stアルバムのデラックス版を示唆
本公演に先立つ4月に“トレンドや時代に左右されない存在を目指す”という思いを込めた1stアルバム「TIMELESS」をリリースしたKohjiya。ライブ中盤には「Visitor」を皮切りにアルバムの楽曲を立て続けに披露し、ホーンやストリングスをフィーチャーしたgloビートの「Keep Goin' Rozay」では、ダンサーチームを迎えて迫力あふれるパフォーマンスを展開する。
アルバムの中でも特に人気の「Ma Boyz」ではMIKADO、G-k.i.d、Teteという豪華客演陣が迎えられるのだが、2日目ではさらなるサプライズとしてeydenと¥ellow Bucksという2人の“ラップスタア”もこの曲に参加。「Roulette」ではオリジナルバージョンに参加しているKaneee、Yvng Patraでなく、これが初コラボとなるDADAが迎えられ、アルバムのデラックスバージョンのリリースが示唆された。
MELRAW率いるバンドと迎えたクライマックス
ダンサーのIDE MIUを迎えた「Back Home」でアルバムのセクションが締めくくられると、Kohjiyaのバックに控えていたMELRAW率いるバンドとストリングスが姿を見せる。あっという間にライブも最後のセクションだ。「ラップスタア」の応募曲であるChaki Zuluビートの「G.O.A.T」でバンドセットのパフォーマンスを開始したKohjiyaは、続く「Tell Me How It Goes」で成功したラッパーとしてのリアルな葛藤と地元愛を歌う。「はよJ-Popって言われないと街は変わらんやろ」というリリックからは、ヒップホップで地元を盛り上げようとする彼の強い思いが伝わってくる。
ライブ終盤でもKohjiyaの声量は安定しており、バンドのダイナミックな演奏に飲まれることなく、クリアな声が武道館の隅々まで届いていた。もちろんファンの声量も落ちることなく最後まで大合唱。両日ともにKORKがプロデュースを手がけたIO、Teteとの「Spotlight Remix」が披露され、初日は唾奇を迎えた「POP YOURS」オリジナル曲「PAGE ONE」、2日目はBIM、PUNPEEとの「DNA」が熱狂的なクライマックスを生み出した。
アンコールでさらなるサプライズ
本編終了後、すぐに“GO KJ”というコールが巻き起こり、再びステージに立つKohjiya。「Broke Boy Rich」で始まった初日のアンコールには、とんでもないサプライズが用意されていた。この日に完成したばかりだという新曲「Bigger Than Big」をKohjiyaが歌い始めると、スクリーンに「SURPRISE」の文字が表示され、Awichが現れる。大きなどよめきが起こる中、「MORE SURPRISE」が続き、なんとT-Pablowまでもが登場して、3人が並び立つステージが上昇。シーンのトップに君臨する2人とのコラボで、会場は爆発的に沸き上がった。
その興奮冷めやらぬ中、Kohjiyaはここからの撮影を許可する代わりに、観客にライトの点灯を求めると、Bonberoを迎えた「Denied」をクールにラップ。最後はソウルフルなビートの「Shine」で初日公演を締めくくった。
2日目のアンコールは、新潟のプロデューサーFuji Roseがプロデュースしたアルバム収録曲「All I Need」でメロウにスタート。ここでKohjiyaは11月21、22日に地元・長崎の長崎スタジアムシティ HAPPINESS ARENAで2DAYS公演を開催することを発表すると、「DREAMIN' BOI ISSUE Pt.2」で「選べない地元を愛してる」と長崎への思いを力強くラップする。
その後、2日目最後のゲストとして迎えられたのは、STUTSとHana Hope。「ポカリスエット」のテレビCMソングであり、Kohjiyaが「ミュージックステーション」や「THE FIRST TAKE」に出演するきっかけともなった「99 Steps」がバンドセットで披露される。STUTSからお酒のプレゼントを受け取ったKohjiyaは、3年前に行われたSTUTSの武道館公演にファンとして観に来ていたことを明かし、武道館で共演できる喜びを語った。そして2日間の公演を締めくくるナンバーとして、Kohjiyaが選んだのはZOT on the WAVE & dubby bunnyプロデュースのアルバム収録曲「Life Is Not Automatic」。エモーショナルなビートに乗せて、家族や仲間と一度きりの人生を歩んでいく意志を歌い上げた。
圧倒的な実力と人気で武道館2DAYS公演を大成功させたKohjiya。これから彼がどんなキャリアを歩み、どんな景色にたどり着くのか注目だ。
セットリスト
Kohjiya「THE KIDS NEVER MET SHOW」2026年6月1、2日 日本武道館
DAY1
01. Intro~Kick Back
02. KJ Season Freestyle
03. Reach Out Rich
04. Never Disappoint
05. Kenzo feat. lj,Hezron
06. Rarri feat. lj,Only U
07. With Friends feat. Only U
08. Champions feat. Kaneee,Yvng Patra
09. Lost Friends
10. Changes feat. MADz's
11. DREAMIN' BOI ISSUE
12. Visitor
13. Keep Goin' Rozay
14. Ma Boyz feat. MIKADO,G-k.i.d,Tete
15. Stand The Rain
16. What I Do
17. Back Home
18. G.O.A.T
19. Tell Me How It Goes
20. Spotlight Remix feat. IO,Tete
21. PAGE ONE feat. 唾奇
22. Life Is Not Automatic
<アンコール>
23. Broke Boy Rich
24. Bigger Than Big feat. Awich,T-Pablow
25. Denied feat. Bonbero
26. Shine
DAY2
01. Intro~Kick Back
02. KJ Season Freestyle
03. Reach Out Rich
04. Never Disappoint
05. Talk 2 Me
06. Lost Friends
07. BRIGHT TIMES feat. SALU
08. Rouge540 feat. 3House
09. Champions feat. Kaneee,Yvng Patra
10. LIKE THAT feat. Tade Dust
11. Changes feat. MADz's
12. DREAMIN' BOI ISSUE
13. Racin' feat. IO
14. Visitor
15. Keep Goin' Rozay
16. Ma Boyz ~ REMIX feat. MIKADO,G-k.i.d,Tete,eyden,¥ellow Bucks
17. Roulette REMIX feat. DADA
18. What I Do
19. Back Home
20. G.O.A.T
21. Tell Me How It Goes
22. Spotlight Remix feat. IO,Tete
23. DNA feat. BIM,PUNPEE
<アンコール>
24. All I Need
25. DREAMIN' BOI ISSUE Pt.2
26. 99 Steps feat. STUTS,Hana Hope
27. Life Is Not Automatic


