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「RAPSTAR 2026」の応募動画の中から注目ラッパーを紹介

「RAPSTAR 2026」ロゴ ©︎AbemaTV, Inc.
17分前2026年10月05日 10:01

毎年大きな話題を集め、参加者の中から人気ラッパーを数多く輩出しているオーディション番組「RAPSTAR」。今年は賞金が300万円から1000万円に跳ね上がったこともあり、応募者数も過去最多の1万2953人となった。10月10日の放送開始に先駆けて、SNSでは選抜された133人の応募動画が公開され、すでに大きな盛り上がりを見せている。

この133人からいったい誰が審査を勝ち抜き、新たな“ラップスタア”となるのか。放送直前企画として、アボかど、ShotGunDandy、LilPri(USB)というヒップホップライター3人に加えて、「RAPSTAR」を利用して成り上がりを果たしたラッパーのTee Shyneに、応募動画の中で特に印象に残ったラッパーをそれぞれ4人ずつ紹介してもらった。この記事を参考にしつつ、読者も応募動画の中から好きなラッパーを見つけ、番組をより一層楽しんでほしい。

企画・構成 / 3NK

アボかど

4人に絞るのは難しい作業でした。私やほかの有識者の方々が今回選ばなかったラッパーの中にも素晴らしいラッパーはいますし、残念ながら落選してしまったラッパーの中にもいるということは最初に強調しておきたいです。

SAFUJI / 21歳 / 神奈川(使用ビート:Lion Melo)

SAFUJIはノー・リミット(※ニューオーリンズのラッパー、マスター・Pによって設立されたアメリカのヒップホップレーベル)勢を思わせるアグレッシブなラップで、Lion MeloのビートをまるでKLCのビートのように聴かせていてサウスヒップホップ好きとしては惹かれました。ビートが始まってから即ガツガツとラップを始め、「FUJI」の雄叫びを挟んで一気に畳みかけていく流れにはスカッとする爽快感があります。パッと聴き下ネタっぽい単語を使って自身の物語を話すリリックも印象的でした。ただユーモアがあるというだけではなく、その使い方のうまさがあると思います。アドリブの言葉選びも面白いです。

MOSURA / 17歳 / 新潟(使用ビート:D3adStock)

MOSURAは自身をトキに例えるリリックに新潟のラッパーらしさがあってよいです。トキは成長に伴って羽の色が変化するのですが、それでアーティストとしての規模の成長を表現しているのがうまいと思います。発声を変えてコントラストを付けるエモーショナルな聴かせ方も見事です。また、去年新潟のフェス「南魚沼収穫祭」で新潟の新人アーティストを発掘するオーディションが開催されて、私が審査員を務めたのですが、MOSURAはそのときに最終選考まで残ったラッパーでした。彼はパフォーマーとして素晴らしいので、番組でパフォーマンスが放送されたら動画の“025倍”くらいカッコいい姿を観ることができると思います。

SEISA / 25歳 / 沖縄(使用ビート:Neetz)

SEISAはキャッチーなフックを雨に打たれながら歌い上げる様に一発でファンになりました。大きい会場で「Everybody say love you」のシンガロングが起きたらめちゃくちゃ感動すると思いますし、その姿が浮かぶような華があります。また、「たしかまだ暑かったDecember」のラインは雪国で暮らす者としては驚きがあり、気になったポイントでした。Awich「琉球愛歌 Remix」にも似たようなラインがありますが(引用?)、沖縄の生活が強く表れているラインだと思います。映像が浮かぶような巧みな情景描写、サッカー経験を語ってから出てくる「ボールからバースに」と“蹴る”対象が変化したことを表すラインも印象的でした。

Esosa Vee / 29歳 / 東京(使用ビート:Neetz)

Esosa Veeは安定したスピットと自然とポリティカルな話題にもつながっていくようなリリックも素晴らしいのですが、私が最も惹かれたポイントは構成の面白さでした。このNeetzのビートはイントロ→フック→ヴァース→フック→アウトロという構成です。しかし、Esosa Veeはここでイントロ→ヴァース→フック→ヴァース→フックで曲を書いており、音数が減って感傷的になるアウトロ部分に2回目のフックを持ってきています。このズラしたソングライティングはほかのラッパーはあまりやっていない試みでした。これによって2回目のフックを最初のフックよりもエモーショナルに聴かせています。オーセンティックな乗せ方をしているようでユニークなラッパーです。

以上、私が気になった4人でした。先述した通り素晴らしいラッパーは多くいるので、誰が勝ち上がってもおかしくないと思います。読者の皆さんもぜひアップされている動画を観てお気に入りのラッパーを考え、一緒に結果を見届けましょう。

ShotGunDandy

Joe Cupertino / 28歳 / 東京(使用ビート:GRADIS NICE)

今回の応募者の中では、一番よかったと思う。
ラップスタアの応募者なので、ラップのスキルが高いのはもはや当たり前。そのうえで言うと、普通はこれだけ多彩なフロウを魅せると全体的にごちゃついて散らかった印象になりがちだが、彼の場合はしっかりまとまりがあり、聴いていてとても心地よい。さらに、フロウを次々と変えながらもリリックがハッキリとリスナーに届いてくるところも素晴らしい。
昔からありがちな「誰かの真似」という感じもなく、自分自身のノリや雰囲気をしっかりと披露しており、オリジナリティにもあふれている。何よりラップにかなり余裕を感じる。その余裕が圧倒的な「シブさ」にもつながっていると思う。英語の発音もよく、英語をさりげなく混ぜる使い方も好き。バイリンガルラッパーとしての強さもしっかり感じる。

Will Support / 24歳 / 福岡(使用ビート:Lion Melo)

なんと言ってもほかでは味わえない独特なノリとワードセンスがたまらない。特徴的な声も最高で、一度聴いたら耳に残ること間違いなし。独特なワードプレイがよいだけでなく、リリックがハッキリと聞こえるからこそ、リスナーに「次はなんて言うんだろう?」と思わせてくれる楽しさがある。細かいフロウの変化もユニークであり、リスナーをまったく飽きさせない。
「RAPSTAR」はやはり“STAR”を発掘するコンテンツだと思うが、そのためにどうしても必要なカリスマ性も、彼には存分に備わっている。まさに「次世代のスター」にふさわしいラッパーだ。

TAKEKO420 / 24歳 / 福岡(使用ビート:GRADIS NICE)

彼の応募動画は初見からかなり印象深く、今回の応募者の中でも一番記憶に残っている。初見でそれだけのインパクトを与えられること自体、スターに必要な大きな要素。ふざけたリリックも最高だし、その“ふざけた感じ”をライミングによってさらに強調したリズムを生み出すことで独特のノリとして成立させているのも素晴らしい。
「どこかで聴いたことのある声やノリ」ではなく、TAKEKO420でしか味わえない栄養素があるような感覚も魅力的だ。繰り返しになるが、一度見れば忘れないインパクトがありながら、同時に癖になるノリも兼ね備えているハイブリッド型のラッパーであり、だからこそ何度も聴きたくなるし、何よりリスナーとして純粋に聴いていて楽しい。その“聴いていて楽しい気持ちにさせる力”という部分では、今回の応募者の中でもトップクラスだと思う。

Almond Eye / 15歳 / 沖縄(使用ビート:GRADIS NICE)

とにかく次世代のラップシーンを牽引してくれるポテンシャルしか感じない。言葉で表現するのが難しいが「格好のつけ方」がうまくて、それがしっかり様になっている。無理に作っている感じではなく、内側からにじみ出るようなカリスマ性と大物感がある。
技術的な面で言えば、それぞれの単語の発音を滑らかに出すことに非常にたけており、それによって流れるようなフロウを生み出せているのが印象的。しかも、それをほぼ地声のままでやれているのがすごいし、聴いていてとにかく気持ちがいい。
リリックも言葉遊びにあふれていて、かなり好み。例えば「インスタLINEが鳴りっぱなし」というリリックは、ブライアンのリリックを引用したものだが、そういう細かい部分でもしっかりリスナーを楽しませてくれるのが素晴らしい。
年齢はもちろん考慮すべきではないかもしれないが、15歳にしてこのスキルと貫禄は20年に一度出るか出ないかぐらいであり、まさに逸材である。

LilPri(USB)

S TILL I DIE / 27歳 / 東京(使用ビート:Neetz)

「好きなことやってんのに金がなければ惨め つけにきたぜ今までの自分とのケジメ」。渋谷kiLLa一派からの本命、おふざけなしの東京の音。単純に曲としては今回公開された応募動画の中でこれが一番好きで普段聴きのプレイリストに放り込みたいくらい。昨今の流行である00年代アンダーグラウンド回帰系の語りに近いラップスタイルは、妙にキザったらしい態度で気恥ずかしさを感じるものも少なくないが、S TILL I DIEのガチガチにハードボイルドでbigger than lifeなパーソナリティはサバ番に参加することすらもホンモノの流儀かのように感じさせる。

wood pure luvheart / 26歳 / 神奈川(使用ビート:krynX)

大阪アングラ界でおなじみのCNG Squadの一員。案の定ハイパーポップ寄りの歌ラップ勢から人気が集中したkrynXビートを用いながら、SHINGO★西成とチャネリングしたようなコテコテ関西弁語り系フロウで挑んでいるのがまず新しい。「GUNSO WALK」以降のアンダーグラウンドのトレンドともつながっているので、去年のHARKAの先にあるスタイルとして、また前述の歌ラップのアンチテーゼとして評価されるかどうかが見もの。ラストにアンセミックなフックを置いたところからは、バランスの取れたソングライティング能力が垣間見える。

SAFUJI / 21歳 / 神奈川(使用ビート:Lion Melo)

Worldwide Skippaをディスした曲から頭角を現し始めたラッパーで、独特のユーモアを含んだアクが強いワードプレイと、倍速の型にはまらないBenjazzyのような荒れ狂うファストラップが最大の武器。今年リリースされた曲からはすでにラップスタアをすっ飛ばして「Red Bull 64 Bars」(※ラッパーが一発録りで64小節をラップし続ける企画)でぶちかませるくらいの基礎力の高さを感じる。優勝のビジョンは正直言って見えないが、一昨年のCarz(※「RAPSTAR 2024」でFINAL STAGEまで進出した横浜のラッパー)の位置まで行ければいいかなと。この応募動画では地元愛と複雑な家庭環境を歌っており、本編のフッドステージでの撮れ高がたっぷりありそうという意味でも上位進出に興味が湧く。

Dumbperson / 21歳 / 北海道(使用ビート:Chaki Zulu)

今年SEEKSPACERULERとやってた曲「Good Slime」にあった「We some riders 起こす嵐まるで相葉」というラインが気に入って個人的に注目していた人。中学生時代からバトル界隈では有名だったらしい。声やスタイルは比較的ベーシックながら安定したライムに手際いいフロウチェンジ、奇をてらわない巧さとディテールのセンスが光る。ドパガキからヒップホップ老害にまで幅広く支持されるタイプなのでは。「一銭もないとこから蔓延 山頂でしか舐めれない岩塩」は、蔓延→万円、ヤギ(GOAT)は岩塩を舐めるという意味だと推測できるが、その前の八木の代打ち(アカギ)と掛けてる?ヒマラヤ岩塩?など、いろいろと深読みし甲斐があって面白い。

Tee Shyne

Kee Rooz / 21歳 / 千葉(使用ビート:Lion Melo)

俺の大親友のTade Dustの弟なので応援しています。お兄ちゃん譲りでラップがうまいですよね。リリックもいいし、そういうところもお兄ちゃんを感じますよね。一緒に曲やりたいくらいですね。
てかその前にお兄ちゃん!
ひさしぶりに一緒に遊ぼうぜ。
そういえば最近お兄ちゃんと連絡取れないな。

Filix王 / 26歳 / 東京(使用ビート:Neetz)

全部いいですね。新しいスタイルを確立してると思います。リリックも面白いし聴き心地もいいし。
お笑い芸人っていう噂を聞いたんですけど、本当なんですか?
M-1とラップスタアの二冠達成期待してます。

Nia Varan / 25歳 / 東京(使用ビート:D3adStock)

ラフスタ(※Kamuiとポーザー白石がTwitchで運営しているヒップホップ配信チャンネル)で会ったんですけど、めちゃくちゃサッカーのゲーム強かったですね。この前「TOKYO GAME SHOW 2026」のPlayStationの配信でトーナメントマッチをやったときも、負けそうになったら裏にいるNia Varanくんと交代しようと思ってたんですよ。
いろいろあってナシになったんですけど(笑)。

S TILL I DIE / 27歳 / 東京(使用ビート:Neetz)

俺が売れてないときからお世話になっている地元の先輩です。ライブのやり方や現場での礼儀などたくさんのことを教えてくれました。3、4年前にSくんが言ってくれた「俺が売れてもう一度渋谷を盛り上げるからついて来い」という言葉は今でも忘れません。ラップスタア優勝して俺と一緒に渋谷を盛り上げましょう! 優勝できなくてもSくんは俺の中ではラップスタアです!
いつでも遊びましょ(笑)。

選者プロフィール

アボかど

1991年生まれ、新潟県出身・在住の音楽ブロガー/ライター。2012年から新譜のレビューを中心とした音楽ブログ「にんじゃりGang Bang」を運営している。2025年にLil'Yukichiとともに監修した書籍「サウス・ヒップホップ・ディスクガイド」を刊行した。
アボかど (@cplyosuke) | X

ShotGunDandy

ヒップホップ翻訳家。幼少期から沖縄とアメリカを行き来しながら育ったマルチリンガルのアメリカ人。ヒップホップの深い知識を生かして楽曲の和訳やスラング、メッセージやリリックの意味をYouTubeなどで解説している。ビートメイカーでもあり、東京で開催される世界規模のビートサンプラーバトル「King of Flip 2025」では準優勝を果たした。
ShotGunDandy (@ShotGunDandymk3) | X

LilPri(USB)

自称インターネットA&R(ネット軍師)。重低音と笑える歌詞と生活に密着したアヴァンギャルドな音楽が好き。リアルなストリートのファッションとカルチャーを勉強中。
USB (ᐡ•ᴥ•ᐡ) (@LilPri_) | X

Tee Shyne

東京・渋谷出身のラッパー。ABEMAのオーディション番組「RAPSTAR 2024」にて「SELECTION CYPHER」で敗退したのち、番組を批判した楽曲「RAPSTAR DIS」を発表し、一気に注目を浴びる。「RAPSTAR 2025」では前年同様「SELECTION CYPHER」で敗退し、引退を宣言するも、審査員全員をネームドロップしたディス曲「RAPSTAR DIS 2」でシーンにカムバックした。
Tee Shyne (@TeeShyne917) | X

「RAPSTAR 2026」番組概要

初回配信日時:2026年10月10日(土)22:00~22:45
初回配信URL:https://abema.tv/channels/hiphop/slots/9QLZ8tCTpFj3yy
審査員:SEEDA / R-指定 / Benjazzy / KM / C.O.S.A. / LEX / ¥ellow Bucks
ビートメイカー:Chaki Zulu / D3adStock / GRADIS NICE / krynX / Lion Melo / Neetz / rxl
「RAPSTAR」公式サイト
「RAPSTAR」公式X
「RAPSTAR」公式インスタグラム

©︎AbemaTV, Inc.

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