本日2月19日に東京・代官山 蔦屋書店3号館2階 代官山SessionでMBS / TBS“ドラマイズム”枠の新作ドラマ「死にたい夜にかぎって」の第1話先行試写会イベントが行われ、原作者の爪切男やエンディングテーマを担当するBiSHのアイナ・ジ・エンドらが登壇した。
「死にたい夜にかぎって」は爪切男の実体験をもとにした同名エッセイが原作の新ドラマ。主人公・小野浩史の女性に振り回された半生が、人生最愛の彼女・橋本アスカと過ごした6年間を中心に描かれる。本日行われたイベントには爪切男、アイナのほか、主演の賀来賢人、脚本の加藤拓也、メガホンを取った村尾嘉昭監督が参加し、トークセッションを行った。
第1話の先行上映後、賀来は「自分が出ている作品と言うのは冷静に観れないことが多い。でもこの作品は最初から最後まであっという間に終わってしまって。現場でも手応えがあったし、純粋に早く続きが観たいなと思いました」とコメント。緊張気味の村尾監督は原作との出会いについて「溝の口の本屋さんで見つけたポテチ(光秀)さんの表紙の絵がかわいくて、読んでみたらハマりました。すぐに(ドラマの)企画書を書いて、どうやったら原作権が取れるのかも調べて爪さんに会いに行きました」と話し、神奈川・横浜にあるサウナ&スパ、おふろの国でのサウナとトークショーを楽しむという爪によるイベントに足を運んだと振り返る。「サウナは混んでたんですけど、イベントの参加者は1人だけで(笑)」という村尾監督の言葉を受け、爪は「僕はドッキリだと思っていました(笑)。でもサウナで服を来てない状態でオファーを受けまして、熱意はそのときから感じていました」と語った。また賀来は村尾監督による熱烈なオファーによって主演を務めることになったという。その経緯について賀来は「こんな熱烈なオファーを受けたのは初めてでした。あの手この手でオファーが来てマネージャーがうろたえてました(笑)」と述べつつ、このドラマが当初は実話だと思っていなかったことも明かす。「ラブストーリーや男女の話はご都合主義の部分がありますよね。そしてこのドラマはもちろん実話をベースにしたものだということもあるけど、そうじゃない面白さがあったので即答でお返事させていただきました」「主人公の浩史は破天荒な人と関わっていて、絶望した状況でも『まあいっか』という精神がありますね」という賀来の発言に、爪は「実際はもっとひどい部分もあったんですけど、自分の中でいい思い出として書ききって消化させたかったので、ちょっとした自分の願いも入っています」と付け加えた。
トークショーの後半、ゲストとして壇上に上がったアイナはまず、自身で作詞作曲を手がけた書き下ろし曲「死にたい夜にかぎって」について「私、書き下ろしというのが人生で初めてで。原作がとても好きだったので、苦しむこともなく爪さんの言葉を好きなように捉えて書かせていただきました」と説明した。エンディングテーマを手がけることとなったアイナに向けて、爪はダイレクトメールを1通だけ送ったことを明かし、「何卒よろしく、と礼儀として送りました(笑)。何もNGはないので好きなように、思ったようにやっていただけるのが一番だと思ったので」と述べた。アイナは曲作りについて問われると「すぐ作れるほど器用じゃないんですけど、爪さんの言葉が脳裏に焼き付いていたので歌詞はいつもよりすらっと書けて。男の人目線の歌詞を初めて書いたのでAメロBメロのキーは自分史上一番低いところから歌わせていただいて、“自分なりの男らしさ”を表現しました」と語った。アイナはドラマで気になったシーンを挙げ、「寝起きでアスカが浩史の首を締めるシーンがあって。その首を締めた回数分、浩史はスタンプを押して貯めていくんですね。首を締められてるのにそれを自分のご褒美にするなんて、浩史はどれだけポジティブなんだって思いました(笑)」と笑顔を見せる。爪は「実際に100均に行ってスタンプカードと台紙を買ってきました。アスカは病気治療の副作用で首を締めてしまうことがあって。あまりにも首を締める回数が多くてあっという間に台紙が埋まりました(笑)。自分でも思い出に残っているところなので面白いと言ってもらえてうれしいです」と自身の体験を振り返った。賀来はその撮影時に「同じ場所のシーンをまとめて撮影するシーンがあるので、1日中首を締められる日もありました(笑)。山本舞香ちゃんも本気でやってくれたので苦しかったです」と場内の笑いを誘った。さらにアイナの楽曲について賀来は「この作品の質をドーンと上げてくださって。1話もそうですけど、いいところでエンディングテーマが流れますし、曲でドラマを盛り上げてくださって、感謝しかないです」と付け加えた。
なおアイナは第1話の一部シーンに出演しており、「居酒屋で2秒だけ浩史を見るというシーンでした。生まれて初めて演技をしたんですけど……全役者さんを尊敬しました。演技をするってすごいですね」と撮影した感想を話す。村尾監督は「あの居酒屋のツーショットは大好きなシーンです。アイナさんが見せる笑顔にアーティストさんの表現力はすごい、と(思った)」とアイナの演技に賛辞を送った。さらに登壇者から居酒屋でのシーンに場馴れ感があったという感想をもらったアイナは、「よく1人で鳥貴族に行って飲んでるんで(笑)」と思わぬ発言で場内を笑わせ、「原作がすごく好きだったので、夢のようです。素敵なドラマに花を添えられたらと思います」とコメントした。
MBS・TBS「死にたい夜にかぎって」第1話
MBS:2020年2月23日(日・祝)24:50~
TBS:2020年2月25日(火)25:28~