10月2日~4日にオンラインアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020」が開催された。これに合わせ、フェスのチェアマンを務めた指原莉乃が音楽ナタリーの取材に応じた。
毎年恒例、世界最大のアイドルフェス「TIF」は、今年も東京・お台場 青海周辺エリアで観客を動員して行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催中止に。その代替企画として初の試みとなるオンライン形式の「TIF」が実施されるに至った。フェスでは計6つのライブステージを中心に、全日程合わせて200組以上のアイドルがパフォーマンスを繰り広げた。
指原は3日間のオンラインフェスを終え、「本当に正直なことを言えば、『そりゃ生のほうが楽しいよな』とは思います。それは関係者の皆さんのほうがわかっていらっしゃるでしょうし、『オンライン最高でしたよ』とは素直に言えないですけど、この短い期間でよくここまでクオリティを上げてくださったなという印象です。ステージがたくさんあって、常にどこかのステージでライブをやっているので飽きないし、もちろんステージ間の移動もスムーズで」とコメント。初の試みとなったバーチャルアイドルたちによるステージ・バーチャルTIFについては、「めっちゃ楽しかったです! 初めてバーチャルアイドルの方たちとお仕事させていただいて、とてもプロフェッショナルだなと感じました。普段からトラブル慣れしているからか、そこへの対応がすごくて。皆さん仲良しだしすごく楽しそうで、勝手に好きになっちゃいました(笑)。コメント欄もバーチャルライブのほうが盛り上がってましたし、見習わなきゃいけないところも多かったです」と感想を述べた。
続いてフェスを通して新たに好きになった曲を聞かれると、指原は「ゆっふぃー(寺嶋由芙)さんの『彼氏ができたの』ですね。今回、偶然ライブを観たんですよ。自分の好きなグループを優先していたら新しい出会いがなさそうだなと思って、自分のタイムテーブルを組んでいなかったんです。私は歌詞重視派なんですけど、ゆっふぃーさんのライブではファンの方がコメント欄に歌詞を1行ずつ書いていて。優秀なファンの方がいるんだなと思ったし、その歌詞を見て曲を好きになりました」と答え、「アイドルが歌う感じの内容ではないですけど、ゆっふぃーさんだからこそ歌えるというか。ちょっとした生々しさと、昭和っぽい独特の雰囲気がありました」と楽曲の魅力を説明する。
さらに彼女は気になったグループとして神使轟く、激情の如く。の名前を挙げ、「魂からの叫びという感じでよかったです。神激さんのことは知っていたんですけど、パフォーマンスをがっつり観たのは初めてで、思わず見入っちゃいました。エネルギッシュなんですけど、そこに走りすぎず、本人たちはすごく冷静でカッコいいなと思いました」とその理由を語った。
また指原は自身がプロデュースする=LOVEのステージについて、「シンプルによかったです! 普段フェスではお客さんが棒立ちになってしまうカッコいいタイプの曲をやらないように気を付けているんですけど、今回はオンラインということもあり、『ズルいよ ズルいね』や『手遅れcaution』をセットリストに入れてみたんです。その新しい試みがハマってうれしかったですし、何より“魅せる力”が付いてきてるなとびっくりしました。大人になったなって」と絶賛。=LOVEの姉妹グループで、昨年の「TIF」でステージデビューした≠MEについても「≠MEは去年と同じ衣装を着て去年と同じくSMILE GARDENに立って、見た目はそんなに変化していないんですけど、体力が付いたなと感じました。去年はファンの方たちも『がんばれ……!』と見守る感じだったのに対し、今年はフェスでは初めてとなるオリジナル曲だけのステージを20分やって。イコラブと比べるとまだ華やかさはないですけど、かわいくてさわやかで、すごくいいステージだったと思います」とメンバーの成長を実感していた。
その後、現在のアイドルシーンの印象を聞かれた指原は「実力のある子が報われる世界であってほしいなと思いますね。今回も歌がうまい子がいっぱいいて、そういう子が長いパートをもらえるのがカッコいいグループだと思います」と語り、自身もファンであるハロー!プロジェクトについて「ハロプロ研修生ユニットもすごくうまかったですね。『あれで研修生か』と思うくらいの実力で。私はやっぱり歌唱力でぶん殴られたいんですよ」(笑)。実力のあるグループが長生きしていくと思いますし、ハロプロのファンは一度好きになったらなかなか離れないと思います」と言及。最後に今後のアイドルシーンに対し、「これからまた楽しい時期を迎えられるのはいいなと思います。今の状況を乗り越えて、やっぱり夏は『TIF』だよねと思えたら、アイドル界ももう1回がんばれるんじゃないかなって」と前向きな意見を述べた。
バーチャルTIF以外にも開放感あふれるLOFT STAGEやCGで作られたCG laboが新ステージとして設けられ、新たな試みが多く行われつつ無事に大団円を迎えた「TIFオンライン2020」。初日にはNGT48やBEYOOOOONDS、でんぱ組.incがメインステージであるHOT STAGEに登場し、それぞれ熱演を繰り広げた。また2日目にはTask have Funがつんく♂とのコラボレーションプロジェクト「つん♂タス♀」の第1弾シングル「あしたに向かうダイアリー」を初披露して注目を集め、HOT STAGEではトリを務めた私立恵比寿中学が堂々としたライブを披露。最終日はBiSHや豆柴の大群をはじめとするWACKグループがお互いの曲を交換するパフォーマンスで話題を呼び、2010年の初回以来10年ぶりに「TIF」に登場したももいろクローバーZは「行くぜっ!怪盗少女」「走れ!」など、10年前と同じセットリスト4曲をライブの前半に披露して視聴者を喜ばせた。そのほか日向坂46や乃木坂46 4期生、AKB48、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、ZOCら話題のグループも最終日に多く登場した。