12月18~20日に千葉・幕張メッセで、初音ミクに関する創作文化を体験できる大型イベント「初音ミク『マジカルミライ 2020』」が開催された。3日間にわたって計7公演行われたうち、この記事では最終日の3部の模様をレポートする。
ライブ開始直前、「これが最終公演だよ。テンション上げて!」という初音ミクの呼びかけを合図にライブがスタート。スクリーンに映し出されたミクは人差し指を高く掲げ、ナユタン星人の「太陽系デスコ」を歌い始める。巨大なミラーボールが回る中、オーディエンスはミクのイメージカラーであるブルーグリーンに灯るペンライトを揺らしてライブを盛り上げた。2曲目「ハイパーリアリティショウ」では、バンドメンバーが奏でるロックサウンドに合わせてミクがジャンプを繰り返す。「シャボン」の演奏中には会場内に大量のシャボン玉が舞い、曲を歌い終えたミクはシャボン玉が弾け散るような映像演出とともにスクリーンから姿を消した。
ミクと鏡音リンによるデュエットソング「Gimme×Gimme」を皮切りに、さまざまなバーチャルシンガーたちが代わる代わるステージに登場。KAITOはギターを手にしてバンドのフロントマンのような佇まいで「みかぼし」を熱唱した。ライブ中盤には初代ボーカロイド・MEIKOの発売15周年を記念したコーナーが展開され、MEIKOソロによるロックナンバー「忘却心中」、鏡音リンと鏡音レンを加えた3人で声を重ねた「Amazing Dolce」などMEIKOの楽曲が立て続けに披露された。MEIKOは自身のイメージカラーである赤のペンライトで真っ赤に染まる客席に向け「これから先もずっと歌を届けられるよう、応援よろしくお願いします」とメッセージを残し、次のバーチャルシンガーへとバトンをつないだ。
巡音ルカのバラードナンバー「完全性コンプレックス」が始まるとオーディエンスは席に座り、体を揺らしてルカの歌声に耳を傾ける。再びミクがステージに現れると、人間のボーカリストには再現不可能と謡われる高難度の楽曲「初音ミクの激唱」の演奏がスタート。ボーカロイドの持ち味を生かした畳みかけるような早口のフレーズが繰り出される中、白い羽根を生やしたミクは宙を舞い、バーチャルシンガーならではのステージングでオーディエンスを沸かせた。
リンとレン、それぞれの個性が反映されたダンスとともに届けられた「キミペディア」を経てライブは終盤へ。本編の最後に「初音ミク『マジカルミライ 2015』」のテーマソングとしてkz(livetune)が提供した「Hand in Hand」が披露されると、客席のオーディエンスは一斉に手を挙げて、会場内は一体感があふれる雰囲気に。スクリーンには世界中にいる初音ミクファンの映像が流れ、曲が終わると盛大な拍手の音が幕張メッセ内にこだました。
雪が降る映像がスクリーンに流れると、「SNOW MIKU 2020」の衣装に身を包んだミクがステージに登場。雪景色の街並みの映像をバックに「ぽかぽかの星」を歌い始めると、ステージ上から雪が舞い始め、会場は一気に季節感あふれる空間に変わった。イラストレーターの藤ちょこがデザインした「初音ミク『マジカルミライ 2020』」冬バージョンに衣装を変え、「私たちを愛してくれるみんなのために歌います」という言葉から披露された楽曲は、ピノキオピーが今年の「マジカルミライ」のテーマソングとして書き下ろした「愛されなくても君がいる」。ミクはオーディエンスに向けて指を差しながら「君がいるから」と歌い、「ずっと ここで 初音ミクでいさせてね!」という言葉を残してステージをあとにした。オーディエンスの興奮が冷めやらぬ中、スクリーンには「マジカルミライ 2021」の開催告知が映し出された。来年の「マジカルミライ」は10月に大阪・インテックス大阪で、11月に千葉・幕張メッセで開催される予定で、イベントの詳細は後日「マジカルミライ」のオフィシャルサイトでアナウンスされる。
初音ミク「マジカルミライ 2020」2020年12月20日 第3部 幕張メッセ セットリスト
01. 太陽系デスコ / 初音ミク
02. ハイパーリアリティショウ / 初音ミク
03. YY / 初音ミク
04. シャボン / 初音ミク
05. Gimme×Gimme / 初音ミク、鏡音リン
06. みかぼし / KAITO
07. まるいうなばら / 初音ミク
08. 忘却心中 / MEIKO
09. Amazing Dolce / MEIKO、鏡音リン、鏡音レン
10. きみとぼくのレゾナンス / MEIKO
11. 完全性コンプレックス / 巡音ルカ
12. アルビノ -revive- / 初音ミク
13. 初音ミクの激唱 / 初音ミク
14. キミペディア / 鏡音リン、鏡音レン
15. セカイ / 初音ミク
16. Hand in Hand / 初音ミク
<アンコール>
17. ぽかぽかの星 / 初音ミク
18. 愛されなくても君がいる / 初音ミク
※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。