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PEDRO「宝物のような時間、愛しくてたまらないです」横アリ活休前ラストライブで23曲熱演

約2年前2021年12月23日 7:04

アユニ・D(B, Vo / BiSH)のソロプロジェクト・PEDROが昨日12月22日に神奈川・横浜アリーナで無期限活動休止前ラストライブ「さすらひ」を開催した。

PEDROはベースボーカルのアユニ、サポートメンバーの田渕ひさ子(G / NUMBER GIRL、toddle、bloodthirsty butchers)、毛利匠太(Dr / Hack the Ceremony)という3人編成で2018年9月に始動。アユニはPEDROで活動するにあたって初めてベースを手に取り、始動発表直後に東京・新代田FEVERでPEDROとしての初ライブ「PEDRO first live "happy jam jam psycho"」を行った。今年2月にはBiSH、BiSらが在籍する音楽事務所WACKのアーティストで初の東京・日本武道館でのワンマンライブ「生活と記憶」を開催。去る9月には12月の横浜アリーナ公演をもって無期限の活動休止期間に入ることを発表し、11月にアユニが全曲の作詞作曲を手がけた3rdアルバム「後日改めて伺います」をゲリラリリースした。横浜アリーナは2018年5月にBiSHがワンマンライブ「BiSH "TO THE END"」を行った場所。当時のBiSHとしては過去最大規模のキャパシティのワンマン会場だったが、現在のBiSHはアリーナツアーを行うほどの人気を誇るグループに成長した。BiSHとPEDROの二足のわらじを履いて駆け抜けてきたアユニ、そして彼女を支える田渕、毛利からなるPEDROが迎えた活休前ラストライブのチケットは完売。アリーナ、スタンドを埋め尽くす観客がPEDRO最後のパフォーマンスを見届けた。

3人がステージに登場し、アユニが「PEDROです、よろしくどうぞ」と挨拶。PEDROは生活感のある言葉の中に、前向きな思いがにじむ「感傷謳歌」でライブの幕を開けた。ステージ上部には巨大な3面スクリーンが設置され、3人の姿が大きく映される。アユニは伸び伸びとした歌と演奏を聴かせながら、瞳を輝かせてアリーナ全体を見渡していた。火花の吹き上がる演出とともに「夏」を届けたPEDROは、続けて「猫背矯正中」を投下。田淵のエッジーなギターソロの勢いを盛り上げるVJ演出も相まって、アリーナクラスならではの迫力あるステージが展開された。

6曲目「乾杯」の前にはアユニが改めて「本日は横浜アリーナにお越し下さり、誠にありがとうございます。僭越ながら乾杯の音頭を取らせていただこうかと思います」と述べたあと、“音頭”から“温度”の話題へ。「人の温度を感じられないご時世。体温を感じたり、好きな人と触れ合ったりできない世界の状況。そんな中だから、人のぬくもり、支えてくれる人の優しさ、いろんなものに気付かされますね。皆さん毎日のように体温を測っていると思いますけど、数字では表せられないものがありますよね。愛とか、心の温度とか」と話し、仕切り直して「皆さまの人生と健康を祝しまして、乾杯!」と音頭を取った。「乾杯」の演奏が始まると同時に金銀テープが勢いよく発射され、きらびやかに舞った。その後、PEDROは「浪漫」などの楽曲を通して、アユニの人生観が詰まったかのような現実的でありつつも温もりを感じるメッセージを届けていった。

アユニは「今日で活動休止するけど、今日もステージでこのお二人と立てて幸せです」とPEDRO始動から約3年間、田渕と毛利に支えられてきたことに感謝を伝え、3人はしばらく始動時のエピソードを含む思い出話に花を咲かせた。その後、アユニは「毎日、夢のような時間だったんです。このライブが終わったらPEDROは活動休止。私は楽しかった時間、幸せな時間が夢とか幻だったのかなと思うんですけど、夢でも幻でもなくて全部、私の本当なんだって今はすごく思います。私が見てきた景色も触れてきた空気も、人の優しさも全部本物」とこれまでの出来事を愛おしみ、「今日一緒に過ごした時間も嘘なんかじゃなくて、全部本当です。これから先、PEDROとしてライブをすることはないと思うんですけど、今日の楽しかった時間を思い出してもらえたらと思います」と観客に向けて話した。

PEDROはハードな楽曲「pistol in my hand」のあと、勢いを保ったままセッションから「SKYFISH GIRL」を投下。立て続けに「自律神経出張中」「無問題」「NIGHT NIGHT」とキラーチューンを演奏した。アユニは活動休止前にアルバム「後日改めて伺います」について触れ、「どこかの誰かにとってはなんてことない音楽かもしれません。ここにいるあなたがた、そしてPEDROを愛してくれた皆さんの中に生き続けますように、と思って作ったアルバムです。だからPEDROが活動休止して終わってしまっても、PEDROの音楽をたくさんかわいがってくれたらすごくうれしいです」とコメント。さらに「次の曲は眠れない夜、消えてしまいたくなる夜のお守りになるような、そんな曲です」と話してから、アユニが全曲の作詞作曲を手がけた最新アルバムから「安眠」を披露した。さらにPEDROは「ぶきっちょ」「いっそ僕の知らない世界の道端でのたれ死んでください」「死ぬ時も笑ってたいのよ」などを演奏していく。「魔法」では炎がステージ上でゆらめき、巨大なミラーボールから乱反射する光が場内いっぱいに広がった。

ライブ終盤、最後のMCでアユニは「今日が来るまで、私はあまりうまく息ができなくて、涙が止まらなくなってしまって、昨日も今までもずっと何度も生活するのをやめちゃおうかなとか、もう全部投げ出しちゃおうかなとかたくさん思ってたんですけど、今日ちゃんと朝を迎えることができてよかった、今日までちゃんと生きてきてよかったなって思います。ここに来れて、歌って、聴いてくれるあなたがたがいて、今そう思います。いつも本当にありがとうございます。私はこうやってステージでカッコつけて偉そうなことを言ってるんですけど、私はチグハグですぐ全部わからなくなっちゃったり、すぐいろんなことを間違えそうになったりします。でもたくさん忘れたくないことがあって、そうやって絶望しちゃうたびにいろんなことを思い出して生きなきゃなって思います。そう思わせてくれるのは、周りにいる大好きな人たちと、大好きなあなたがたです。ありがとうの気持ちでいっぱいです。ありがとう」と素直な思いを吐き出していく。

続けて「人間ってすごく曖昧な生き物だと思うけど、人を簡単に私たちは傷付けてしまうし、傷付けられるし。でもときには人を愛したり、愛されたり。人ってお互い様で生きてると思うんです。生きていくって本当にそういうことだなって、強く思います。だから人に迷惑をかけたり、人を愛すことってすごくたくさん怖いことだなって思ったりもするんですけど、恐れないで生きていきたい。あなたがたもそういうことを恐れないで、自分の中にある正しさ、今まで触れてきた優しさを大事にして生きていてください」と観客に呼びかけたアユニ。最後に「何もかも嫌になっちゃいそうなときはこの時間とか、大切な人の言葉とかを思い出して、忘れないでいてほしいな。私もそうやって生きていきたいです。またどこかでお会いできたらうれしいです。お元気で。今日はありがとうございました」と感謝の言葉でMCを締めくくった。

PEDROは活休前ラストアルバムから「人」「吸って、吐いて」を続けてパフォーマンス。感情のこもった熱い演奏を観客に届け、感動を誘った。そしてラストを飾るミディアムチューン「雪の街」では、シューゲイザーの様相で轟音のギターサウンドを田渕が鳴らし、スモークがメンバーを包み込む。ギターのフィードバックノイズが響く中、田渕と毛利が先に退場。アユニは「ありがとう」とひと言だけ述べ、ステージを去っていった。終演後、スクリーンにはアユニ、田渕、毛利の連名で「宝物のような時間、愛しくてたまらないです。出会ってくれてありがとう。後日改めて伺いますね。さようなら、またどこかで。」という手書きメッセージが映し出された。

なおYouTubeでは横浜アリーナ公演から早速、「雪の街」のライブ映像が公開された。

PEDRO「さすらひ」2021年12月22日 横浜アリーナ セットリスト

01. 感傷謳歌
02. 夏
03. 猫背矯正中
04. GALILEO
05. Dickins
06. 乾杯
07. 浪漫
08. 生活革命
09. pistol in my hand
10. SKYFISH GIRL
11. 自律神経出張中
12. 無問題
13. NIGHT NIGHT
14. 安眠
15. ぶきっちょ
16. いっそ僕の知らない世界の道端でのたれ死んでください
17. 死ぬ時も笑ってたいのよ
18. おバカね
19. 万々歳
20. 魔法
21. 人
22. 吸って、吐いて
23. 雪の街

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