坂本龍一、Gotch(ASIAN KUNG-FU GENERATION)らが主催するプロジェクト「D2021」が、福島県南相馬市で酒蔵を立ち上げたhaccobaとコラボレートし、コンピレーションアルバム付きのお酒「土-D-」を制作。本作の完成を記念して5月22日に東京・KANDA SQUARE HALLにてライブイベント「D-composition」を開催する。
「D2021」は、東日本震災から10年の節目となった2021年3月に、“震災(Disaster)”“10年(Decade)”など、さまざまな「D」をテーマに掲げ、過去と向き合い未来を志向する活動としてスタートしたプロジェクト。このたびGotch、Subtle Control、岡田拓郎、小林うてな(蓮沼執太フィル、鬼の右腕、Black Boboi)、Shuta Hirakiの5名が「微生物に聴いてもらう音楽」として作曲した音源と、これらの楽曲を発酵過程で酵母菌に聴かせたお酒のセットを5月下旬より販売する。
本作の発売を記念したイベントではD2021のメンバーであるGotch、篠田ミル(yahyel)、哲学研究者の永井玲衣にSubtle Controlが加わった特別ユニットがアンビエントやノイズなどの即興演奏に乗せ、この日のために書き下ろした詩の朗読を披露。また小林、佐藤優介(カメラ=万年筆)、Eucademix(本田ゆか)によるパフォーマンスや、作家・劇作家の古川日出男による朗読も行われる。
チケットはPeatixにて販売中。
Gotch コメント
大震災と原発事故以来、様々な思いを抱えながら歩んできた米農家の根本さん。苦難を乗り越えた営みの結晶とも言えるお米を使って、南相馬に移り住んだ若者たちが取り組む酒造り。それはお酒の製造を越えて現地のコミュニティを温め、新しいつながりを育むような活動でした。彼らの豊かなつながりと共に振動するような音楽を鳴らしたい。音とその振動を微生物たちに聴かせて、特別なお酒を作るべく企画したのが今作品です。微生物たちがどんな音に反応するのかを想像したり、出来上がったお酒を楽しむ人たちについて思いを馳せながら、音楽家それぞれが楽曲を制作しました。
haccoba コメント
かねてより、酒づくりは「微生物との対話」により行われてきました。
微生物たちとより深い対話をするために、今回5名のアーティストに「微生物に聴いてもらう音楽」をつくっていただき、微生物たちと一緒に音楽を聴きながらお酒を醸していきます。
つくった音楽の音や振動、醸したお酒の味や香りが、社会にある複雑で大きな「問い」についてカジュアルに対話をするきっかけになることを願っています。
D-composition
2022年5月22日(日)東京都 KANDA SQUARE HALL
<出演者>
Utena Kobayashi / Gotch / 佐藤優介 / Subtle Control / Jiro Endo(LJ) / 永井玲衣 / 古川日出男 / Miru Shinoda / Eucademix (本田ゆか) / rokapenis(VJ)