大きなものから小さなものまで、“最近のK-POP”の話題を振り返るマンスリー連載「K-POP、最近どう?」。毎年恒例の大型授賞式や音楽特番の話題から大型新人グループの登場まで、今回も冬の寒さに負けないホットな話題が多数。本稿では、11月末から12月末にかけてのK-POPトピックの中から5つをご紹介します。
文 / 岸野恵加 イラスト / hakowasa
1. 大型授賞式ラッシュ!NewJeansが大賞席巻
年末にかけて、大型授賞式や音楽特番が多数放送されて華やぐ韓国音楽界。今年の各授賞式の結果を見ると、大賞に多く名を連ねていたのはNewJeansでした。「2023 MAMA AWARDS」「MMA2023(Melon Music Awards)」「2023 Asia Artist Awards」、それぞれで大賞2冠に輝いています。
SEVENTEENも、今年リリースした10thミニアルバム「FML」が「MAMA」「AAA」にて大賞である「今年のアルバム賞」を獲得。「MAMA」では、初の大賞受賞をメンバー13人が肩を抱き合って喜び、「私たちは後ろ指を指されていたグループでした」とWOOZIが懐古しながら語るなど、真摯なスピーチが多くのファンの胸を打ちました。そして新人賞は、3つのアワードすべてにおいてZEROBASEONEが受賞。「MAMA」ではtripleS、「MMA」ではRIIZEも新人賞に輝きました。
K-POPの大型授賞式といえば、ステージでの豪華なパフォーマンスも見もの。「MAMA」ではYOSHIKI(X JAPAN)のピアノとRIIZEのアントンによるチェロに乗せて、TOMORROW X TOGETHERのTAEHYUN、HUENINGKAIが「Endless Rain」を熱唱。さらにBOYNEXTDOORのJAEHYUNがラップ、ZEROBASEONEのユジンがダンスで参加するという意外な組み合わせに東京ドームが熱狂しました。
2. YGから7年ぶりガールズグループ、BLACKPINKは再契約
BLACKPINK以来およそ7年ぶりとなるYGエンターテインメントのガールズグループ・BABYMONSTERがついに「BATTER UP」でデビュー! 筆者も、3月から5月にかけてYouTubeで公開されたBABYMONSTERのメンバー選抜過程を追うドキュメンタリー「Last Evaluation」をドキドキしながら見守っていただけに、彼女たちのデビューは待望の瞬間でした。
メンバー最年少のチキータはまだ14歳。そして6人の平均年齢は16.8歳です。実力派の新人グループが次々にデビューする昨今ですが、BABYMONSTERのパフォーマンスをひと目見れば「この若さでこの実力の高さ!?」と誰もが驚くでしょう。ルカ、アサと日本出身のメンバーもおり、2人のキレキレのラップにも圧倒されます。今後の日本での活動にも期待したいところです。
そして姉貴分であるBLACKPINKは、4人全員が事務所と再契約したことが明らかに。グループの今後を案じていたファンは胸をなで下ろしたことでしょう。一方でメンバーのジェニーは、個人レーベル「ODD ATELIER」を設立。グループ活動に加えて、さらに幅広い活躍を見せてくれそうです
3. ATEEZが“中小の奇跡”、EXOチャート逆走
グローバルに人気を獲得し、独特な魅力を放ち続けるATEEZ。彼らが12月1日にリリースした2ndフルアルバム「THE WORLD EP.FIN:WILL」が、米ビルボード「Billboard 200」で初登場1位に輝きました。K-POPの4大事務所以外の所属アーティストが同チャートで1位を記録するのはこれが初で、“中小事務所の快挙”と報じられ話題に。また同作はイギリスの「オフィシャルアルバムチャート」でも2位にランクイン。世界的に熱い関心が寄せられています。
チャートにまつわるトピックといえば、EXOの「The First Snow」は外せません。こちらは10年前にリリースされた楽曲ですが、TikTokでダンスチャレンジが流行して韓国の音楽チャートを逆走。ついにMelonチャートの「TOP100」で1位に輝く快挙を成し遂げました。TWICE、NCT DREAM、ENHYPEN、aespa、ZEROBASEONE、RIIZEなど人気グループが次々にダンスチャレンジを投稿したほか、EXOのスホも雪がちらつく中でダンスを披露しています。
ホリデーシーズンにぴったりな楽曲は「The First Snow」だけではありません。aespaは「Jingle Bell Rock」、TWICEは「Dance Again」、LE SSERAFIMは「Perfect Night」のHoliday Remix、チョン・ソミはBIG Naughtyとのコラボ曲「Ex-Mas」をリリース。クリスマス気分を盛り上げました。
4. ニジプロ2&日プガールズのデビューメンバー決定
大型オーディションプロジェクト「Nizi Project Season 2」と「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」がそれぞれファイナルを迎え、デビューメンバーが決定しました。
ソニーミュージックとJYPエンターテインメントが合同で手がける「Nizi Project Season 2」からは7人組ボーイズグループ・NEXZ(ネクスジ)が誕生。ファイナルステージで披露された「Miracle」が早くも配信され、iTunesでは韓国語バージョンが「K-POP」ジャンルで首位を獲得する快挙に。パフォーマンスビデオでは完成度の高いシンクロダンスが展開され、YouTubeの急上昇ランクで1位になるなど話題を集めています。
「PRODUCE 101 JAPAN」シリーズ初のガールズグループオーディション「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」では、11人の練習生がガールズグループ・ME:I(ミーアイ)のメンバーとしてデビューをつかみました。“国民プロデューサー”と称された視聴者による投票によって順位が決定し、ファイナルは激動の展開に。苦楽をともにした練習生同士の友情も感動を呼びました。2024年はNEXZとME:Iが、音楽界に旋風を起こすことでしょう。
5. RIIZE東京ぶらり旅、ディズニーシーにも続々
年の瀬は大忙しのK-POPアーティストたちですが、休息もしっかりと取ってほしいのがファン心。東京・東京ドーム開催の「2023 MAMA AWARDS」、埼玉・ベルーナドーム開催の「Music Bank Global Festival 2023」に出演するため来日したアーティストも多く、SNSでは日本でオフを楽しむ姿が多数公開されました。
IVEはレイ、リズ、イソ、ガウルの4人がディズニーシーへ。おそろいのピンクのカチューシャがなんともキュート! そしてKep1erのヒカル、ヨンウン、シャオティン、ヒュニンバヒエも、ディズニーシーを楽しむ写真をInstagramに投稿していました。
RIIZEは下北沢の古着屋を巡ったり、コンビニで新作のお菓子にはしゃいだりと、東京を満喫。ZEROBASEONEのゴヌクとギュビンも、日本のコンビニを楽しむ姿を公開し、等身大の青年たちの姿を見せてくれました。
2023年12月のひとりごと
ライター 岸野
「MMA2023」にて、imaseさんが歌う「NIGHT DANCER」に合わせてZEROBASEONEやBOYNEXTDOORら待機席の出演アーティストが楽しそうに踊る光景、とてもまぶしかった。新たな扉が開いた感覚がありました。
編集 獅々堀
「SBS歌謡大祭典」のおかげでクリスマス気分が抜けないまま年を越しそうです。全グループ最高でした。