小山田圭吾、角野隼斗、アイナ・ジ・エンドらが映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」に寄せたコメントが公開された。
4月26日公開の「Ryuichi Sakamoto | Opus」は、昨年3月に亡くなった坂本龍一の最後のソロコンサートの模様を収録した長編コンサート映画。闘病生活の中で坂本に通常の形式でコンサートをやりきる体力が残っていなかったため、1日数曲のペースで事前収録した演奏をつなぎ、1本のライブ映像になるように編集された。映画を視聴した小山田は「こんなに冷静に美しく、自分の状況と向き合えた人を僕は知りません。ただ、100年後に何の情報も無くこの映画を見た人に伝わるのは、純粋な音楽の素晴らしさだと思います」、角野は「もはや何の飾りもない、剥き出しの姿でありながら、極限まで洗練されている。そういう美しさに私は惹かれるのだと、改めて思った」、アイナは「透明に住み着く濁り。そんな音が紡がれていくのを聴き逃したくなくて、自分の呼吸の音さえ煩わしく感じました。気がつくと心は縋り、体は踊っていました」とそれぞれの思いをコメント。3人のほかに役所広司、黒沢清、李禹煥のコメントも公開されている。
また入場者特典として、ポストカードがプレゼントされることも決定。表面は坂本とグランドピアノのシルエットが浮き上がっているデザインとなっていり、裏面にはセットリストが記載される。ポストカードは4月26日に先行公開が行われる東京・東京・109シネマズプレミアム新宿や、5月10日公開の各劇場で配布される。
役所広司 コメント
坂本龍一はまさに“教授”と呼ばれるのにふさわしい、素晴らしい音楽家だ。
全てを削ぎ落された坂本さんの演奏には人間としての“気”が宿り、
1音1音丁寧に心を込めて演奏する姿や音楽はこんなにも美しいのかと感動した。
黒沢清 コメント
坂本さんの演奏をこれほど間近に、これほど注意深く見つめたのは初めてです。
何という圧倒的な体験を最後に残してくれたのでしょう。音楽家と音とが完全に不可分
のものとなり、二度と忘れることのない記憶として私の脳裏に刻まれました。
李禹煥 コメント
12のスケッチのCDでは、音が研ぎすまされ、遥かな到達点を思わせるものがあった。
この映画ではモノトーンの強い音色が、ざらつきつっかかり抵抗感あらわだ。
何か異議申立のような静かな晩年の怒りが伝わった。
小山田圭吾 コメント
呼吸や表情、筋肉の動き、間、自分の記憶や音の響きから
色々な感情が頭をよぎります。
こんなに冷静に美しく、自分の状況と向き合えた人を僕は知りません。
ただ、100年後に何の情報も無くこの映画を見た人に伝わるのは、
純粋な音楽の素晴らしさだと思います。
角野隼斗 コメント
教授の人生の証であり、遺言でもあるような最期の演奏。
もはや何の飾りもない、剥き出しの姿でありながら、極限まで洗練されている。そういう美しさに私は惹かれるのだと、改めて思った。
アイナ・ジ・エンド コメント
透明に住み着く濁り。そんな音が紡がれていくのを聴き逃したくなくて、自分の呼吸の音さえ煩わしく感じました。
気がつくと心は縋り、体は踊っていました。
鍵盤から指が離れて、その手が宙を舞ったとき
とても美しくて、とても寂しかったです。