大きなものから小さなものまで、“最近のK-POP”の話題を振り返るマンスリー連載「K-POP、最近どう?」。5月はRM(BTS)やZEROBASEONE、NewJeans、aespa……とK-POPのトップランナーのカムバックが続きます。リリースだけでなく、過去最大規模で行われた「KCON JAPAN」やSEVENTEENのスタジアム公演、大型新人2組の初の日本単独公演など、注目度が高いライブも多数開催される来日ラッシュの月でした。本稿では、4月末から5月末にかけてのK-POPトピックの中から5つをピックアップしご紹介します。
文 / 岸野恵加 イラスト / hakowasa
1. 特撮バトルテイストが流行?
人気アーティストが続々とカムバックしたこの1カ月。まずは4月29日にSEVENTEENとIVEが同時に新作をリリースして注目を浴びました。「MAESTRO」で音楽番組6冠を獲得したSEVENTEENは、大阪・ヤンマースタジアム長居と神奈川・日産スタジアムにて、日本で初めてとなるスタジアム公演を開催。メンバーが愛する焼き鳥チェーン鳥貴族とまさかのコラボキャンペーンも展開され、レジでは合言葉の「鳥貴族アジュナイス!」をCARAT(SEVENTEENファンの呼称)が元気に叫ぶ声が飛び交っていたようです。
IVEはダブルタイトル曲「HEYA」「Accendio」でそれぞれ活動を展開。「Accendio」のミュージックビデオでは、メンバーが変身してヴィランと戦う“魔法少女”な世界観が繰り広げられました。アクションシーンではユジンの華麗な回し蹴りが炸裂。ちなみにaespaも、1stフルアルバムの収録曲「Licorice」の映像で、戦隊ヒーローのようにミントチョコの怪物と対戦しています。効果音や画面演出には、古きよき特撮作品のテイストが満載。そしてSEVENTEENの人気YouTubeコンテンツ「GOING SEVENTEEN」内のコーナー「Going Rangers」でも、メンバーがレンジャーに扮してポーズを決めています。偶然とはいえ、特撮好きにはたまらない演出が同時多発して筆者は大興奮でした。
そのほか、ZICOとジェニー(BLACKPINK)のコラボ曲「SPOT!」や、RM(BTS)の2ndソロアルバム「Right Place, Wrong Person」、ZEROBASEONE「You had me at HELLO」などのリリースも話題に。「SPOT!」が音楽番組「SBS人気歌謡」で1位を獲った際には、不在のZICOに代わって、彼がプロデュースするBOYNEXTDOORが代理でトロフィーを受け取り、飛び跳ねて歓喜。師弟愛を感じさせました。
2. 体が足りない…来日公演ラッシュ
5月11、12日の週末には、K-POPアーティストの大型来日公演が集中。どれに足を運ぼうか悩んだ人も多いのでは? 幕張メッセとZOZOマリンスタジアムでは「KCON JAPAN 2024」が行われ、有明アリーナではBABYMONSTERが、国立代々木競技場第一体育館ではRIIZEが、京セラドーム大阪ではNCT DREAMが、ワールド記念ホールではベクヒョン(EXO)がステージに立ちました。
「KCON JAPAN 2024」は過去最大規模となる6つのステージで3日間にわたって熱演が繰り広げられ、44組ものアーティストが参加。目玉イベント「M COUNTDOWN STAGE」にはチャウヌ(ASTRO)やジョン・ヨンファ(CNBLUE)、KEY(SHINee)、テヨン(少女時代)、Red Velvetらが出演しました。筆者も10、12日に現地に足を運びましたが、コンベンションエリアで1日中絶え間なくステージが展開されている光景が新鮮で、これまでの「KCON」よりもフェスのムードが格段に増していました。
BABYMONSTERとRIIZEは、今回が初の単独来日公演。RIIZEのファンコンサートではOne DirectionやSUPER JUNIORのカバーも行われ、多彩なステージが展開されました。BABYMONSTERのファンミーティングは全世界に先駆けて日本が初演。筆者はレポート執筆のためのメモを取りながらも、新人らしからぬ圧倒的なパフォーマンスと煽りのうまさに、体を揺らさずにはいられなかったです。いずれの公演も今回はトークパート中心だったので、パフォーマンスをじっくりと堪能できるコンサートが開催される日を本当に楽しみにしています。
3. 日本デビューが続々決定
新人グループの日本デビューが次々に発表された5月。まずASTROと同じ事務所・Fantagioに所属するLUN8は、6月19日に1stシングル「Evergreen」を発表します。日本出身のタクマはFantagio初の外国人メンバー。「KCON JAPAN 2024」のステージでも、日本デビューへの喜びを明かしていました。
BOYNEXTDOORは7月10日に日本1stシングル「AND,」をリリースする予定で、本作には初の日本オリジナル曲も収録されます。またATEEZの弟分である10人組ボーイズグループのxikersは、「Tsuki(Lunatic)」を8月7日にリリース。そしてRIIZEは9月に日本デビューを飾る予定で、7月から8月にかけては日本の9都市を巡るホールツアーを開催します。熱狂的な人気がさらに日本中に広がっていくことでしょう。
K-POPガールズグループ最高人数が目を引くtripleSは、ソニー・ミュージックレーベルズのSME Recordsより日本デビューすることが決定しました。tripleS はファンがアプリでNFTを利用し、タイトル曲やユニットメンバーの構成などの投票に参加できるというユニークな活動スタイルが特徴のグループ。4月に最後のメンバー4人がお披露目され、24人の完全体となりました。5月14日放送の「THE SHOW」では、「Girls Never Die」でデビュー後初の音楽番組1位を獲得。今後新たな風を吹かせてくれそうです。
4. NewJeansが村上隆、藤原ヒロシと
NewJeansも話題に事欠かない1カ月でした。6月21日に「Supernatural」をリリースして日本デビューするNewJeansですが、その収録曲「Right Now」が、5月に放送開始したロッテ「ZERO」のCMでいち早くオンエアされています。
彼女たちの枠にとらわれないコラボも注目を浴びています。「Supernatural」では現代美術家の村上隆と大々的にコラボし、彼のシグネチャー「Murakami.Flowers」が組み合わさったキャラクターが、CDに付属するバッグなどに登場。また「Right Now」のMVティザーでは「NewJeans×パワーパフガールズ」のキャラクターも姿を見せています。さらには藤原ヒロシとコラボしたアパレルアイテムも誕生。日韓のポップアップショップで販売予定です。
5月21日には、ソウルの景福宮興礼門広場で行われた「2024 KOREA ON STAGE - NEW GENERATION」に、韓服を再解釈した衣装で出演。6月26、27日に東京・東京ドームで行われる日本初のNewJeans単独公演「Bunnies Camp 2024」のチケットは完売しています。プロデューサーのADOR代表ミン・ヒジンとHYBEの問題も行く末が注視されていますが、平穏な決着を祈るばかりです。
5. やれやれ、お嬢様…
5月5日は、日本と同じく韓国でもこどもの日。この日に合わせてK-POPアーティストたちがかわいらしい子供時代の写真を多数披露し、フィードをにぎわせてくれました。aespaのカリナは髪の毛がふさふさな赤ちゃん時代の写真を、ウィンターは帽子姿がキュートな幼児時代の写真を公開。Kep1erは“ケプラー幼稚園”のコンセプトで、幼きメンバーそれぞれへ表彰状を贈りました。
またZEROBASEONEは9人の写真をまとめて1つの画像に。ENHYPENのSUNOOは、マッシュルームカットでキャンディをなめるあどけない姿を見せました。TOMORROW X TOGETHERのSOOBINは、2日遅れた5月7日に、はつらつとはしゃぐ“少年SOOBIN”の動画を投稿しています。
TikTokでは、“チャルジャヨアガシ”が流行。お笑い芸人のキム・ギョンウクが扮するタナカとNeedmorecashによるASMRZが2月に発表した楽曲「잘자요 아가씨(おやすみなさい、お嬢様)」のことです。執事の格好をした2人が「やれやれ」「最後の警告です」などの日本語を交えた歌詞を優しくささやきます。多くのアイドルが動画を投稿する中、ATEEZの完璧にこだわり抜いた執事とお嬢様に扮する動画が話題に。ブームは盛り上がり続け、ついにはASMRZが5月14日に音楽番組「THE SHOW」に出演しました。
2024年5月のひとりごと
ライター 岸野
普段あまりK-POPに関心を示さない小2の娘がBABYMONSTERの「SHEESH」にハマり、ずっと「シッ!シッ!」と叫んでいて和みます。
編集 獅々堀
そろそろ夏が来そうなのでfromis_9のカムバックを待機します。