7月17日にCD、8月3日にアナログ盤でリリースされるリンダ・キャリエールのアルバム「Linda Carriere」の制作参加者4名のコメントが公開された。
「Linda Carriere」は1977年に細野晴臣とアルファレコードがプロデューサー契約を結び、その第1作として発表される予定だった作品。山下達郎、佐藤博、吉田美奈子、矢野顕子ら協力のもと制作が進められていたが、世界戦略を担う当時の海外スタッフの反応が悪かったことを受けて発売中止となった。その後アルファミュージックが創立55周年を迎えた今年2024年に商品化が実現した。
このアルバムのリリースに際し、楽曲を提供した細野、矢野、山下、吉田がコメントを発表。制作当時のエピソードや、提供曲のその後など書きつづっている。
また本日6月18日には各サブスクリプションサービスにて、アルバム収録曲「Socrates」の配信がスタートした。
細野晴臣 コメント
リンダ・キャリエールのアルバムがお蔵になったことでYMOが始まったんですよね。
それがなかったら多分僕はプロデューサー業をずっとやっていたと思うんですよ。
今思えば大事なポイントだったんだなと思います。
それにしても、よくあんな曲をみんな書いてくれたなぁ。
今聴いてもらいたいな、というのが凄くあるんですよ。
その当時の楽曲として、あるいは演奏として、歌として、
完成度がこれほど高いものが今ではありえない。
今作るってわけにはいかない。
70年代の成果というか、隠されていた宝物みたいなアルバムだと思います。
矢野顕子 コメント
忘却の彼方から突然に戻って来た音楽。
このメロディ、この歌詞、この歌声だったよね。
戻って来てくれてありがとう。
山下達郎 コメント
今の今まで、リンダ・キャリエールがその後ダイナスティのメンバーになったことを知りませんでした。細野さんプロデュースによる海外女性シンガーのアルバムという、当時としては先駆的な試みでした。私は作曲を2曲、編曲を4曲担当させていただきました。残念なことに、その後この企画がお蔵入りになったと知り、勿体ないので「Love Celebration」は自分のアルバム「Go Ahead!」でセルフ・カヴァーしました。携わった皆さんのエネルギーが満ちあふれた作品です。
吉田美奈子 コメント
懐かしいアルバムの初めてのリリース! 当時の事、そんなには憶えていないのですが、外国向けに作る、と言われた様な、言われない様な… その程度の記憶しかない。そうそう、ひとつだけお伝え出来るのは、当時結局リリースされなかったので「Proud Soul」はその後、「猫」ってタイトルの曲に作り直したって事!
リンダ・キャリエール「Linda Carriere」収録曲
01. Up On His Luck
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:山下達郎]
02. Loving Makes It So
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:吉田美奈子]
03. Sunday Girl
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:細野晴臣]
04. All That Bad
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:細野晴臣]
05. Proud Soul
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:吉田美奈子]
06. Laid Back Mad Or Mellow
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:矢野顕子]
07. Child On An Angel's Arm
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:細野晴臣]
08. Vertigo
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:佐藤博]
09. Love Celebration
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:山下達郎]
10. Socrates
[作詞:ジェームス・レイガン / 作曲:細野晴臣]