6月21~23日に幕張メッセ国際展示場9~11ホールでライブイベント「20th Anniversary Live ランティス祭り2019 A・R・I・G・A・T・O ANISONG」が開催された。
ランティスレーベル設立10周年を記念して2009年に初開催された「ランティス祭り」。今回レーベル設立20周年を迎えたことを記念して、2014年以来約5年ぶりにこのイベントが行われた。3度目となる「ランティス祭り」のテーマは「A・R・I・G・A・T・O ANISONG」。3日間で計70組以上のアーティストが出演し、アニメ史に刻まれる名曲を披露した。
1日目:6月21日
3日間にわたるイベントのトップバッターを飾ったのは、今年の4月にデビュー15周年を迎えた茅原実里。代表曲の1つ「Paradise Lost」で1曲目から熱いコールを巻き起こしていく。最後には夏を感じさせるナンバー「Freedom Dreamer」を披露し、イベントのオープニングを華やかに彩った。続いてNOW ON AIRが「わたし的Progress」をさわやかにパフォーマンスしたあとには、そんな彼女のたちのサウンドプロデュースを手がける結城アイラがテレビアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の挿入歌「Violet Snow」をピアノで弾き語る。繊細なタッチで音色を奏で、柔らかな歌声を場内に響かせた。ZAQがテレビアニメ「中二病でも恋がしたい!」のオープニング主題歌「Sparkling Daydream」を披露すると、会場には指をくるくると回すおなじみの振り付けが広がる。最後はアシッドジャズ調の「カーストルーム」をつややかに届け、ZAQは笑顔でステージをあとにした。
一際大きな歓声が沸き起こったのはメドレーカバーコーナー。アイカツスターズ!はテレビアニメ「こどものじかん」のエンディング主題歌「ハナマル☆センセイション」をキュートに踊り、Faylanは「中二病でも恋がしたい!」のエンディング主題歌「INSIDE IDENTITY」でソウルフルな歌声を響かせる。さらに橋本みゆきと美郷あきがテレビアニメ「おねがい☆ティーチャー」より「Shooting Star」、喜多修平とSTEREO DIVE FOUNDATIONがテレビアニメ「Free!」より「SPLASH FREE」のカバーを披露するなど「ランティス祭り」ならではのスペシャルなコラボレーションも行われ、会場の熱気は一層高まっていった。
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDは佐咲紗花とNON ON AIRをゲストボーカルに迎え、「ウィッチ☆アクティビティ」を演奏。きらびやかなサウンドで、ファンタジックな世界観を生み出した。その後再開されたメドレーカバーコーナーでは、結城が作詞提供した「アイドリッシュセブン」に登場するTRIGGERの楽曲「DIAMOND FUSION」を歌唱する。制服姿で登場したNOW ON AIRはアニメ「らき☆すた」の主題歌「もってけ!セーラーふく」を披露。アニメのエンディング映像をバックに、ポンポンを使ってチアリーディング風のフォーメーションダンスを繰り広げた。
yozuca*とrino(CooRie)によるユニットyozurino*はランティスへの感謝をたっぷりと語ったあと、テレビアニメ「D.C. ~ダ・カーポ~」の主題歌「サクラサクミライコイユメ」で美しい歌声を重ね合わせる。さらにサプライズで橋本、佐咲、美郷、Minamiをステージに呼び込み、今年放送されたテレビアニメ「サークレット・プリンセス」のエンディング主題歌「Circle-Lets Friends!」で6人のハーモニーを会場いっぱいに響かせた。アイカツスターズ!は「We are STARS!!!!!」をライブ初披露し、五角形をテーマにしたダンスを繰り広げる。スモークの中から姿を現したALI PROJECTは「聖少女領域」「跪いて足をお嘗め」で荘厳な世界観を紡ぎ、オーディエンスの目を釘付けにした。
この日唯一のバンドアーティストとなったラックライフがメジャーデビュー曲「名前を呼ぶよ」をエモーショナルにプレイし、初日のライブは終盤戦へ。アニメ「ガールズ&パンツァー」より佐咲が「Grand symphony」、ChouChoが「piece of youth」を続けて歌い上げると、観客はスクリーンに映し出されるアニメ映像と共に「ガールズ&パンツァー」の世界観にじっくりと浸っていた。その後はChouCho、佐咲、渕上舞の3人で同アニメのテーマ曲「DreamRiser」でコラボレーションする場面も。楽しげに歌を届けた彼女たちは、大歓声を浴びながらステージを去って行った。
「ランティス祭り」初出演にして初日のトリを飾ったAqoursは、劇場版の挿入歌「Brightest Melody」の衣装で登場。色とりどりのペンライトの光を前に、まずは「Hop? Stop? Nonstop!」を元気いっぱいに歌い上げた。「Brightest Melody」では衣装も含めて9人のパフォーマンスとバックスクリーンの映像がシンクロする形に。そして個性あふれるメンバーの自己紹介を経て、デビューシングル「君のこころは輝いてるかい?」でキレのあるダンスを繰り広げた。ラストナンバーは6月30日にリリースされる新作「Aqours CLUB CD SET 2019」に収録される新曲「Jump up HIGH!!」。ステージに広がった9人は弾けるような笑顔で飛び跳ね、タオルによる大旋風を会場に巻き起こす。アンコールでは出演者がステージに出そろって「ランティス祭り」のテーマ曲「Starting STYLE!!2019」を歌い、ピースフルな空気の中、イベント初日を締めくくった。
2日目:6月22日
2日目の1番手を務めたfhanaは「divine intervention」でライブをスタート。みずみずしいバンドサウンドと透明感のある歌声を響かせ、アップテンポのポップナンバー「青空のラプソディ」でにぎやかにアクトを終えた。テレビアニメ「響け!ユーフォニアム」のメインキャラクターを演じる黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳によるユニット・北宇治カルテットは、ステージの端まで歩きながら「トゥッティ!」を歌唱。4人は拳を突き上げ、マイクを客席に向けながらエネルギッシュにパフォーマンスを繰り広げた。アイカツフレンズ!やAiRIが会場を盛り上げたあと、ここでランティス創立当初からこのレーベルに所属する緒方恵美がステージに登場。自身が主人公の碇シンジ役で声優出演する「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」を自身のアニソンカバーアルバム「アニメグ。」バージョンで歌い、会場を大きく沸かせた。さらに「劇場版 美少女戦士セーラームーンR」の主題歌「Moon Revenge」やアニメ「幽☆遊☆白書」のテーマ曲「太陽がまた輝くとき」と、こちらも同じくカバーアルバム「アニメグ。25th」や「アニメグ。」の収録楽曲からの名曲が続き、1曲ごとに場内から大きな歓声が沸く。最後には2017年にリリースされたオリジナルアルバム「real/dummy」より「僕を放て」をパワフルに歌い上げ、貫禄のあるステージングで観客を圧倒させた。
nano.RIPEが「面影ワープ」で爽快感あふれるサウンドを届けたあと、赤い髪飾りを付けて登場した伊藤かな恵がデビュー曲「ユメ・ミル・ココロ」を可憐に歌唱。大勢の観客を前に恥ずかしそうに両手で顔を隠したり、たどたどしくステージを走ったり、客席に懸命に手を振ったりと、天真爛漫なステージで会場を盛り上げた。小野賢章はテレビアニメ「黒子のバスケ」第3期第2クール帝光編オープニング主題歌「ZERO」を鋭利なバウンドサウンドをバックに熱唱。小野からバトンを受け取った先輩の森久保祥太郎は「FOCUS」「CHAIN REACTION」を続け、会場のボルテージを一層引き上げた。
2日目のメドレーカバーコーナーは、新谷良子によるアニメ「ひだまりスケッチ」のオープニング主題歌「スケッチスイッチ」でスタート。新谷は自身が声優として出演する同アニメの映像をバックに、跳ねるような鍵盤の音色に乗せて歌を届けた。テレビアニメ「あずまんが大王」オープニング主題歌 「空耳ケーキ」をカバーしたのは畑亜貴とeufonius。心地のいいリズムに乗せて軽快に歌い上げた。たぴみるはテレビアニメ「みつどもえ」のテーマ曲「みっつ数えて大集合!」をカバー。そしてテレビアニメ「日常」の主題歌「ヒャダインのカカカタ カタオモイ-C」で息ぴったりの掛け合いを見せたbambooとAiRIが最後に2人の指でハートマークを作り、和やかなムードの中この日のメドレーを締めくくった。
2日目も折り返し地点を過ぎた頃、高橋諒、PON(ORESAMA)、Foggy-Dによるユニット・ONE III NOTESが登場。テレビアニメ「ACCA13区監察課」のオープニング主題歌「Shadow and Truth」でエッジの効いたサウンドと澄んだ歌声を響かせ、強いインパクトを残してステージから去って行った。赤いジャケットを羽織ってステージに現れた小野大輔は、ダンサーを引き連れて「ROSA ~Blue Ocean~」を情熱的にパフォーマンス。そしてランティスへの愛やこれまで出会った人々への感謝をしみじみと語ったあと、そんな思いを込めるように「Endless happy world」を優しい眼差しで歌い上げた。アイドルマスター SideMは「MEET THE WORLD!」「Reason!!」を続け、10人による迫力のあるパフォーマンスを展開。“SideMポーズ”を観客にレクチャーし、オーディエンスと一体になってライブを楽しんだ。その後鈴村健一の最新シングル曲「My Life Summer Life」によって会場は陽気な夏のムードへ。昨年アーティストデビュー10周年を迎えた際に生まれた楽曲「Go my rail」でコール&レスポンスを交わし、場内にアットホームな空間を生み出した。
寺島拓篤はテレビアニメ「転生したらスライムだった件」より「メグルモノ」「Nameless Story」の2曲を伸びやかに歌い上げたあと、小野大輔、鈴村、森久保をステージに呼び込んだ。舞台上に集結した「おれパラ」の4人は仲睦まじくトークを繰り広げ、「UNITED FLAG」をさわやかに披露。サプライズで行われたスペシャルなステージに、観客は無我夢中になってペンライトを振り上げた。
2日目のラストを飾ったGRANRODEOは盛大なハンドクラップに迎えられて登場。ライブ序盤から「modern strange cowboy」で疾走感あふれるステージを展開し、会場に熱狂の渦を巻き起こした。2人はランティスにまつわる思い出を懐かしそうに話したあと、テレビアニメ「文豪ストレイドッグス」第3シーズンのオープニング主題歌としてオンエア中の最新曲「セツナの愛」をエモーショナルにプレイ。熱いコールを浴びながら「Can Do」を演奏し、最後はありったけの力を放つように「The Other self」でポジティブなメッセージを届けた。アンコールの「Starting STYLE!!2019」ではアレンジを手がけたfhanaの佐藤純一(Key)がバンド演奏に参加。最後に会場全員でジャンプし、温かな空気の中2日目は終了した。
3日目:6月23日
「ランティス祭り」最終日のトップバッターを務めたのはOLDCODEX。Ta_2(Vo)の燃えたぎるような咆哮と共に、彼らは「Rage on」で幕を切る。オーディエンスは彼らの熱演に応えるように力強く拳を突き上げ、野太いコールを飛ばした。MC中にはYORKE.(Painter)が“LANTIS”と赤文字で大きくペインティング。「WALK」ではTa_2がステージを降り、客席を歩きながら熱唱した。森久保祥太郎ことM.K.BとShinnosuke(ex. SOUL'd OUT)によるユニット・buzz★Vibesがファンキーなナンバー「Screamin' 2nite」で会場を温めたあと、2000年にランティスから“声優アーティスト第1号”としてデビューした速水奨はセクシーな女性ダンサーをバックに「monsoon」をロマンチックに歌い上げる。アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズは「UNION!!」「Brand New Theater!」などを披露し、活気あふれるパフォーマンスを見せた。ORESAMAは「ワンダードライブ」「流星ダンスフロア」を続け、弾むような歌声とカッティングギターで会場を揺らしていく。アイカツ!は「オリジナルスター☆彡」で軽快にステップを踏み、瞬く間にオーディエンスを魅了した。
最終日のカバーメドレーコーナーでは、アイカツ!がテレビアニメ「侵略!イカ娘」のオープニング主題歌「侵略のススメ☆」で舞台を駆け回ったり飛び跳ねたりと、パワフルなステージを展開。Chimaとrionosはテレビアニメ「うたわれるもの」のオープニング主題歌「夢想歌」をゆったりと歌唱し、場内に穏やかな空気をもたらした。JAM Projectの「未来への咆哮」をカバーしたのはMia REGINA。3人が力強い眼差しで堂々と歌声を響かせると、会場は燃えるような赤いペンライトの光で染まった。
最終日も中盤に差しかかった頃、テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のムービーが流れ、いよいよSOS団 from 涼宮ハルヒの出番に。期待感に満ちた会場に流れたのは、アニメのオープニング主題歌「冒険でしょでしょ?」のイントロ。ステージに主人公・涼宮ハルヒの声優を務める平野綾が姿を現すと、場内に割れんばかりの歓声が響きわたった。ハルヒのチャームポイントである黄色いリボンを頭に付け、平野はステージを全力疾走。力いっぱい客席を煽り、アニメが放送された2006年当時と変わらない歌声を届けた。興奮冷めやらぬ中、平野と入れ替わってステージに登場したのは、初日のみの出演と思われていた茅原。驚くオーディエンスを前に、彼女は自身が声優を務める長門有希のキャラクターソング「雪、無音、窓辺にて。」を歌い始める。そしてまっすぐに前を見据えながら言葉を紡いだ茅原は、楽曲の最後のフレーズ「信じて」を「大好き」に変えて告げ、大歓声に見送られてステージをあとにした。目まぐるしい展開の中、続いてステージに姿を現したのは朝比奈みくるの声優を務める後藤邑子。両手でマイクを握り「恋のミクル伝説」を歌い上げる彼女の姿に、オーディエンスはじっくりと魅入っていた。次に登場したのは前日に出演した小野大輔。古泉一樹のキャラクターソング「まっがーれ↓スペクタクル」を披露し、「ふんもっふ!」と劇中の台詞と共にボールを投げる演出でオーディエンスを歓喜させた。夢のようなサプライズの連続に、会場のボルテージは頂点へ。ラストはキョン役を演じる杉田智和も加わり、約12年ぶりにSOS団の5人で「ハレ晴レユカイ」をパフォーマンス。スクリーンに映し出されるアニメのエンディング映像とシンクロする形で、5人はフルバージョンにてキレのあるダンスを繰り広げた。踊り終えた5人は、感無量といった様子で再び集結できた喜びを語り合う。最後は平野が「私にとって本当に大事な5人だし、本当に大切な作品なので、みんなも変わらずにこの作品を盛り上げていってくれたらうれしいです!」と涙を流しながら伝え、オーディエンスとの再会を願った。
LAZYが「Wandering Soul」、そしてデビューするきっかけになったというDeep Purpleの「BURN」で熱のこもったプレイを繰り広げたあとは、Aqoursのユニットコーナーへ。桜内梨子役の逢田梨香子、津島善子役の小林愛香、小原鞠莉役の鈴木愛奈からなるGuilty Kissはスタンドマイクを使って「Strawberry Trapper」をエネルギッシュにパフォーマンスし、MCでは会場にGuilty Kissコールを巻き起こした。松浦果南役の諏訪ななか、黒澤ダイヤ役の小宮有紗、国木田花丸役の高槻かなこによるAZALEAは「トリコリコPLEASE!!」でステッキをラブリーに操り、オーディエンスの心を鷲掴みにする。高海千歌役の伊波杏樹、渡辺曜役の斉藤朱夏、黒澤ルビィ役の降幡愛からなるCYaRon!は「海岸通りで待ってるよ」でキャッチーな振り付けを観客と楽しみ、にぎやかにアクトを締めくくった。
今年結成10周年を迎えたスフィアは「MOON SIGNAL」を真っすぐに届けたあと、続くアッパーチューン「HIGH POWERED」でペットボトルを高く掲げて“ランティ水”コールを巻き起こす。JAM Projectとのコラボ曲「鋼のVictress」ではサプライズでJAM Projectをステージに迎え入れ、ヘヴィなサウンドをバックに9人による迫力のあるボーカルで会場を盛り上げた。田所あずさは「DEAREST DROP」で伸びやかに高音を響かせる。そして最新シングル曲「リトルソルジャー」をさわやかに歌い、笑顔で客席に手を振ってライブを終えた。
イベントの大トリを務めたのは、来年結成20周年を迎えるランティスの“レジェンドユニット”JAM Project。ステージに出そろった5人は4月にリリースした最新シングル曲「静寂のアポストル」を1曲目にセレクトし、アクセル全開のパフォーマンスを見せる。2曲目「THE HERO!! ~怒れる拳に火をつけろ~」ではOLDCODEXをステージに呼び込み、白熱のコラボステージを展開。真っ赤なペンライトで染まった会場に、熱いシンガロングを巻き起こした。影山ヒロノブが「ランティス祭り」に懸ける思いを語ったあと、5人は「静寂のアポストル」と同時リリースした最新曲「Tread on the Tiger's Tail」を熱演。「GONG」ではこの日一番のオーディエンスの大合唱が会場を包み込んだ。ラストナンバーは「SKILL」。演奏が始まると観客が堰を切ったように一斉に飛び跳ね、壮観な景色が場内に広がった。
アンコールの「Starting STYLE!!2019」ではYORKE.がボードに“A・R・I・G・A・T・O”とペインティング。その下にはランティスのロゴが輝く。会場には出演者とオーディエンスの合唱が響きわたり、祝祭感が広がる中、ランティスの歴史に新たに刻まれた3度目の「ランティス祭り」はフィナーレを迎えた。
※fhanaのhとnの間のaはアキュートアクセント付きが正式表記。