雑誌「BRUTUS」の山下達郎の特集号が本日6月15日に発売された。
本誌では「山下達郎の音楽履歴書 TATSURO'S MUSIC BOOK」と題し、6月22日に約11年ぶりのアルバム「SOFTLY」を発表する山下に合計8時間を超えるインタビューを実施。大滝詠一、細野晴臣、大貫妙子、矢野顕子、吉田美奈子、松任谷由実、鈴木雅之、太田裕美、EPO、近藤真彦、KinKi Kidsなどさまざまなアーティストに携わった彼の作家としてのキャリアに迫る。インタビュアーは随一の山下達郎マニアで知られるクリス松村が担当した。また細野、大貫、矢野、鈴木、林哲司が山下との仕事についてのエピソードやその音楽に対する思いを語っている。
さらに本誌では「SOFTLY」に収録されている全15曲を、15人のミュージシャンが1曲ずつ読み解く企画も。山下の音楽に影響を受けた田島貴男(Original Love)、tofubeats、尾崎世界観(クリープハイプ)、Rei、角舘健悟(Yogee New Waves)、関口スグヤ、寺尾紗穂、鳥居真道(トリプルファイヤー)、横山剣(クレイジーケンバンド)、岸田繁(くるり)、澤部渡(スカート)、曽我部恵一、冨田ラボ、一十三十一、ヒャダインが楽曲を詳細にレビューしている。特別付録は山下が作曲、編曲、コーラス、プロデュースを手がけた楽曲計449曲の「全仕事リスト」。これは山下自身が制作したリストをもと構成された、初公開のものとなっている。
「BRUTUS」編集長 田島朗氏 コメント
「もうちょっと、話しましょうか」。クリス松村さんとの6時間にわたる対談のあと、達郎さんの口から出た言葉です。特集にすべて掲載するにはまだ内容が足りないのでは、そう案じて自ら申し出てくださり、急遽、翌日に延長してさらに2時間、お話を伺わせて頂けることになったのです。思えば企画書とともに「丸ごと1冊山下達郎特集をつくりたい」とお願いしに行った時も、達郎さん自ら「もっと他にない企画にしましょうよ、多くの人に楽しんでもらえるような」とさらに何度か綿密な打合せをさせて頂けることになったのでした。思えば「なるべく達郎さんに負荷をかけないように」と編集部が過剰に気を遣っていたのかもしれません。
そうして新譜制作とツアーの間の貴重なお時間を頂きながら作った特集はまさに「山下達郎全仕事」であり、日本のポップスの歴史が凝縮された1冊に仕上がりました。そして、対談で何度も感じた、少しでも良いものをつくるために時間と手間を惜しまず全身全霊を捧げる姿勢というのは、まさに今回の特集への向き合い方にも通じるところがあったのです。プロフェッショナルとしての山下達郎という人間の凄さを間近に見させて頂き感動すると同時に、ますますファンになりました。コアな山下達郎ファンが読んでも、最近のシティポップブームで聴き出した若い方々にも楽しんでいただけるような、完全保存版ができあがったかと思います。どうぞお楽しみください。